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虹色 - LGBT特設サイト

連載

フェスティバルを一緒につくりあげよう –東京プライドパレード・ボラン

2010年09月10日

第7回東京プライドパレード、当日の様子です!(写真=山口美紀)

8月14日、東京・原宿~渋谷を練り歩いた日本でも最大級のLGBTパレードイベント「東京プライドパレード」。その模様について先日映像レポートでお伝えしましたが(リンクはコチラ)、今回はイベントを「作る側」であるボランティアの人に、なぜパレードに参加したのか?の思いや当日の様子を見て感じたことを書いてもらいました。 多くのLGBTフェスティバルはボランティアの尽力によって支えられています。「みんなで共に作り上げる」ことで深まる仲間の絆がそこにはあります。

-第7回東京プライドパレード実行委員/近藤 帝さんによるレポート-

「どうしてボランティアをやろうと思ったの?」
3年前に僕が聞かれたセリフを、今日は同じようにボランティアスタッフに質問している。

僕の場合はどうだったかなぁ、と振り返ってみる。

2007年までラジオ局で仕事をしていました。
メディアの仕事は忙しく大変である反面、刺激的で面白かったです。休みの日は仕事仲間と飲みに行ったり、逆にセクシュアルマイノリティーの友達と遊びに行くこともあり、この2重生活がずっと続くんだろうなぁと思いながらも、でも実は30歳を過ぎた自分を想像できないでもいました。
仕事を辞めたあと、時間に余裕ができたので“何か”を探すためにボランティアスタッフに参加したのが、そもそもの始まりだった気がします。
最初の感想はとても楽しかった、これに尽きます。セクシュアルマイノリティーしか参加していないと思っていたら、ヘテロセクシュアルも沢山参加していて、分け隔てなく盛り上がりました。2009年はサポートスタッフとして参加し運営することを垣間見、「楽しい」から「大変」へと変わりました。
そして2010年、実行委員として運営の核に携わることになりました。余裕もなくなり、当日は代々木公園内を駆けずり回っていました。
だけど、うん、だけど、とても不思議な気分でした。
最初に参加したときは、帽子を被り実はコソコソと業務を遂行していたんですけれど、今年はそんなことに気を配る余裕もなく、良くも悪くも「どうにでもなれ!」といった感じです(笑)。
なんていうか、自分のセクシュアリティーが表に出るか出ないか、ということよりも、今、目の前で頑張ってくれているスタッフを労いたい! 大切にしたい! それだけなんです。
一生懸命やっているとどうでもいい思いが削ぎ落とされ、やれることが限られているから、本当にしたいことしか感情に出なくなるんですよね。
そして、パレードを歩きながら思ったのは、言葉はなんですが、「逃げられないな」と腹を括った感じです。
逃げたかったんですよね、ずっと。仕事をしながら明け透けなヘテロをずっと羨ましいと思っていましたし、自分も“そこ”にいると錯覚していました。その割には2丁目に飲みに行ったり、セクマイのメンバーと遊んだりしてるんですから、都合良く上手くやってたと思います。
それがですね、3年経って思ったのは、そうじゃないなと。上手く器用に生きることに気を配って、なんか本質を丸ごと無視していました。ある人に言われたんですけれど、「今いる場所がいい匂いがすると思い込んじゃだめだ、実はすごく臭い場所にいるんだぞ。もっといい匂いのする場所へと欲張ってもいいんだ」と。
ちょっと話が変わるんですけれど、僕恋愛が好きなんですね(笑)好きとかいってアレなんですけれど、かといって色んな人と付き合ったりカラダを交わせているわけではないんですけれど……。やっぱりそこは臆病になる自分がいて、相手のことを思うと動き出せないし、だけど頑張らなきゃいかんなぁと思うわけで。ごちゃごちゃ考えたあと、「グッ」と頑張ってみる。その後は色々あれど、最後はしっかり「好きだ」っていうシンプルな気持ちだけになる。
東京プライドパレードに参加するのも同じで、動機は様々だけど、最後は「好き」っていう気持ち、まさにこれだけになるんですよね。
東京プライドがこれからどうなるか解らないし、自分のことも解らない、だけど、うん、それで良いと思います。人生って結構そんなもんです(笑)。だからまずはやってみて、その気持ちを大切にしてほしいと願っています。

