生命操作 -復刻版-

受精卵の作成と利用

1978年7月、世界初の体外受精児ルイーズ・ブラウンがイギリスで誕生した。

  • 体外受精は、女性から卵子を採取し(採取方法は「精子・卵子の提供」の項を参照)、男性から採取した精子とともに、受精用培養液の入った容器の中に入れて受精させる。受精した卵は子宮内に戻して着床させる。

1984年、オーストラリアで凍結受精卵を使った体外受精児が生まれた。 体外受精では、妊娠率を高めるために排卵誘発剤を使って一度に多数の卵子を成熟させて採取し、体外で受精させる。受精した複数の卵のうち、子宮に戻さずに余った受精卵は、マイナス196 度で凍結保存しておき、次の機会に使うことが可能になった。 受精卵の長期保存は、受精と妊娠・出産の間に大きな時間差を生じ、社会的混乱を引き起こしている。

1992年、ベルギ-で、顕微鏡下で卵細胞の中に直接精子を注入する方法が開発され、子どもが生まれた。一般的な体外受精では、容器の中の卵子に精子を振りかけ受精するのを待つ。ベルギ-で開発されたこの顕微授精は、専門の技術者が顕微鏡を見ながら、シャーレの中を泳いでいる精子を一個だけ細いガラス管でつかまえ、卵子の細胞の中へ直接注入する。一般的な体外受精では受精できない、極めて状態の悪い精子でも受精が可能になる。 自然の妊娠では、数億の精子のなかで障害を乗り越えたものが卵子に到達して受精するので淘汰の原則がはたらく。しかし、顕微授精では、もともと受精できなかった精子を人為的に授精させるので、そのことが生まれてくる子どもにどのような影響を及ぼすかという問題が指摘されている。

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