「災害と障害」 関連情報

もくじ

障害者と災害について

2011年の東日本大震災では、障害者手帳を持つ人の死亡率は、全住民の死亡率の2倍に上りました(NHK調べ)。2016年の熊本地震や2024年の能登半島地震でも、多くの障害者や高齢者に必要な支援が届きづらい状況が課題となりました。

今後も南海トラフ地震や首都直下型地震など、大規模な災害が起きる可能性があり、障害者や高齢者が再び取り残されることのないよう、社会全体で考えていく必要があります。

インクルーシブ防災

障害者を含むあらゆる人の命を守る、誰も取り残さない防災を「インクルーシブ防災」と言います。

2015年3月に仙台市で開かれた国連防災世界会議で用いられた言葉で、新たな防災の考え方として注目されました。インクルーシブ防災実現のためには、防災に障害者自身の視点を取り入れ、障害者自らが主体的役割を果たすことや、地域や社会全体で障害者を包含し、支えてゆく仕組み作りが必要です。

相談窓口・支援団体※NHKサイトを離れます

5段階の大雨警戒レベル

大雨の際に国から発表される、5段階にわけた防災情報についての解説です。

NHK全国ハザードマップ

取材チームが、国・都道府県・市区町村から収集した災害リスクデータを、全国どこでも確認できる地図を、期間限定で掲載。リスクを“知って”、もしもの時を“想像”し、的確に“逃げる”。あなたとあなたの大切な人の命を守る準備をするためのページです。

災害時要支援者に関する法律・制度など
避難行動要支援者名簿

2013年に災害対策基本法が改正され、障害者や高齢者など避難に支援が必要な人(避難行動要支援者)の名簿作成が各自治体に義務づけられました。名簿は、平時や災害時の避難支援などに活用するために、地域の社会福祉協議会や自主防災会などに提供することとされています。

個別計画

災害対策基本法改正後に内閣府が発表した「取組指針」では、避難行動要支援者名簿に基づき、市町村やコーディネーターが中心となり、避難行動に支援が必要な一人一人について、「誰がどのように、どこへ避難させるか」といった具体的な計画を作成することを目標としています。しかし、支援者の確保が難しいなどの理由で、多くの自治体で、思うように策定が進んでいないのが実態です。

福祉避難所

福祉避難所とは、バリアフリー機能を備え、障害者や高齢者の専門的なケアが受けられる特別な避難所です。政府は「福祉避難所のガイドライン」を作成し、福祉避難所を整備するよう各自治体に促しています。しかし、2015年3月に発表された内閣府の調査によると、何らかの事業所と福祉避難所の協定を結んだ自治体は、まだ45%にとどまっています。

障害者団体による防災マニュアルなど

日本身体障害者団体連合会(広島支部)では、以下を作成しています。

◯視覚障害

日本視覚障害者団体連合では、以下を作成しています。

◯聴覚障害

聴覚障害者災害救援中央本部では、以下を作成しています。

Net119緊急通報システム

音声による119番通報が困難な聴覚・言語機能障害者が円滑に消防への通報を行えるようにする、総務省消防庁のシステムです。スマートフォン(GPSをONにしておく)などから通報用Webサイトにアクセスすると、地域の消防本部につながります。テキストチャットも使えます。

災害時に役立つ手話の例(神戸市)

神戸市では「神戸市みんなの手話言語条例」が施行されており、防災に関する手話の動画が配信されています。

緊急・災害用お願いカード(みみサポみやぎ)

緊急時や災害時など、周囲に協力を求めたい場合に、指差しで伝える「緊急・災害用お願いカード」です。一般社団法人宮城県聴覚障害者協会や特定非営利活動法人みやぎ・せんだい中途失聴難聴者協会の協力で作成されました。
空欄に氏名や生年月日などをあらかじめ記入し、障害者手帳にはさんだり、財布に入れておくなどして、もしもに備えるためのカードです。

◯自閉症

日本自閉症協会では、以下を作成しています。

障害者の災害対策チェックキット

イラストのシールを使って日常生活を振り返り、災害時には何が課題となるのかを確認できるキットです。国立リハビリテーションセンター研究所福祉機器開発室室長で、ご自身も車いすユーザーの硯川潤さんが開発しました。以下のホームページからデータをダウンロードして、キットを自作することができます。

防災シミュレーションゲーム「クロスロード」(内閣府)

阪神・淡路大震災で、災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューをもとに作成された、カードゲーム形式の防災教材です。クロスロードの問題カードには、「3000人いる避難所で、2000食を確保した。この食糧を配るか配らないか」など、どちらを選んでも何らかの犠牲を払わなければならないような「ジレンマ」が多数あります。災害を自分の身に引き寄せて考えると同時に、他者のさまざまな考えを知ることができます。

◯被災者のこころのケア
災害グリーフサポートプロジェクト(JDGSプロジェクト)「あいまいな喪失」情報サイト

東日本大震災を始め、様々な災害などで大切な人を亡くしたり、行方不明になってしまった方を支援するためのウェブサイトです。「グリーフケア」「あいまいな喪失」の考え方の説明など、そのヒントとなる情報が掲載されています。

(民間の支援団体等については、番組の取材先を中心に掲載しています)

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