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リハビリ・介護を生きる (2)失った声を再現する

  • 2014年9月18日(水曜)再放送2014年9月25日(水曜)

放送内容

  • 嶋守さんと妻の有子さん
  • 「ボイスバンク」で「声のドナー」として朗読するボランティア

病気などで声を失っても、もともとの「自分の声」で意思を伝えたい。そんな患者の思いに応える取り組みが進んでいます。自発呼吸ができなくなったALSの患者や、脳血管障害、がんの手術などで声を失った人たちに、「その人の声」を再現する音声合成システムを提供する試みです。

このシステムを利用する一人、嶋守恵之さんは2008年にALSを発症、3年後に気管を切開し今は人工呼吸器をつけています。手足を動かすことも難しくなりましたが、口にチューブを入れ、それを噛むことによってパソコンに文字を入力し、「自分の声」で意思を伝えています。嶋守さんの声「エアコン下げて」、妻「26度になっているけど、25?24?」。「嶋守さんの声」は、まだ声を出すことができた時、1000あまりの例文を読み上げ録音し、それらを声のデータベースとして構築したシステムによって再現されています。どのような文章を入力しても、それを「嶋守さん本人の声」で自然に話します。システム開発メーカーが開発した技術です。嶋守さんは41歳で病気がわかったとき、絶望の淵に立たされたといいます。しかし今は、「自分の声を残してから、生きる気力も湧いてきました。声は自分らしさの大切な一部です。自分の声があるから、自分らしさが保てていると思います」と語ります。

こうした技術に加えて、声のデータベースをボランティアの人々の声でつくる「ボイスバンク」プロジェクトが進められています。これはたくさんの人が朗読した声を録音し、性別や年齢、方言、口調などで分類。そして、様々な「平均声」つまり声の雛形を作り、これを患者の地声と掛け合わせて「その人らしい声」を再現するものです。これにより声を失った人だけでなく、構音障害をもった人たちも「自分の声」で話すことができます。イギリスでは既に検証段階に入り、日本でもまもなく検証実験が始まります。「ボイスバンク」プロジェクトについてその取り組みと、将来の可能性をさぐります。

関連情報

本人の音声データから作る音声合成ソフトについて

事前に4時間程度本人の声を収録する必要があります。
株式会社ウォンツ 名古屋本社
愛知県名古屋市中区栄三丁目10番22号 東朋ビル6階
電話:052-251-0571

「声のドナー」から患者本人の声を作る音声合成の取り組み。
「ボイスバンク・プロジェクト」について

出演者情報

  • 山岸 順一さん(国立情報学研究所 准教授)
  • 荒木 由美子さん(タレント)

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