放送内容

シリーズ・可能性を切りひらく
見えない世界を撮る ―写真家・尾崎大輔さん―

2014年9月21日(日) [再放送]9月28日(日)

山口さんが撮影した
アスファルトに伸びる二つの影法師
山口さんが撮影した
水面に合わせ鏡のように写るビル群
山口和彦さんと尾崎大輔さん
(スタジオで)

デジタルカメラの普及で写真撮影を楽しむ視覚障害者が増えている。ピントをあわせたり、構図を決めたりは簡単ではないが、コツをつかめば、自分の感性次第で世界を切り取ることができる。撮影した写真は、特殊な機械を使って凹凸をつければ、触って確認することも可能だ。
尾崎大輔さん(写真家 31・晴眼)は、日本視覚障害者芸術文化協会と連携しながら、晴眼者と視覚障害者がペアを組む写真教室を2011年から開いてきた。その教室に毎回のように出席しているのは、文化協会会長で自らも視覚障害のある山口和彦さん(68)。ペアとなった案内役の説明を聞きながら、五感を研ぎ澄ませ、シャッターを押す。写した写真を触って確認すると発見が多いという。「遠近感が自分のイメージしていたものと違っていて、こんなふうに撮れるんだというギャップがたまらなくおもしろい」。また、「見えない世界で生活をしている視覚障害者にとって、目では見えない暑さや寒さ、愛情、不安など抽象的なものを写真で表現するのは、むしろ得意な分野なのかも知れない」と言う。
今夏、“音を撮る”をテーマに開催された写真教室に同行。撮影を楽しむ人たちの声を交えながら、尾崎さんと山口さんに、写真を撮るコツや、その楽しみ方と魅力を、それぞれの立場から語ってもらう。

【収録を終えて】
制作担当:遠田 恵子

笑いの絶えない収録だった。尾崎さんと山口さんのやり取りが、何というか「掛け合い漫才風」で、とにかく楽しいのだ。31歳と68歳の、親子ほど年の離れた二人が、心から信頼し合っている様子がよくわかる。何たって、出会いからして衝撃的なのだ。うん?どんな出会いかって?それは番組をお聴きくださいますように(笑)。
さて、今回のテーマは「見えない世界を撮る」。二人が協力して取り組む視覚障害者向けの写真教室の様子を交えながら、お伝えする。視覚に障害のある人がどうやって写真を撮るのか、そして撮ったものをどうやって確認するのか。同行したガイドさんが周りの状況を言葉で説明し、写し手はイメージを膨らませながらここぞというところでシャッターを切る。音とか匂いとか触った感じとか、視覚以外の感覚を研ぎ澄ませて切り取った写真は、プロの写真家をもうならせる出来である。撮った写真は、特殊な機械を使って凹凸をつけ、触って分かるように立体加工される。山口さんいわく、自分の頭の中のイメージが、実際の写真でどこまで表現できているのかを確認するこの瞬間が、一番ワクワクするそうだ。
尾崎さんは言う。「写真は“記憶”です」と。一葉の写真にこめられた思い。撮影時の空気感。そして、ひとときをともに過ごした人の笑い声。カタチとしては見えないけれど、確かにそこに記憶されているさまざまなもの。その“記憶”を分かち合う喜びが、写真にはあるのだ。

【情報募集】
自らの道をひらくためチャレンジしている方、夢の実現に向けて努力している方など、
あなたのまわりの奮闘する視覚障害者をぜひご紹介ください。
番組公式メールアドレス:kiite★nhk.jp(★を@に変えて下さい))
*番組へのご意見ご感想もお気軽にこのアドレスへお寄せ下さい。


出演者

出演:尾崎 大輔さん(写真家)
   山口 和彦さん(日本視覚障害者芸術文化協会会長)
司会:遠田 恵子


関連情報

【視覚障害者向け写真教室などに関する問い合わせ先】
尾崎大輔さん
メール:info★daisukeozaki.com(★を@マークに変えてください。)
電話:080-6507-7746

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