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虹色 - LGBT特設サイト

連載

障害って言葉に甘えてないか

2009年05月20日

GIDとしての権利もある。でも、一方的に自らの立場への不満や、待遇改善だけを語ってはいないだろうか……。あえて今回はイベント参加者の間で交わされた、当事者に向けての辛口のコメントをお送りします。

つばさ 社会人になったら、やっぱり自分のわがままを通せない部分もあるし、従わなきゃいけない部分もあるじゃん。
だから例えばさ、制服着用の会社に入ったとして、「自分はFTMだから、女子ロッカールームには入りたくありません、着替えられません」って、自分の都合だけを上司に言うだけじゃ絶対間違ってるの。
まい そうだね。
じゅん(FtM) それはただのジコチューだからね。
けい そうそう。GIDとして主張する権利もあるかもしれないけれど、社会で生きていく上ではやっぱりバランスをとって生きないといけないから。ただ一方的に主張するだけでは世の中通らないこともある。
つばさ 自分はこの制服は着てもいいと思って入りました。でも女子ロッカーに入れません。なぜかというと、「自分がこうこうこういう事情がありまして、だから例えば、他のスペースで着替えさせてもらうことはできませんか」と、折衷案をこちらから出すべきだと思う、大人としてね。
けい そうだね。
じゅん そう。会社側からしたら、「あ、自分、女子更衣室では着替えられません」とだけ言われたらそれで終わりじゃん。
つばさ 「じゃあ明日から来なくていい」みたいな。
けい そう。何か方策を出してもらうのを待っているだけじゃダメだと思う。分かんないじゃん、相手からすれば当事者の人が何を望んでるかも。どこまで望んでるのかもわかんないし。
まい 自分から案を出さないで不満だけを言っている人って結構多いと思う。
じゅん 多いね。
まい 「会社がやってくれない」とか「まだ差別や偏見がある」とか、違うと思う。
つばさ 大人として、社会に対してどこまで提案できるかが大事だと思うの。「非当事者だから言えるんだよ」って言われるかもしれないけど。
じゅん そんなことないよ。当事者でも納得。
まい 私もちょっと「障害」っていう言葉に甘えている面があるような気がする。
つばさ うん、だって絶対さ、仕事でつらい部分ってあるでしょう。どんな人でも。それでもやっぱり仕事しなきゃいけない、お金もらっているからと思って我慢するわけでしょう。当事者だからって、なんでそこで甘えるの?って思ってしまう。
けい 自分の意見だけ通して甘えようとするのは違うよね。
ゆえ(MtF) そうだよね。でもやっぱり、こう、苦しんで悩んでいる友達の姿を見ていると……社会側に不満を言いたくなるときもあるよ、やっぱり。
じゅん まぁね……。主張すべき事柄もあれば、いきなり主張するのは間違っているって事柄もある。その判断が必要になってくるよなぁ。


(語り手)
じゅん:27歳、社会人、FTM
なかじ:21歳、社会人、FTM
ゆう:23歳、フリーター、FTM
ゆえ:28歳、社会人、MTF
まさ:21歳、学生、MTF
みや:28歳、社会人、FTX
けい:26歳、社会人、女性
つばさ:24歳、社会人、女性
まい: 22歳、社会人、女性
そーちょー:21歳、学生、男性


【解説】

辛口コメントがGIDmediaらしくて良いですね(笑)
GID当事者だらけの集まりだとなかなかこういう一般的な意見って出てこないですからね。厳しいかもしれないけど、これが現実だと思います。受け身ではダメってことですよね。
「GID であることをカミングアウトしたのに、どうしてあんな発言するんだろう」と感じる場面ってあると思うんですよ。特にカミングアウトし始めたばかりの頃って。僕も昔は「カミングアウトしたんだから、もうちょっと気を遣ってくれてもいいじゃん」なんて思っていました。痛い思考回路ですね……。
もしカミングアウトした相手もGID当事者だったとしたら一度のカミングアウトで多くのことが伝わるでしょうけど、ほとんどの場合は非当事者へのカミングアウトになると思うので、GID当事者の気持ちなんて分かるわけがないんですよね。超健康優良児の僕が大病を患っている人や身体的・精神的な障害がある人の気持ちを理解することができないのと同じように。気持ちを近づける努力はできますが完全に理解することなど不可能です。
ですから、たった一度のカミングアウトで自分を理解してもらえるなんてまず有り得ないことですし、大事なのはその相手と二度、三度と重なる話し合いなのではないでしょうか。それを前提にして、少しでも自分のことを知ってもらうためにはどうしたらいいのかを考えます。でも自分のことを知ってもらう前に、まずは相手のことを知る努力が必要ですよね。自分優先ではダメだと思います。

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