                      (次ページに続きます)

ここからは当日のパレードの様子を書いてみます。

8月14日土曜日。天気は晴れ。
やや多い雲のお陰で陽射しは直に当たらない。ひとたび、風で雲が流れれば夏を一層強く感じるだろう。2007年の3年前もここ代々木公園ステージ前広場で東京プライドパレード開催されていたことを、同じ暑さで思い出した。
東京プライドパレードとは、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスセクシュアル)らのセクシュアルマイノリティーが社会の中でしっかり生きていることを誇示する為の大切なイベントです。
イベントの一つの柱として、10台ものフロート車とその後ろを参加者が行進する“パレード”があります。
1周は、代々木公園からスタートし、渋谷パルコ前を通り抜け、明治通りを渡り、ラフォーレ原宿交差点を曲がり、原宿駅横を抜け、代々木公園へと戻ってきます。
かかる時間はおよそ40分。歩くだけでなく手やレインボーフラッグを振ったり手拍子をしたり音楽に乗って踊ったり、メッセージボードを掲げたりしながら思い思いにアピールしています。

2000年の代表砂川秀樹の新体制から続き、大きな盛り上がりを見せた2007年の後、2008年も開催されると思われたパレードは企画途中で中止となりました。2009年は新たな試みとして、東京プライドフェスティバルで“歩かない”イベントが開催され、NHK「ハートをつなごう」の公開収録等、好評を博しました。
そして、沢山の人々の願いを背負い、第7回東京プライドパレード~The 7th Pride Parade~が、3年振りに今年復活しました。

朝6時に実行委員が、朝7時にはボランティアスタッフが集まり、テント設営から動き始めます。
「そっちのパイプ支えてて」「じゃあ一緒に幕を張ろう」等、初対面に近いメンバーの仲間意識が高まる共同作業です。
ここで冒頭の質問をしてみました。「どうしてボランティアをやろうと思ったの?」
「何かをやりたいとずっと思ってて少しでも社会貢献につながればと参加しました」
「自分が一体何者なのかわからなくなり、参加すれば何か見つかるかと思いました」
「やっぱり、日本のパレードは有名なので、この機会に参加したかった」
動機はそれぞれ。中でも一番多かったのは、「折角やるんだからスタッフで楽しみたかった」でした。

さて、慌ただしく進む中、気がつけば総合案内の開始である10時になろうとしています。続々と集まる参加者達。どんどん資料は捌け、質問も多く寄せられます。もっとも多い質問はやはり「パレードに参加したいんですけれどどうすればいいですか?」。
ふと、隣のパレード受付を見ると、10時30分の受付前というのに既に長蛇の列が出来ていました。
1号車「東京プライド号」、2号車「Brass MIX!」、3号車「BULK!フロート号」、4号車「学生フロート」、5号車「Living Togeter」、6号車「SOFT ON DEMAND×NEW SEXUALフロート」、7号車「TOKYO Gay Night」、8号車「東京の夏!フロート」、9号車「She Loves Her」、そしてラスト10号車「Prologue(撮影禁止)」が今年のフロート達です。
受付が始まるとどんどん登録され、早い所では最大250の参加枠が0になっていました。
「久しぶりのパレードだからね。待ち望んでいたよ」、登録が済んだ参加者の声を耳にしました。
11時、ステージ上では、代表砂川秀樹の挨拶でイベントのファンファーレが鳴り、様々な催しが繰り広げられてゆきます。
「Living Togeterゼミナール」ではHIV/AIDSの今をわかりやすく説明したり、北原みのりさんとDJ神田亜紀さんによるFM-FUJI「グラマラスラブ」の公開録音や、例年の醍醐味である吹奏楽参加者「“みんな”でブラス」による大演奏、そして今回の目玉の一つでもあるミュージカル『RENT』のキャスト14人による「Seasons of Love」の大合唱まで、大いに盛り上がりました。出展ブースもセクシュアルマイノリティー系から外資系企業、NPO法人まで幅広い企業や団体が出展しており、広場も賑わいを見せています。

