「認知症」 基礎情報と相談窓口

もくじ

認知症とは

認知症とは、さまざまな原因で脳細胞が傷つき、記憶力や判断力が低下するなどして、日常生活に支障が出ている状態を指します。具体的には、「もの忘れをする」「時間や季節感、自分がどこにいるかなどが分からなくなる」「日常行っていた家事や作業ができなくなる」などの症状が現れます。

また、人によっては不安や孤独感、環境的要因などから、二次的に「うつ状態」「徘徊」「暴言・暴力」「もの盗られ妄想」といったような症状も起こることがあります。

認知症は、高齢の人だけではなく、若い人にも発症します。65歳未満の若年性認知症の人は、全国におよそ3万5千人いるとされています。

認知症を引き起こす病気

認知症を引き起こす病気は数多くあります。

主なものとしては、
・アルツハイマー型認知症
・脳血管性認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症
などがあります。

このうちアルツハイマー型認知症が最も多く、全体の約7割近くを占めています。認知症の種類によって症状が異なるため、適切に対処するにはそれぞれの特徴をよく知っておくことが大切です。

認知症になっても、自分らしく

日本では高齢化が進むにつれ認知症の人が増えており、65歳以上の認知症の人の数は約600万人とされています(2020年現在)。さらに、団塊の世代が75歳を超える2025年には、認知症の人が700万人に達するという推計 が出ています。これは65歳以上の高齢者の5人に1人にあたり、予備群も含めるとさらに増える見込みです。誰もが認知症になる可能性がある時代を迎えています。

この先、認知症になっても当たり前のように働き、住み慣れた地域で自分らしく生きられる社会を目指すために、一人一人が認知症を自分たちのこととして考え、積極的に関わろうとする姿勢が大切です。

相談窓口・支援団体※NHKサイトを離れます

若年性認知症に関する相談窓口
全国若年性認知症支援センター

若年性認知症の人やその家族等からの電話・メール相談に応じるとともに、関係機関への連絡調整を行っています。また、若年性認知症の普及・啓発のため、企業や業界団体に対しての研修や相談支援にも対応しています。

▼若年性認知症コールセンター
≪電話≫
0800-100-2707(月~土曜日10:00~15:00 ただし水曜日10:00~19:00 [年末年始・祝日除く])
※通話料無料で相談を受け付けています

▼全国の窓口一覧
都道府県(一部指定都市)ごとに設置された、 若年性認知症の人やその家族からの相談を受けサポートする窓口の一覧です。

医療機関を受診する

認知症の専門医がいるのは「精神科」、「神経内科」、「老年科」などです。ただし、病院によっては専門医がいない場合もあるため、受診を希望する場合は事前に問い合わせてみてください。
最近では、認知症の診察を専門的に行う「もの忘れ外来」「認知症外来」なども増えており、こういった専門外来を受診することも勧められます。
診察では、「問診」「全身の診察」「認知機能検査」「画像検査」「血液検査」「脳脊髄液検査」などの結果から認知症の原因となる病気の有無や種類が診断され、その後の方針が立てられます。診察の際には、本人の普段の生活を知る家族などからの情報も大変有用です。
「どこに行けばいいか分からない」「いきなり病院に行くのは抵抗がある」といった場合、市区町村の役所に設置されている「高齢福祉課」などの担当部署(名称は自治体によって異なります)、お住まいの地区を担当している「地域包括支援センター」などで相談することも可能です。また、かかりつけ医に相談して、専門医を紹介してもらうという方法もあります。

認知症専門医

日本認知症学会が認定している、認知症について専門的な知識を持つ医師のことです。お近くの認知症専門医は以下のサイトで検索することができます。

認知症疾患医療センター

認知症患者とその家族が住み慣れた地域で安心して生活できるための支援の一つとして、都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置されています。認知症の診断、地域における医療機関等の紹介、医療相談などを行っています。
受診にはかかりつけ医からの紹介、予約が必要な場合があります。

