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シリーズ 被災地の福祉はいま
第3回 相次ぐ新たな“こころの病”

  • 2013年11月6日(水曜)再放送2013年11月13日(水曜)
  • アンコール放送2014年3月19日(水曜)午後1時05分~

放送内容

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原発事故から2年半が過ぎた福島で、いま、これまでみられなかった新たな“こころの病”に苦しむ人が次々と現れています。11月特集・第3回は、原発被災地で起きている“異変”と、その治療に取り組む精神科医たちの取り組みを追います。

福島県相馬市にある「こころのケアセンターなごみ」。原発事故後に崩壊した相双地域の精神医療体制を再構築しようと、新たな拠点として開設されました。今年4月、院長として赴任した蟻塚亮二医師は、ある事実に気づきました。震災直後は何ともなかったのに、いまになって震災体験のフラッシュバックなどに襲われる、「遅発性PTSD」が、週に3~4ケースも見つかっているのです。さらに“うつ”とは診断されないものの「慢性的な気分の落ち込み」が続き、生活が崩壊したり自殺が危惧されるケースも相次いでいるといいます。精神科医たちが直面する深刻な実情、そして、新たに始まった手探りのケアを取材します。

関連情報

オープニングアニメーションについて

番組の冒頭で流れる映像は、アニメーション作家の加藤久仁生さんが被災地シリーズのために特別に制作したものです。
加藤さんは短編アニメーションの「つみきのいえ」でアカデミー賞を受賞されています。

遅発性PTSDについて

PTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種。通常のPTSDはトラウマとなる体験から6か月以内に発症するとされるが、受傷後6か月以上たってトラウマ症状が出るタイプもあり、「遅発性PTSD」と呼ばれる。症状は、通常のPTSDと同じで、トラウマの記憶がよみがえる「フラッシュバック」が起こり、不眠やうつなどを引き起こす。

沖縄戦のトラウマ調査について

2012年4月から13年2月の間にかけて、沖縄戦トラウマ研究会によって行われた調査。元保健師や精神科医らが糸満市や読谷村、座間味村など8市町村のミニデイケアに通う75歳以上の高齢者に面接形式で実施し、トラウマ関連の症状の程度を評価する改訂出来事インパクト尺度(IES-R)で22項目の質問を採点した。対象者401人の平均年齢は82.3歳で、そのうち359人から有効な回答を得た。そのうち39.3%の高齢者がPTSD発症のリスクが高いとされた。

ラジオ体操について

精神科医の堀さんが中心となって昨年8月から始めた取り組み。春から秋にかけて、土日祝日と雨天を除く毎朝6時半から南相馬市の高見公園で行っている(今年は10月末まで実施された)。運営するのは、堀さんなど地域の医師や看護師が集まって結成されたNPO法人「みんなのとなり組」。このNPOでは、毎朝のラジオ体操だけでなく、ウオーキング教室や勉強会など、コミュニティ再生のための様々な企画が行われている。

出演者情報

  • 蟻塚 亮二さん (精神科医)
  • 今年4月から、福島県相馬市の診療所「メンタルクリニックなごみ」で多くの被災者の診察を続ける。
    福島に赴任する前は、8年にわたって沖縄の病院で心療内科部長を勤め、
    沖縄戦によるPTSD症状を60年以上たってから発症する患者が数多く存在することを発見し、その治療にあたっていた。

  • 堀 有伸さん (精神科医)
  • 原発事故による被災地の支援のために、去年4月東京の病院を退職し、福島県南相馬市に移住。
    南相馬市の雲雀ヶ丘病院で副院長として診療にあたるかたわら、
    震災後に失われた地域のコミュニティを復興させようとラジオ体操やウオーキング教室など取り組みを行っている。