生命操作 -復刻版-

脳死

脳死とは、脳が永久に機能を喪失した状態をさす。事故などで脳に致命的な外傷をうけた場合や、脳血管障害、一時的な心臓停止後、などが原因となる。

  • 全死亡者の1%くらいといわれている。人工呼吸器によって生命維持がおこなわれており、心臓など、ほかの臓器は動いている。外からみただけでは判断できず、脳死判定の基準が設けられている。脳波が平坦なことを基準にいれるか、時間をおいて2回判定をするか、その時間をどのくらいにするか、小児を対象にするか、など、国によって基準は異なる。

脳死を「死」とするかについては、様々に議論が行われてきた。特に、心臓移植のためには、脳死からの心臓提供が必要となるからだ。さらに、妊婦が脳死状態になったときに、妊娠を継続させるか、胎児をどう扱うか、について議論がある。

アメリカの生命倫理学者、ウィラード・ゲイリン氏は脳死体を「新しい死体(Neomort)」とよび、脳死体の利用範囲が大きいことを指摘した。彼は、1974 年に発表した「死者からの収穫 Harvesting The Dead」という論文のなかで、心臓や肝臓などの臓器提供だけでなく、医学生の実習や、実験、血液等の貯蔵、ホルモンの製造などをあげ、問題提起した。

当時は現実にはなっていなかったが、その後、脳死状態を数カ月以上もひきのばす研究が脳死体を利用しておこなわれ、脳死体を利用した人工心臓の実験、106日間脳死状態だった妊婦の出産、などゲイリン氏の指摘は実現可能なものとなっている。

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