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福祉Q&A

介護のテクニック

質問:36. 寝たきりの方の口腔ケアのポイントは?

回答:
楽な姿勢でケアを

介助される方が楽な姿勢でケアを行いましょう。ベッドは30度以上起こし、ひざのところに座布団を入れるなどして足を曲げます。枕は高めにし、下を向かせましょう。衣類が濡れないよう、あごの下に手ぬぐいを巻き、その上にエプロンをつけます。


歯だけでなく粘膜や舌の掃除も

歯ブラシは粘膜清掃用のやわらかいものと、歯みがき用の2種類用意するとよいでしょう。口腔ケアは歯ブラシの力加減が重要です。力の入れ方の目安を測る方法として、はかりの上から歯ブラシを押しつけ、150~200gになる程度の力加減が理想的です。

まずは、粘膜用のやわらかい歯ブラシで粘膜の掃除をしましょう。歯ブラシは鉛筆のように持ち、やさしくなでるようにして口腔内全体の粘膜の汚れを取ります。上あごの汚れを取るときは、下を向いてもらって、ブラシを動かすとよいでしょう。


次に歯を磨きます。鉛筆を持つように歯磨き用の歯ブラシを持ち、歯の外側は歯ぐきに直角に、裏側は45度位にあてクシュクシュと磨きましょう。下の歯の裏側は1本ずつ磨きます。奥歯のかみ合わせ部分はゴシゴシと磨きます。歯みがき粉は少量でよく、うがいが上手にできない場合はつけなくてもよいでしょう。

最後に舌を掃除します。舌に汚れがが付くと(舌苔)、口臭の原因になったり、味を感じにくくなったりします。やわらかいブラシで汚れを落とし、うがいをしましょう。  口腔ケアをする前にうがいをして、ある程度汚れを取り除いてから、歯みがきなどをするのもよいでしょう。

2008年7月22日放送より

質問:37. マヒ性構音障害の特徴と、家族が心がけるべきことを教えて!

回答:
「マヒ性構音障害」とその改善法

「マヒ性構音障害」は脳卒中などが原因で起こる言語障害のひとつで、多くは脳卒中を2、3回繰り返した場合に起こります。何でも話せるものの、口の周りがマヒしていることによって発音が不明瞭になり、いわゆる「ロレツが回らない」状態になります。

マヒ性構音障害を改善に向かわせるためには、いくつかのポイントが考えられます。まずは楽しい会話をすることと、友だちをたくさん作ること。楽しくなければ、「声を出そう」という気持ちにはなりません。また、言語聴覚士など、いつでも相談できる専門家を身近にもつことも大切です。

家族が心がけるべきこと

家族は、身辺の清潔さを保つことや栄養のあるものを食べさせること、仲よく暮らすことを心がけ、心身ともに安定した生活を送れるようにしましょう。言語訓練や、仲間づくり関しては、介護保険を利用することをおすすめします。

言語障害者専用の施設はありますが、まだ施設の数は限られています。全国で500か所に言語聴覚士がいる介護保険施設がありますので、デイサービスを利用すれば、同じような障害を持つ仲間を作ることもでき、訓練によって本人の能力を引き出し、よりよい生活を目指すこともできると思います。

施設については、ケアマネージャーに相談してみましょう。近くに言語聴覚士のいる施設がない場合は、非常勤でもいいから言語聴覚士を雇ってもらいたいと要望してみる方法も考えられます。

2008年9月22日放送より

質問:38. マヒ性構音障害の方とのコミュニケーションのポイントは?

回答:
マヒ性構音障害の方との会話の3つのポイント

マヒ性構音障害の方とのコミュニケーションに大切なのは慣れと熱意です。まずは3つの点を心がけましょう。

  1. よく聞き取ること
  2. ゆっくり、はっきり一語ずつ話してもらうこと
  3. 相手の言葉を自分が聞き取った通りに復唱すること

もし、わからない場合でも、「もう一度言ってください」 と言わないように気をつけましょう。「この人にはわかって もらえない」と思われ、コミュニケーションをやめてしまう場合があります。全て通じ合うのは難しいことですが必要最低限のコミュニケーションが取れればよしと考えましょう。

何よりも大切なのは、健康です。「今日も元気?」など、 体の調子を確かめる問いかけは特に丁寧に行うとよいでしょう。健康であり、障害を理解してくれる人たちに囲まれていれば、言葉の能力は次第によくなると考えましょう。「私があなたの言いたいことをわかっていると思いますか」と聞いてみることも大切です。

言葉だけのコミュニケーションが難しい場合は、筆談や50音表の指さしで会話する方法もあります。 50音表のほかに、身近なものや体調などが絵で表わされている「コミュニケーション絵本(写真)」を利用すると便利です。


ほかにも、キーボードを押すと音声が出る「トーキングエイド」という機械もあるので、状況によって利用するとよいでしょう。


2008年9月22日放送より

質問:39. 失語症の特徴を教えて!

回答:

「失語症」は脳卒中が原因で起こる言語障害のひとつで、脳の言語中枢の障害によって起こります。 言語中枢とは会話や読み書きを機能させる部分で、右利きの方の場合は左脳にあり、そこに損傷が及ぶと次のような言葉の障害が生じます。

失語症の目立った特徴としては、言葉が出ないことがあげられます。また、言い間違い(錯語)をすることもあります。重症な方の場合は、本人はちゃんと話をしているつもりでも、何を言っているのかわからなかったり、何を言おうとしても、ひとつの言い回ししかできないなどの症状が出てきます。

失語症の方ができることと苦手なことには特徴があるので周囲は理解しておくことが重要です。

<できること>
  • 人への思いやりを持つ
  • 記憶する
  • 歌を歌う
  • 絵を描く
  • 囲碁や将棋を楽しむ
  • すじ道の通った思考をするなど。
<苦手なこと>
  • 言葉を聞いて理解する
  • 文章を理解する
  • 文字や文章を書く
  • 計算する
  • 復唱する
  • ジェスチュアで表わすなど。

共感を持てる、仲間づくりも大切です。また、言語訓練のために言語聴覚士など専門家がいる介護施設などを利用するとよいでしょう。各都道府県にある「言語聴覚士会」では、どこの施設に言語聴覚士がいるのかという情報が得られます。また、「全国失語症友の会連合会」に問い合わせてみる方法もあります。

2008年9月23日放送より

質問:40. 失語症の方とのコミュニケーションのポイントは?

回答:

言葉が出ないからといって、失語症の方とはコミュニケーションが取れないと思い込まないことが重要です。失語症の方との会話のポイントをいくつか紹介します。

まず、時間をかけることです。言葉が出ないので、じっくりと腰を据えて会話をしましょう。
YESかNOで答えられる質問をするのもよいでしょう。本人に無理に話させないように、「トイレに行きたいの?」「どこか痛いの?」などと問いかけましょう。「話をしたから通じているはず」と思わないことも必要です。大事なことは書いて知らせましょう。漢字の方が理解しやすいので漢字を使うとよいでしょう。

写真や絵など、目に見えるものを手がかりにすることも有効です。言葉だけでコミュニケーションを取ろうとしないように気を付けましょう。会話パートナーを育成している団体が作った「会話手帳」もあるので、利用するとよいでしょう。

言葉がうまく話せないからといって、自尊心を傷つけないように気を付けましょう。また、「錯語」を理解するように心がけましょう。錯語とは、例えば「そばが食べたい」と思っていても、「うどん」と言い間違えをしてしまうことです。ふだんの好みと違うようなことを言った場合は確認を取りましょう。