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ハート ネット ピープル

オクラホマ州立大学のアメフト部にいる聴覚障害者の話

from パックン
最近僕は涙腺がゆるくなったのを痛感している。映画はもちろんのこと、ちょっと感動的なストーリーをテレビで見たり、友達から聞いたりするとすぐ熱い涙がわいてくる。ひどいときは15秒のテレビCMだけで目が潤んでしまうこともある。感動するのはいいけど、涙は37歳の大男に似合わない! 泣きすぎだ! と、毎日、反省してる。泣きながら。

この間感動したのは、アメリカのスポーツ番組でみた、とってもいい話。オクラホマ州立大学のアメフト部にいる聴覚障害者の話だ。Martel Van Zant(マーテル・バン・ザント)というんだけど、所属しているだけではなく、スタメンだ! あっ、感動しちゃう。この2行を書くだけでちょっと視界がぼや?としてきた。

でも、これだけ読んで「そんなに?」と思っている方もいるだろう。それは、アメリカの大学アメフト事情がわかっていないからだと思われる。実はアメフトは、世界でもっとも激しいスポーツ。オリンピック・スプリンターなみの俊足と、重機なみの力、ダースベーダーなみの怖いもの知らずの精神との3点を持ち合わせた選手たちが全速力でぶつかり合い、ピッチが戦場と化す。試合中はけが人続出。見ているだけで怖いのだ。まるでマックンの私生活みたい。

大学のアメフトも想像を超えるぐらいの高レベル。スタジアムには何万人ものファンが駆けつける。試合は全国テレビで放送される。選手は学生なのに、プロ並みの肉体を持って、プロ並みに練習をする。大学のアメフト部は何十億もの予算を握っている。マックンの私生活からは、かなり遠い感じ。

そんな危険かつハイ・プレッシャーな世界にマーテル君が身を投げ込んだ。そして、大活躍している。キー選手にもなっているし、ディフェンスなのに、敵からボールを奪い、逆にゴールをとったりする。もちろんこれは一人の力だけではできないこと。ほかの選手やコーチもチームワークの真髄を極めて手話を学んでいる。専用の手話通訳さんも大学に雇われ、彼の授業にもアメフトの練習や試合にも付き沿う。アメフトの場合は試合中にもたくさんの作戦会議やセットプレーがあるから、通訳さんはもう、大変大変! 猛スピードで手話しているとき、よく見ると指から煙がたったりする。

でも、一番すごいのはお客さん。「十二人目の選手」と呼ばれる観客の拍手や歓声は、選手たちに喜びや勇気を与える、アメフトに欠かせないもの。なのに、マーテル君には聞こえない。がしかし! マーテル君がファインプレーをした時、真っ赤なスクールカラーに染まったスタンドをみると、何万人ものサポーター達が彼一人のために手をあげ、ふらふらと振っている。「拍手」の手話だ。

この映像を見て思った。これがまさにバリアフリーの世界だ。コーチ、チームメート、通訳さん、大学、サポーター、そしてマーテル君ご本人、みんなが協力し合い、助け合い、そして喜び合っているのだ。すばらしい!

と、思った僕、ソファに座ってテレビを見ながら感極まって泣き出したのだ。

と、書きながらまた泣いているのだ。

あ?、今日も反省か。

 

オクラホマ州立大学アメフト部 マーテル君のページへ(別ウインドウ)※クリックするとNHKのサイトを離れます。

 

コメント

パックンへ
明けましておめでとうございます
私は昨年の12月パックンの亡くなったおじいちゃんと同じ病気と闘っていますとメソメソしたコメントを書いた芽生です。
実は私もマーテル君の番組を見て同じように泣いていました。そしてアメフトが大好き。
アメフトがどんなに危険と隣り合わせのスポーツなのかよく知っています。あれだけガードしていてもタックルされた瞬間マウスピースがはずれてしまうことも珍しくない。
倒されて下半身不随になった選手、亡くなった選手を知っています。

そんな中で生き生きとプレイしている彼は障害があるなんて微塵も感じさせない。
大学のマーテル君のページを読みましたが感嘆するばかりでした。
彼のアメフトに対する姿勢は他のチームメイトと同じ、フェアに戦って勝利すること。
おそらく彼はアメフトが上手いだけではなく人間的に周囲の人たちとコミュニケーションする才能にも長けているのでは?
私なんかより、遥かに周囲の空気を読めてる。
やはり、こういうニュースやドキュメンタリーを見るとアメリカって懐が深いと感じます。
本当にバリアフリー。
日本では絶対にありえない。と思う?

それから、感動の涙なら我慢しないで流したほうが素敵です。
38歳のおじさんでもたくさん泣いてください。
反省なんかしなくていいですよ。
反省するよりマーテル君のお話を一人でも多くの人たちに知ってもらいましょう。
from mei

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