本文へメインメニューへ
ここから本文です

ハート ネット ピープル

生活保護受給家庭は大学進学のお金を貯めて良い!?

「貧困問題」勉強会を企画したALSAメンバー。中央が著者です。 
[写真] 「貧困問題」勉強会を企画したALSAメンバー。中央が著者です。

 

1.前回に引き続き、勉強会の感想と報告。2日目。

講師としてお招きした、もと新聞奨学生、村澤潤平さんの話を聞く。
現在村澤さんは、「新聞奨学生110番」という、新聞奨学生に対する支援団体の活動をされている。

「私には放送作家になりたいという夢があった。
両親は地方で小さなスーパーを経営していた。
バブル崩壊に直面して先がない、実家は継ぎたくないと思った。
親が病気を抱えていて、なんとか就職しなければとの意識があった。
進学しても就職できる保障がないため、社会に出てから借金を返しながら、というのでは怖い。だから卒業したら借金がチャラになる新聞奨学生を選んだ」

「給与は月々に出る、学費は1年間ちゃんと働いたら支給。寮に住む。
配達・折込・ポスティングなどの付帯作業…
パンフレットには5?6時間と書いてあるが、実際は各販売店に裁量が委ねられており(12時間くらい働かせる所も)、借金に負い目があるし、学校にも行きたいから逆らえない。
販売店の仕事を優先、合間を縫って学校に行く感じ。

朝2時3時に起床→朝配達→朝食→仮眠?→学校→2時3時に夕刊配達→夕飯→寝る
という生活。業務の休日があっても学校がある日にかぶるから休みなし」

そうまでして、学びたいという学生が一万人程度いる。(現在新聞販売店で働く学生の数。社団法人 日本新聞協会調べ)

貧困はなぜ生まれるのか。貧困の構造をどう捉えるか。

私たちは、今回、それを考えるための身近な切り口として、
「大学進学保障への是非」を切り口に
貧困とは何か、公平・平等とは何か、どういう社会保障があるべきか
をテーマとして設定していた。

生活保護受給下での大学進学ができない→就業機会が限られる

そんな指摘は、「なぜ貧困問題が生まれるのか」に対する
みんなの意見のなかにも出ていた。

 

2.最終日のディベート

3日目。
「『日本において、生活保護受給家庭に大学進学費用のための貯蓄を認めるべきであるか否か』
について肯定、否定の立場にわかれて論じなさい。」
について、ディベートを行う。

肯定派。
「教育機会の不平等の是正として保障が必要」
「進学するチャンスは与えられるべき」
「高収入かつ安定した職業につける可能性が高まり貧困の連鎖を断ち切ることができる」

否定派。
「大学進学は『最低限度』じゃない」
「大学進学と所得との相関関係は有意でない」
「社会保障費の財政圧迫と非受給者の状況を考えるともっと優先すべき事項がある」

という双方からの態度表明のあと、いよいよディベート。

Q.日本において、生活保護受給家庭に大学進学費用のための貯蓄を認めるべきか?

「大学進学を認めることが貧困脱出につながるかに関して疑問。意欲がある人には行かせてあげたいと思うが…。」
「貯蓄という手段は、自分で行動するという点で評価できる。」
「高卒までの機会が保障されているから、その後は自分の努力でやっていくべきだと思う。」
「大学進学を考えられる人はまだ余裕があるのでは。」
「もっと優先すべき事項がある。受給できてない人に、まず受給すべき」

Q.日本において、どういう社会保障制度があるべきか?

「努力した分が報われる制度にすべき」
「零れ落ちた人びとについてはNPOなど民間の支援、そこに対する国の支援」
「就労支援が連鎖を止める」
「進学の意志がある人は保障すべきだ」
「教育への機会平等は義務教育までの話だ」
「安定した生活のためには安定した収入・職が必要だが皆がつけるわけではない。不平等はなくならない」
「制度的には最低限の生活の保障しかできないのでは。高校までいけるなら充分」 

 

3.3日間の議論を通しての、みんなの感想

「分からなくなった。貧困とは何かにまで戻って考えているがまとまらない」
「貧困についてはじめてこんなにいろいろ考えた。はじめて知った事実がいろいろあって、驚いた」
「最初政府は(貧困を放置していて)ありえないと思ったけど、自分も無視していたことに気づいて恥ずかしくなった」
「どこまでが個人に起因し、どこからが外部に起因するかの境目はグラデーション」

 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://cgi2.nhk.or.jp/cgiblog/tb.cgi/6759