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涙の効用

2014年01月20日(月)

子どもの頃、よく泣いていました。野球の大会で敗れた毎に。
それも、周りがちょっと驚く泣き方で。
試合に負けた悔しさ、頑張ってきた喜び、
仲間と野球をするのは最後だという悲しさなど、
すべての感情が涙としてあふれ出てきたのです。
でも、最近、泣くことはほとんどなくなりました。
泣きたいことは多々ありますが…。

先日、自ら泣こうとする
「涙活(るいかつ)」というイベントに行ってきました。
泣くに泣けない人が多い中、泣いてストレスを発散してもらおうと、
落語ならぬ「泣語(なくご)」という泣ける話を聞いたり、
感動や共感して泣ける動画を見たりと1時間半のプログラムです。


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8本の動画を並べた作品を鑑賞(イベントプランナー 寺井広樹さん提供)


夫婦の物語、親子の物語…。
登場人物と自分とがどれほど重ね合わせられるかで、
こみ上げ方が変わってきます。
泣ける“ツボ”が違うのでしょう。
私はボロボロまではいきませんでしたが、ポロポロと涙が流れました。
おそらく、ストレスの程度などそのときの精神状態によっても、
こみ上げ方も違うのでしょう。


ポロポロでも帰り道は、何だか気持ちがスッキリ。
専門家によれば、泣くことで、緊張やストレスに関係する交感神経から、
気持ちがリラックスする副交感神経にスイッチが切り替わるそうです。
自分も疲れていたのかな?
と同時に、
「もっと仕事頑張ろう!」「もっと家族を大事にしないとな~」など、
“あるべき自分に立ち返ろう”とする純粋な思いもこみ上げてきました。
「涙」は「さんずい」に「戻る」という字。
「泣」は「さんずい」に「立ち返る」。
何か関係があるかも知れません。


20140120_yamaken002.jpg
鼻水をすする音が至るところから(イベントプランナー 寺井広樹さん提供)


このような、動画を見せたり話をしたりする「涙の授業」を、
先日ある高校で行ったところ、
大部分の生徒が涙を流したそうです。
終了後、「泣き言」を書いてもらったところ、
「もっと家族みんなで食事したい」など
日頃吐き出せない思いが集まったそうです。
子どもたちも、日頃泣きたいことがあるのではないでしょうか。
去年末から始まったこの活動。
生徒が抱える状況を抽出でき、いじめや不登校などの
問題に対応するツールの一つとして、
全国の中学、高校という教育現場に広げていきたいと、
活動している男性が話していました。


諏訪中央病院名誉院長の鎌田實さんも、
「笑いと同じように泣くことも大切。心が丈夫になるし、免疫力も上がる」
と話しています。
「泣きなさい~、笑いなさ~い♪」という歌もありますよね。
時には、泣ける映画を意識的に見てみようかな・・・。


“涙の効用”。
うまく使うと、人生に潤いが出るかも知れません。
 

コメント

ブログを見ることが楽しみです。今回のテーマも共感しました。泣き笑いは人生のビタミン剤と思います。子供の頃は、男の子は泣くなと、怒られて育ちましたが、この年になりますといろいろな場面で涙ぐむ事が多くなりました。泣きたい時はいっぱい涙を流して良いんですね、泣きなさ〜い、笑いなさ〜い!私の愛唱歌です。寒くなりましたお身体ご自愛ください。いつも応援しています!

投稿:西口清満 2014年01月21日(火曜日) 08時50分