生命操作 -復刻版-

クローン

クローンとは、全く同じ遺伝子をもつ個体をいう。自然に生まれるクローンとして一卵性双生児がある。

  • これまでは家畜を対象に、分裂初期の受精卵から、一卵性のクローンがつくりだされてきた。受精卵クローン

1997年2月、クローン羊ドリー誕生のニュースは世界中に衝撃を与えた。それはドリーが、受精によらず、成長した羊の体細胞からつくられたからだ。 ヒトの身体は約60兆の細胞が集まってできているが、始まりは1つの細胞、受精卵である。これが分裂して何十兆もの細胞になるのである。分裂をはじめて間もない細胞の一つ一つには、体中のどの部分の細胞にでもなれる能力(全能性)がある。しかし分裂する過程で、あるものは筋肉細胞へ、あるものは心臓の細胞へと分化していき、決められた細胞以外はつくることができなくなる。つまり全能性は失われると考えられてきた。 クローン羊ドリーは、その分化した乳腺細胞から生まれた。このことは分化した細胞でも再び、振り出しから個体をつくりだす能力を発揮することを示した。これまでの常識を覆す発見だった

受精卵クローン誕生の過程
(1) 雄の精子と雌の卵子を受精させる。
(2) 受精卵が分裂していく途中でばらばらにする。
(3) 別の雌の卵巣から、複数の未受精卵を取り出し、核を除去する。
(4) 電気刺激により、(2)の細胞を、核を除去した未受精卵と融合し、活性化させる。
(5) 分裂を始めた細胞を別の雌の子宮に移す。
クローン羊ドリー誕生の過程
(1) 雌の羊から乳腺細胞を取り出し、培養する。
乳腺細胞には最低限の栄養のみを与え(飢餓状態)、増殖を停止させる。
細胞の活動はほとんど停止する。
(2) 別の雌羊から未受精卵を取り出し、核を除去する。
(3) 電気刺激により、(1)の乳腺細胞を、核を除去した未受精卵と融合し、活性化させる。
(4) 分裂を始めた細胞を別の羊の子宮に移す。
(5) 乳腺細胞を提供した雌羊と同じ遺伝子をもつ羊(クローン)が生まれる。
該当するケーススタディ