障害と合理的配慮

「障害と合理的配慮」 関連情報

もくじ

• 「合理的配慮」を身近に
• 合理的配慮が必要とされる場面の例

「合理的配慮」を身近に

2014年に日本が批准した障害者権利条約では、障害のある人たちが差別を受けることなく、好きな場所で暮らし、学んだり働いたりできるという、 “当たり前” の権利が保障されています。障害のある人の声を受け止め、社会のバリアをなくそうという「合理的配慮」への理解が求められ、2024年4月からは民間の事業者もその提供が義務となります。

必要な合理的配慮は、人によって異なります。その人がどんなことに困っているのか聞き、それを除去するためにはどんなことができそうか話し合って、お互いの「落としどころ」を見つけることが大切だと考えられています。

合理的配慮が必要とされる場面の例

・就労
障害者雇用促進法によって、企業や公的機関に対して、一定の割合で障害のある人を雇用する義務があることを定められています。就労の機会を十分に得られるよう、「障害者雇用枠」という特別な採用枠を利用して、一般雇用とは異なる採用基準で企業や公的機関に就職する道が用意されています。また、企業や公的機関で働くのが難しい人は、福祉的なサポートを受けながら働く「福祉的就労」を選ぶこともできます。

・選挙
日本の選挙には、障害のある人でも投票しやすくするためのさまざまな配慮があります。ところが、一票を投じるまでにはバリアがあるのも現実です。たとえば、視覚障害のある人は「点字で投票」「代わりに書いてもらって投票」「自分で持ち込んだ鉛筆で投票」をすることができます。ですが、仮に投票したいと思っても、選挙の情報が多すぎて知りたい情報にたどり着けなかったり、投票所まで行くのが困難だったりします。
知的障害のある人には、安心して選挙してもらえるように、ヘルパーの同行や、本人の意思を確認して職員が代筆する代理投票ができるようになっています。また、自治体によっては模擬投票所を設けて事前に投票の練習ができるところもあります。

・補助犬や道具の助けが必要な人
障害や病気がある人のなかには、補助犬（盲導犬、聴導犬、介助犬）と行動をともにしたり、車椅子や義手・義足などを使ったりすることが、日常生活を送るうえで必要不可欠になっています。このような人たちが生活するうえで、困ったことが起こらないよう、合理的配慮を求められます。

たとえば、身体障害者補助犬法では、公共施設や公共交通機関はもちろん、ホテルやレストランといった不特定多数の人が利用する施設は補助犬の受け入れを拒んではならないと定められています。しかし、頭数が少ないため、街でみかける機会もあまりなく、補助犬の役割がわからなかったり、法律で補助犬の受け入れを拒否してはいけないと定められているということや、そのような法律があるということ自体を知らなかったりする人も多いのが現状です。