生命操作 -復刻版-

代理母

人工授精、体外受精の生殖医療が進むと、夫婦以外の第三者の精子、卵子、子宮を使い、その組み合わせによって、さまざまなケースで子どもをもつことが可能となった。

子どもを望む女性が子宮筋腫や癌で子宮を摘出してしまった場合や、子宮に何らかの異常がある場合、その女性にかわって、子どもを産むために子宮を貸す女性を代理母という。代理母は、依頼人との契約によって妊娠・出産し、出産後ただちに生まれた子どもを依頼人に引き渡すことになっている。その際、子どもに対する一切の権利を放棄し、子どもと引き替えに一定の金銭を受け取ることもある。代理母には、人工授精型代理母と体外受精型代理母がある。

人工授精型代理母
人工授精型代理母の場合は、依頼人の男性の精子を代理母の子宮に直接注入する。この場合、生まれてくる子どもは依頼人の男性、代理母と遺伝的な関係をもつ。(図-A 参照)
体外受精型代理母

体外受精型代理母の場合は、男性の精子と女性の卵子を体外受精させて、代理母の子宮に入れる。ただし依頼人、もしくは提供者からの精子、卵子の組み合わせにより、さまざまなケースが起こりうる。

  • 依頼人の精子と依頼人の卵子による代理母出産。依頼人の精子、卵子には問題がないが、子宮に問題がある場合におこなわれる。この場合、生まれてくる子どもは依頼した男性、女性と遺伝的な関係をもつ。(図-B 参照)
  • 依頼人の精子と提供者の卵子による代理母出産。依頼人の子宮と卵子に問題があるが、精子には問題がない場合、提供された卵子と受精させる。この場合、生まれてくる子どもは依頼した男性、卵子を提供した女性と遺伝的な関係をもつ。(図-C 参照)
  • 依頼人の卵子と提供者の精子による代理母出産。依頼人の男性の精子と女性の子宮に問題があるが、卵子には問題がない場合、提供された精子と受精させる。この場合、生まれてくる子どもは依頼した女性、精子を提供した男性と遺伝的な関係をもつ。(図-D 参照)
  • 提供者の精子と提供者の卵子による代理母出産。依頼人の精子、卵子、子宮の全てに問題がある場合におこなわれる。この場合、生まれてくる子どもは精子を提供した男性、卵子を提供した女性と遺伝的な関係をもち、依頼人とは遺伝的に全く関係をもたない。(図-E 参照)

このほかに、子宮がない女性が妊娠する方法として子宮移植がある。
2014年9月、スウェーデンで子宮移植による世界で初めての出産が報告されている。

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