介護についての相談窓口
市区町村の相談窓口

各市区町村の役所に「高齢福祉課」などの担当部署があります(名称は自治体によって異なります)。介護全般の相談、介護保険の制度に関する相談、お住まいの地区を担当する地域包括支援センターの案内などを行っています。

地域包括支援センター

各市町村に設置されている高齢者福祉と介護に関する地域の総合相談窓口です。全国で5400か所以上、支所を含めると7400か所以上設置されており、お住まいの地区ごとに担当の地域包括支援センターが決まっています。
高齢者が住み慣れた自宅や地域で生活できるように、専門の資格を持つスタッフが、必要な介護サービスや保健福祉サービス、日常生活支援などの相談に応じてくれます。
全国の地域包括支援センターの一覧は、以下のホームページに掲載されています。

WAM NET

独立行政法人福祉医療機構が運営する、福祉・保健・医療の総合情報サイト。「介護」のページで、各都道府県の介護サービス提供機関や地域の相談窓口の案内などがご覧になれます。

厚生労働省「介護サービス情報公表システム」

全国の「介護サービス事業所」の情報が検索・閲覧できます。「介護サービス事業所」とは、介護保険法に基づき、自宅における生活支援、日帰りで通う機能訓練・デイサービス及び施設における入所(入居)支援などのサービスを提供する事業所又は施設のことです。

介護保険制度などのサポートについて
介護保険制度

介護が必要になった場合、日常生活をサポートしてくれる保険制度です。介護が必要になった高齢者やその家族を社会全体で支えていこうと2000年にスタートしました。
サービスを受ける場合、まず「要介護認定」を受ける必要があります。かかりつけ医や市区町村の介護保険担当窓口、地域包括支援センターなどへご相談ください。
なお、利用できるのは65歳以上で要介護認定を受けた人、および40歳~64歳で要介護状態の原因が特定疾病による人となっています。若年性認知症は特定疾病のため、対象となります。

ケアマネジャー

要介護認定を受けると、サービスを利用する人の介護が必要な状態に応じて「要支援1、2もしくは要介護1~5」と区分され、その区分ごとに利用できる限度が異なります。その範囲内でどんな介護保険サービスを利用するか考えてくれるのがケアマネジャーです。「居宅介護支援事業所」と呼ばれるところに常駐していますので、市区町村でもらえる地域の事業所一覧や、近所の口コミを参考にしながら自分の思いに合った人を探しましょう。

家族の会・介護者の会など
公益社団法人 認知症の人と家族の会

1980年結成。全国47都道府県に支部があり、1万1千人の会員が励ましあいながら、助け合って「認知症があっても安心して暮らせる社会」を目指しています。
研修を受けた介護経験者による電話相談を行っているほか、全国各地の支部で家族の集いが開かれています。

レビー小体型認知症サポートネットワーク

レビー小体型認知症の方々、家族、医療関係者の交流や情報交換を行うことを目的にできた組織です。レビー小体型認知症について、症状やチェック法などの情報が掲載されています。

特定非営利活動法人若年認知症サポートセンター

若年性認知症に関する知識、相談先、お近くの家族会の連絡先などの情報を提供しています。

若年性認知症家族会 彩星の会

65歳未満で発症する認知症本人と家族の会です。定例会での交流、専門職による相談や家族による電話相談も行っています。詳しくはホームページをご覧ください。

NPO法人 認知症の人とみんなのサポートセンター

認知症の本人、家族、その支援者たちをサポートしています。若年性認知症や初期の認知症の支援に力をいれており、当事者交流会なども行っています。

当事者のための交流の場
認知症の本人交流ページ「だいじょうぶネット」

認知症の本人の声を聴いて支援やケアに活かしたり、本人や家族のネットワークを広げたりしています。各地域で本人交流会を支援するための研修を実施しています。

NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン

認知症やがんの体験談を動画や音声で伝えるサイトです。

(民間の支援団体等については、番組の取材先を中心に掲載しています)

「認知症」に関する
コンテンツ