お役立ち情報

相談窓口の情報や、Q&Aなど。

福祉Q&A

介護のテクニック 2  2009年1月23日 Q6~8を追加しました!NEW

質問:1. 同名半盲の特徴と、周囲が心がけるべきことを教えて!

回答:
「同名半盲(どうめいはんもう)」とは

同名半盲は脳卒中によって起こる障害のひとつで、目は見えているのに、マヒのある側と同じ側の視野が狭くなる状態をいいます(イメージ写真参照)。


脳の特定の場所に障害が起こると、見た景色がブロックされて脳に届かず、見えない状態になってしまうのです。  片側の視野が狭くなると、食事の際、見えにくい側に置かれた皿が見えないことがあったり、一人での外出が怖かったりと日常生活でも苦労することがあります。

完全に半分ずつ見えないというわけではなく、見える部分と見えない部分が複雑に入り組んでいるのが特徴です。見えている部分、特に視野の中心部分の視力を活用することが大切になってきます。症状が進行して悪化することはないので、日常生活において、本人がひとつずつ慣れていくことが大切です。

周囲が心がけるべきこと

周囲の人は症状を把握してサポートするとよいでしょう。 明るい色は見やすいので、見えにくい場所には明るい色のものを置いたり、目印を付けるとよいでしょう。明るいものを指し示しながら注意を促したり、部屋の照明を明るくすることも有効です。

見える範囲を周囲が認識することも大切です。「対座法」という検査をしてみましょう。向かい合って座り、正面を向いて相手の鼻を見てもらいます。調べる人は両手を広げて指を動かし、動いた方を指し示してもらいます。こうすることでどちら側が見えにくいかわかります。手の位置や角度を変えて行いましょう。

2008年11月17日放送より

2. 空間失認の特徴と、周囲のケアのポイントは?

回答:
空間失認(くうかんしつにん)」とは

空間失認は同名半盲と同様、脳卒中によって起こる障害の ひとつです。左片マヒの方に多く、見えているはずなのに左側を認識せず、左側のものが存在しないかのようにふるまう状態です。目や視神経の機能には異常がないのに実際には見えていないのです。

例えば、左右に二輪ある花(写真)を描いてもらうと、一輪しか描かなかったりします。また、食事の際、右側にあるみそ汁や、おかずだけ食べて左側に置いてあるご飯はそのままになっていたりすることがあります。

周囲のケアのポイント

周りからは認知症と誤解されることもあります。本人の認識がないので、周囲にも理解されにくく、また、障害がわかったときのショックなど、心のケアも必要なこともあります。まずは障害があることや障害の状態を本人と周囲が認識することが大切です。

食事の際は「左側に○○があるよ」などと声をかけたり、右側の空間に必要なものを置くなど工夫をするとよいでしょう。ベッドで過ごすことが多い方の場合は、実際にベッドに寝てみて、本人がどういう視野で過ごしているのかを確認し、よりよい環境になるよう、ベッドの位置を変えるなどすることも大切です。

2008年11月17日放送より

3. 「失行・失認」の特徴と、周囲が心がけるべきことは?(1)

回答:

「失行」と「失認」はどちらも脳卒中による障害です。右片マヒ、左片マヒ、どちらの人にも見られますが、生活に支障を来す症状が見られるのは多くが左片マヒの人です。
「失行」は特定の行動ができなくなる症状で、次のようなものがあります。

構成失行

前後左右、奥行きなどの立体空間的な把握ができない状態です。例えば指を写真のような形にして、「この指と同じ形にしてみてください」と言っても、できなかったりします。

着衣失行

服の着脱がうまくできなくなります。袖を通す位置や左右どちらの袖にどちらの手を通せばよいかわからなくなります。上着と下着の区別がつかなくなったりもします。

歩行失行

歩く能力があるのに、最初の一歩を踏み出すことができなかったり、歩き方がぎこちなくなったりします。歩けるのに他人に歩くように言われると歩けなかったりすることもあります。また、車の乗り降りが困難になることもあります。

2008年11月17日放送より

4. 「失行・失認」の特徴と、周囲が心がけるべきことは?(2)

回答:

「失認」は、感覚は正常なのに、それを認識できなくなる症状で、見ているが見えない、感じているが感じないというものです。失認には次のような種類があります。

左側無視

「左側無視」には、左側の世界がないかのようにふるまう「左空間失認」や、左半身がないようにふるまう「左身体失認」があります。体のマヒや左手足があることがわからず、壁にぶつかったり、右側の歯ばかり磨いたりすることがあります。

病態失認

マヒがあることがわからず、自分の病気を認めません。

顔貌失認

家族、友人、男性か女性かなど、人の顔が認識できません。話をするとだんだんわかってきますが、ばったり会うとわかりません。

周囲が心がけるべきこと

失行や失認は、認知症ではないということを理解しましょう。自覚症状がないので、本人に説明して行動を正そうとしても、あまり効果がありません。周囲の対応は「気持ちよく手伝う」「怒ってはいけない」「さりげなく介助する」ことがポイントです。

周囲が手を添えてあげることが大切です。例えば左側無視の場合、食事のときに左側にあるものは、手を添えて一緒に食べさせてあげるなどするとよいでしょう。行動をともにすれば介助が必要な部分がわかってきます。一緒に行動し、できたことを一緒に喜ぶことが大切です。

2008年11月18日放送より

5. 「性格変容」の特徴と、周囲が心がけるべきことを教えて!

回答:

「性格変容」は、脳卒中による左片マヒの人の一部に見られる障害で、わがままになったり感情的になったりします。周りの環境を認識できず、どう行動すべきか把握できなくなり混乱し、性格まで変わってしまうようです。本人の自覚がないのも特徴です。

周囲が心がけるべきこと

周囲は問題点ばかり目につきがちですが、マイナス面をプラスに考えてみましょう。例えば、自己中心的→主体性がある、わがまま→正直・素直、感情的→明るい、おせっかい→世話好き、おおまか→楽天的などと捉えてみるとよいでしょう。

本人のプラス面を引き出す場面や環境を周囲が作ることも大切です。
わがままで家族や施設の職員を困らせていた人が、レクリエーションの場では、リーダーシップを発揮して人気者になった例もあります。

周囲はその人がその人らしく生きていくための手助けをすることが大切です。障害によって、その人らしさが薄れていってしまいがちなので、その人の個性を尊重して、生活環境を整えてあげるようにしましょう。障害を理解し、本人と一緒に行動しながら考えていくことが重要です。

2008年11月18日放送より