
卓球に学ぶバリアフリー

僕は183センチの長身と群を抜く体力を活かして、あるスポーツをやっている。そう卓球。笑わないでください。卓球に熱中だから。
日本に来て初めて卓球の魅力がわかった。音が愉快。思い切り打っても誰も怪我しない。ボールが一杯入っている籠を倒すとすごく滑稽な光景が見える。こういった点もいいが、何よりも好きなのは、老若男女、誰もが楽しめるという卓球のすばらしい特徴。この僕は20?30センチもの身長の差と何十年もの年齢の差があるおじいちゃん・おばあちゃんに普段から対等に対戦している。いや、言いすぎた。たいてい僕が負けているんだ。
そして卓球のもう一つのすばらしいところはリハビリの効果。僕はタマスという卓球用具メーカーの道場で、三遊亭小遊三師匠なども入っている落語卓球クラブに参加しているが、そのメンバーの中にもリハビリを含めてやっている方もいる。音楽家のGOさんはその一人。7年前に耳がんになり、手術や放射能治療を受けたあと卓球をやり始めた。そして今は本当に強い選手。GOさんは体だけじゃなくて、気分のリハビリにもなったと話していた。一方、この間GOさんに圧勝されちゃった僕はひどく気分を害しちゃった(苦笑)。
GOさんのお母さんも3年前に脳梗塞になり、左足や腰が不自由のまま道場に通いだした。その時を僕も知っている。うまく立てなくて、左手で台を掴みながらやっていた。
あのときの果敢な姿も忘れられないが、今のお母さんの強さも半端じゃない。演歌歌手の福島ひとみさんは脳腫になり、「生きるより死ぬ確率の高い」と言われた重病から、卓球をやりながら元気を取り戻した。病気になる前からの付き合いだけど、その戦いっぷりに深く感動している。
落語卓球クラブのリーダー林家こん平師匠も脳梗塞になっても、道場に来ている。元世界チャンピオン伊藤繁雄さんとラリーの練習をして、連続打球を1からスタートし、どんどん記録を更新している。最近は50ぐらいの連打だってやっちゃうんだ。本当にすごい。伊藤チャンピオンがうまくなっただけかもしれないが、こん平師匠の復活っぷりも凄まじい。
「できないこと」にばかり集中して、自分の中のバリアを建ててしまう人は少なくないと思うが、僕はこの卓球のメンバーから学んだのは「できること」そして「できるようになれること」に集中することの大切さ。
たとえば、今はできないが、いつか僕もGOさんに勝つことができるようになりたい!
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