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性のリアルを女子高生が取材! 自分たちに必要な性教育を考える

記事公開日:2018年12月12日

みんなの力で、今の10代に向けた新たな性教育の教材を作ろうという企画「もうひとつの“性”教育プロジェクト」。第4回では、性についてまだまだ知らないことがあると気づいた高校生たちが、性のリアルについて現場や当事者を取材することに。そして、いよいよ試作のミニドラマを撮影!

性のリアルを現場取材!思春期外来クリニック

これまで、教材作りに向けて話し合いを重ねてきた吉祥女子高校の生徒たち。他校に比べて先進的な性教育を受けている彼女たちですが、まだまだ知らないことがあると気づき、行動を起こすことに。文筆家の牧村朝子さんと一緒に、思春期の性に関する相談や診察を行う思春期クリニックを訪ねました。

画像(埼玉医科大学 助教/産婦人科医 高橋幸子さん)

迎えてくれたのは、埼玉医科大学助教で産婦人科医の高橋幸子さん。中学や高校で年に60回も性教育の講演をしている、思春期の性のスペシャリストです。

画像(質問コーナーの前で話す高橋さんと高校生たち)

クリニックの壁には、実際に受診した人からの質問に対してクリニックからの回答がびっしりと貼られていました。生理のずらし方、外出しは避妊になるのかなど、誰もが興味を持つことなのに他人には聞きにくい質問です。丁寧な回答の内容に、みんな興味津々。

子宮の模型もありました。子宮はニワトリの卵くらいの大きさだと知り、高校生たちも牧村さんもびっくり。

内診台も見せていただきました。また、思春期クリニックのため、膣の中の診察に使用するクスコという道具は、一般的なサイズよりも小さいということです。

高橋さんによると、日本は、保健の授業以外で、性について学ぶ機会が少なすぎるそう。スウェーデンでは、全国にユースクリニックという施設があり、中学生でも無料で性の相談をしたり、学んだりすることができますが、そういうシステムがない日本では、自分から調べないと性について知ることができません。産婦人科でどんな診察をするのか、どんなお医者さんが出てくるのか、という情報も少なく、不安になってしまうといいます。

※牧村朝子さんが、フランスで「家族計画センター」を取材したルポはこちらから

みんな性に悩んでる!思春期電話相談の中身は?

クリニックには、性に関する思春期電話相談も別に設置されています。全国から、年に1,500件を超す相談があります。そのなかでも特に多い相談はこちら。

画像(思春期電話相談ランキング)

女子に比べると、男子の相談は性的欲求や性器についてなど、自分本位なことに悩んでいる印象を受けます。しかし、産婦人科医の高橋さんによると、男子は性をポジティブに教わるチャンスがないため、テクノブレイク(マスターベーションをしすぎると死んでしまうこと)を本当に信じているなど、彼らなりに悩み、電話相談をしてくるといいます。

性に悩む人が相談するきっかけとなる動画に。少し方向が見えてきました。

LGBTsのリアルを聞きたい!10代座談会

次に訪ねたのは、都内にあるNPO法人。教材に盛り込みたかったセクシュアルマイノリティーについて当事者のリアルな声を直接聞くことにしたのです。

画像(LGBTs当事者の3人)

集まってくれたのは、同世代の10代、アミさん、ユウさん、ダイスケさんの3人。2つのグループに分かれ、取材スタート。

ダイスケさんは、心は女の子で、体は男の子のトランスジェンダー。コソコソ言われることもあるけれど、友達になりたいと言ってくれたりする人も増え、学校生活も楽しめたそうです。

一方のアミさんとユウさん。アミさんは、自分自身も、好きになる相手も、性別にとらわれないパンセクシュアル。ユウさんは、他の人に性的な関心を持たないアセクシュアルで、自身の性は男女どちらでもない、とのこと。2人とも、周囲の目が気になったこと、友達からハブられないように話を合わせたことなどの経験を話してくれました。

高校生たちが気になるのは、学校生活について。アミさんは、周囲が察してくれていること、ユウさんはレズビアンの先輩に誘われたNPOのイベントに参加したことで、友達が増え、心のつかえもなくなったことを教えてくれました。

直接話して、初めて分かることばかり。

動画 ミニドラマ

ついに完成した試作動画がこちらです。

※この記事はハートネットTV 2018年9月17日放送「ブレイクスルー2020→ もうひとつの“性”教育プロジェクト Action4」を基に作成しました。情報は放送時点でのものです。

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