男風呂デビューするのが夢だった
2008年04月23日
カミングアウト、トイレの悩みから、恋愛、制服にいたるまで、性同一性障害の当事者がぶつかるさまざまなテーマを本音トークで紹介してきた「修学旅行リベンジ」もいよいよ最終回! 今回は、「お風呂」がテーマです。
最後までどうぞお楽しみください!

ご愛読ありがとうございました! 今後もイベントなどを企画していきますので良かったら参加してみてください!
A: Bは男子風呂に入るのは何回目?
FtM B: 6回目かな?
A: もう全然慣れた感じ?
FtM B: うん、慣れっこ。もう俊敏だよね、湯船に入る瞬間に、スッとタオルを頭の上に持っていくの(笑)
C: あれは神業だったなぁ。
FtM B: 女子風呂時代は、自分のこと隠すので精一杯だったなぁ。友達が、Bさんって胸大きいんだねって言ってきたりして(笑)
FtM D: それキツイなー。
A: 今は? 女子風呂に入りたいかって言われたら?
E: のぞきたい?(笑)
FtM B: 特にないかなぁ。まだ男として生きているよりも女として生きてきた方が長いからさ。今は、男の風呂に入れるのがとにかく嬉しい。男友達同士で風呂で会話したりするのが憧れだった。だから昨日の夜、そういうことができてすごく嬉しかった。
A: それこそ裸の付き合いだよね。
FtM B: そうそう。でも、知り合いの人なんだけど、その人はもう体のオペをすべてして男の戸籍も持っているんだけど、やっぱり体の傷があるから、温泉とか友達と行っても入りたがらなくて付き合いの悪い奴っていう印象を周囲から持たれていて。そういうのはかわいそうだなぁと思う。
FtM D: そういうのあるんだな。
FtM B: あると思うよ。俺だって、完璧に男になれるわけじゃないって思っているし。やっぱりニセモノだから絶対変なんだよ、誰が見ても。「あれ、どうしたのかなぁ、あの傷」って、えぐれてる部分があって。でもまぁ何か病気で手術したのかなって思われればそれでいいと思ってる。
けれども、友達がびっくりして、実は聞きたいけど聞けない、みたいになってしまうのは嫌だから、最初から、「僕は胸をとってきたからこういう傷なんだよ」って言うようにしてる。あっそうかって思ってくれればいいかなと。
FtM F: なるほど。
FtM B: 俺はどっちかっていうと胸の傷よりもメタボな腹を見られる方が深刻(笑)
A: でも、自分がカミングアウトしてない場合だったらどうする?
FtM B: 多分そういう機会になったら言うよね。
A: そこでカミングアウトする?
FtM B: 絶対バレるから。あぁ、言う機会かなぁって思う。
C: 裸のお付き合いはやっぱり楽しいよ。
A: でもけっこう勇気いるよね?
FtM B: あまりに隠したら余計に不自然だから。着替えとかも思いきりよく。後ろから見られたら、ブラブラしているものがないからあれだけど、まぁそんなに気にせんでおこうと。着替える時は、普通に端っこの方が空いてないかなぁと探して、そこでスッスッと(笑)
A: 着替えている時はそんなに見られたりしない?
FtM B: 全然。普通に男もあそこをタオルで抑えるし。だから、おチンチンないけど拭いてるふりして(笑)
C: うん、大丈夫、大丈夫。
A: 初めて男風呂デビューする人が、ここだけ注意しておけば大丈夫みたいなことがあれば。
C: 堂々としていることだと思うんですよ。
FtM B: そう。全然気にしない。逆に何かきょどってたら、何でそんなに隠すの? みたいに相手も気になってしまう。
C: 堂々さが逆に周りにも普通に感じられていい。
A: なるほど。今度またみんなでどこか行きたいよね。
FtM F: 次回は夏に。
FtM B: 水着で。
A: いいね。
D: 海行きたい行きたい。
FtM C: 日焼けしたい。
E: ビキニ着たい。
A: 見たくなーい(笑) じゃあ次回は海に行こう!
【解説】
・GIDの人のお風呂にまつわる悩み
FtMの場合、「昔は女風呂に入っていたんだ」というと羨ましがられることもありますが、実際にはそれを楽しむ余裕はまったくなく、とにかく人に自分の体を見られないようにするので精一杯でした。いかに素早く服を脱ぐか、いかに素早く洗えるか、いかに素早く服を着れるか、という点に加え、個人の旅行ではいかに人のいない時間に行けるか、ということもあるでしょう。実際の修学旅行の場合、このお風呂の時間が嫌で、修学旅行自体への参加を躊躇してしまう当事者も少なくありません。しかし個人的には、お風呂の問題だけで修学旅行を楽しめないなんてもったいないので、どうにか自分なりに工夫してお風呂問題を乗り越え、それ以外の時間を思いっきり楽しんでもらいたいと思います! 楽しめている当事者だってたくさんいるのですから。
今回はFtMの参加者が大半だったのでFtMの話題に偏っていますが、MtFの場合も身体的嫌悪感を抱いているでしょうから、同じようなテーマが話題に上がって来るのではないかなと思います。でも学生時代の話をMtFの方に聞いてみると、制服への抵抗はそこまで感じなかったという方が多いようですね(これはやはり、スカートが女性の象徴であるという認識によって生じるFtMならではの強い抵抗感なのでしょう)。トイレや更衣室、お風呂などに関してはやはりFtMと同じように、というよりFtM以上に苦労している場合が多いようです。性別移行する際に、MtFが女性用のトイレや更衣室を利用するというのは、FtMが男性用を利用する場合に比べてハードルはどうしても高くなって来ます。
そんなわけで。暴露大会の中身暴露もここら辺で終わりにしたいと思います。最後までお付き合いありがとうございました。
社会で生きていく上で性別というものを無視することは出来ないので、GIDを抱えていることによって生じる問題や苦痛などは確かに存在します。だからといって、GIDを理由に人生を悲観的に送る必要など全くないですし、逆に「私は選ばれた存在なんだ」と胸を張って生きていいのだと思います。普通に生まれて来た人たちの2倍、いやそれ以上に人生を楽しんでしまおう! そんな想いでGIDmediaはこれからも活動していきます。メイン事業は講演活動ですが、今後も楽しいイベントなどを企画していく予定ですので機会がありましたら参加してみてください。詳細はWebサイトにて。→
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(GIDmedia 園田 純)









