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放送内容

インタビュー NPO理事長・松永信也さん(58)
―視覚障害者が集う場を―

2015年7月19日(日)[ラジオ第2] 午後7時30分~8時00分
(再)2015年7月26日(日)[ラジオ第2] 午前7時30分~8時00分

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放送内容


写真 : 松永信也さん

写真 : 町家カフェさわさわの前で、
    集まったみなさん

京の町家を改装した小さなカフェ。中に入ると「見えない、見えにくいスタッフは、黄色のバッジをつけています」というメッセージが貼ってある。視覚に障害がある人たちが、それぞれの見え方に応じて働く「町家カフェさわさわ」。1階がカフェ、2階の10畳ほどのスペースでは、点字教室や音声パソコン教室、ヨガ教室、よし笛や三線のライブなどが開かれ、多くの人が出入りする交流の場となっている。
運営しているのは京都市に活動の拠点を置くNPOブライト・ミッション。理事長の松永信也(まつなが・のぶや)さん(58)は、「視覚障害者の居場所をつくりたかった。外に出るきっかけになれば」と語る。自身も中途視覚障害者。網膜色素変性症で失明してしばらくは家にこもる日々が続いた。「思いを分かち合う人がほしかった。気楽に話せる場があればと痛切に思った」経験が出発点になっている。職業訓練の場も兼ねており、障害者就労継続支援B型事業所としてごま製品の作業と販売も行う。松永さんは「第一の目的は、家から一歩踏み出すこと。無理をせず、自分のペースで社会と関わるきっかけにしてほしい。」と語る。店名の「さわさわ」は、スワヒリ語で「大丈夫、大丈夫」という意味。松永さんは、「ここに来れば大丈夫。失敗しても大丈夫。いろんな思いをこめた。」と語る。
小さなカフェに集まり、そこでゆるやかにつながる人々の声を交えながら、今後めざすことなどを松永さんに聞く。

つぼみ みつけた

盲学校の子どもたちの朗読コーナー「つぼみみつけた」。仲間の大切さを書いた詩をご紹介します。
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収録を終えて

制作担当:遠田 恵子

 そこに行けば、笑顔が待っている。そこに行けば、大好きな人たちに会える。そこに行けば、多くを語らずとも、そっとうなずいてくれる人がいる。京都の町家カフェさわさわは、そんなところだ。
 間もなく祇園祭、という時期に訪ねた。ひざしはもう真夏の勢いで、これでもかと降り注ぐ。厚ぼったい空気に喘ぎながらたどりついた先には、清々しい空色ののれんがはためいていた。 初めてなのに、懐かしい。集う人たちは皆、笑顔だ。
 開店から3年。視覚に障害のある人たちが中心になって働いているが、運営危機にさらされたことも。でも、つながる人の縁で乗り切ってきた。思いのある人の周りには、やっぱり思いのある人が集まる。人が人を呼ぶのだ…つくづくそう思った。
 このカフェには、コーヒーだけではなく、ごまアイスもヨガも三線もよし笛も、それからパソコン教室やスマホ勉強会まである。就労をめざす障害のある人たちの職業訓練の場にもなっているからだ。それぞれの見え方に応じて、できることを惜しみなく提供する。ここでやりたいことを発見したり、仕事の幅を広げたり、思いがけない出会いがあったりするのも、こうしたいくつものチャレンジを重ねているからだろう。何と、生涯の伴侶をみつけた人もいるそうだ。
 今回話を聞いたNPOの理事長・松永信也さん(58)は、39歳で失明。退職を余儀なくされ、行き場を失い、周囲の誰にも絶望を語れなかった。あの時、思いを分かち合える人がそばにいれば・・・という思いが、「さわさわ」の原点。松永さんがふと漏らした、「人はあきらめる力をもっている」という言葉が今も耳に残る。「あきらめる力」とは、即ち自身の境遇を受け入れ一歩を踏み出す力ということ。これ以上強い力があるだろうか。
 見える人も見えない人も見えにくい人も、もし行く道に迷ったら、一度京都の「町家カフェさわさわ」を訪ねてみるといい。集う仲間がきっと笑顔で迎えてくれるはずだ。そしてその中心には、松永さんがいる。

出演者
出演:
松永 信也(のぶや)さん(58歳)NPOブライト・ミッション理事長
司会:
遠田 恵子
関連情報
NPO法人ブライト・ミッション

〒604-0934 京都市中京区麩屋町通二条下る尾張町212番地 
電話:075-744-1417
ホームページ:http://www.brightmission.org(NHKサイトを離れます)

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