15時、フロート毎に参加者が並びだします。そわそわしている参加者達も音楽がかかり出すと一気にノリノリに。
そして、とうとう1号車「東京プライド号」がスタートしました。
代表砂川らが「TOKYO Pride Parade」という横断幕を掲げるのを筆頭に参加者達が続々と手を振り、フラッグを振り歩いてゆきます。
沿道の人々は、「なんだ? なんだ?」という興味から「なるほど!」と理解に変わり、そして笑顔で手を振り返してくれます。
見物者であるヘテロセクシュアルカップルの会話が印象深かったです。「色んな車があるんだね、ビアンのもあるのかな」。彼氏と思われる男性の言葉。今までは「ホモ」「レズ」というのが代名詞だったのが、現在は「ゲイ」「ビアン」という“セクシュアルマイノリティーでは当たり前”の言葉が日常化されていることに驚きました。
参加者にも話を聞きました。「路上を歩く人と歩道を歩く人とに大きな違いがあるとは思えない」、「お祭りと一緒。一緒に楽しめればいい」、「警察の誘導もとても好意的」等、一方的に伝えるのではなく、楽しむことを共有したいという根底は同じのようです。
そしていよいよゴールです。Brass MIX! による「おかえりなさい演奏」です。夏にぴったりの音楽が奏でられています。

さて、ステージもラスト。今回トリを務めるのは、歌手の中西圭三さん。
自身の代表曲「Woman」や「眠れぬ想い」から楽曲提供をした「Timing」「Choo Choo TRAIN 」まで幅広い楽曲で観客を魅了していきます。
最後に観客との一体感からアカペラで歌ってくれたのは、「星に願いを」でした。

そして、本当に本当にラストです。沖縄演舞エイサー後、フィナーレを迎えます。ほぼ全てのボランティアスタッフがステージに登ります。
代表砂川秀樹による閉幕の挨拶。彼の体制になってから10年が経ちました。10年一昔と言いますが、10年前、あなたはどこで、何をして、どんなことを感じていましたか?  終演後、ボランティアスタッフに今日の感想を聞いてみました。
「裏側から支える楽しさを知りました」「手伝っている方が参加している感があって好きです」「ボランティア大変だけど、みんな笑顔だったし、勇気をもらいました」 みんなのカラッとした笑った顔が忘れられません。

この10年でセクシュアルマイノリティーの存在は何が変わったんでしょう。
生きやすくなった面もあれば、まだまだ窮屈で苦しい時間もあります。これから先どんな風に変わってゆくのか想像もできません。だけど、どんな人生を歩こうとも、このひとときぐらい笑って過ごしていきましょう。毎年、夏が訪れるようにこれからもパレードは開催されてゆくはずです。
ぜひ一緒に歩き夏を感じましょう。東京プライドパレードは、あなたを待っています。

東京プライド(別ウインドウ※クリックするとNHKサイトを離れます)

筆者プロフィール

近藤 帝さん

近藤 帝
2007年までFM横浜等でラジオ番組の制作に携わる。現場を離れた後、(特活)アフリカ日本協議会らでNGO活動を開始。また、東京プライドパレード/フェスティバルには、2007年ボランティアスタッフ、2009年サポートスタッフ、2010年は実行委員として活動。これらの経験を活かしLGBT関連のネットラジオ【DOLPHIN CALL】を立ち上げ、セクシュアルマイノリティー、アライ等参加者のボイスメッセージを配信している。

DOLPHIN CALL (別ウインドウ※クリックするとNHKサイトを離れます)

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