放送内容

シリーズ・可能性を切りひらく
―眼帯だっておしゃれに― フリーデザイナー笠原かなえさん

2014年4月20日(日) [再放送]4月27日(日)
[アンコール放送]2014年12月31日(水)16:30~17:00

笠原かなえさん 笠原さんが制作した眼帯

だ円形の黒い布地に、星型のスパンコール。繊細な刺しゅうやポップなチェック柄。これらは、目のけがや病気で眼帯が必要な人たちのために作られたオリジナルの眼帯だ。フリーデザイナーの笠原かなえさん(41)が制作している。
笠原さんは2005年、旅行先のオーストラリアで交通事故にあい、一命は取りとどめたものの極度の斜視になった。モノがダブって見え、視野も狭いため、左目を覆わないと生活が難しかったが、医療用眼帯は耳にかける紐が鬱陶しく、デザイン性も低い。
「私はデザイナー。どこにもない眼帯を作ってみよう」と思い立ち、制作を始めたのがきっかけだった。デザインだけでなく実用性にもこだわり、試行錯誤すること2年。中でまばたきもできるように、二枚貝状の膨らみをもたせ、顔にかけるゴム紐は一本だけ。さまざまに工夫された、ユニークな眼帯が完成した。
2009年には、主治医の紹介で、眼帯を必要としている人たちの求めに応じ、一つ一つ手作業で制作をするように。デザイナーとしてものを作るということと、作った眼帯を手にした人たちから届く「ありがとう」の声が、絶望から抜け出す大きな力になったという。
「私の作る眼帯が患者さんを励まし、心のケアになるならこんなうれしいことはない」と語る笠原さん。失意の底から立ち上がるまでの心の軌跡、オリジナルの眼帯にこめた思いなどを聞く。

【収録を終えて】
制作担当:遠田 恵子

黒の洋服に黒の眼帯をつけ、さっそうと現れた笠原かなえさんは、パワーの塊のような人。身長150センチほどと小柄ながら、大きな声でしゃきしゃき話す。そして、コロコロとよく笑う。海外で交通事故に巻き込まれて生死の境をさ迷い、視覚に障害を負ったという壮絶さは、その笑顔からは全く感じられない。
笠原さんの作るオリジナルの眼帯も、まさに彼女そのもの。明るくて、ポップで、可愛らしくて、そして何よりも使い手に優しい。当事者だからこその気遣いが、その素材やかたちにあふれている。手のひらに収まるこの小さな眼帯が、同じような障害に苦しむ多くの人を励まし、一歩を踏み出す背中を押した。
そんな彼女の人生を拓く言葉は「今を大切に」。「この瞬間が“未来のもと”になる。だからこそ、今をいとおしんで生きていきたい」というその言葉に、時間の浪費癖がある私は、思わず背筋が伸びる思いだった。そう、この日この時を大切に生きよう!

【情報募集】
自らの道をひらくためチャレンジしている方、夢の実現に向けて努力している方など、
あなたのまわりの奮闘する視覚障害者をぜひご紹介ください。
番組公式メールアドレス:kiite★nhk.jp(★を@に変えて下さい))
*番組へのご意見ご感想もお気軽にこのアドレスへお寄せ下さい。


出演者

出演:笠原 かなえさん(フリーデザイナー)
司会:遠田 恵子


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