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ハート ネット ピープル

馬が気づかせてくれる心の内面

[写真] 馬を使ったセラピーの様子 (撮影=大塚敦子)

 先日、アメリカのフロリダ州で、とても興味深い出会いがあった。「馬を使った心理療法」を実践している人に会い、そのセッションを見せてもらったのである。馬とサイコセラピー。この二つはいったいどうつながるのだろうか。乗馬が身体機能を高める理学療法の一環(障害者乗馬)としておこなわれていることは日本でもよく知られているが、心理療法となるとまったく初耳の人も多いのではないかと思う。私自身も3年ほど前までは知らなかった。ところが、アメリカでは、ここ10年ほどの間に急速に評価と認知度が高まっている分野なのである。

 私が訪ねたのは、馬を心理療法に用いるようになって4年になるというセラピストのテリー博士。クライアントは19歳の女性だった。
 テリー博士は彼女に馬にかかわる課題を与える。その一つは、馬の顔にくつわをかける、というものだ。この馬は、虐待されていたところを助け出された過去があるため、とても神経質でこわがりだという。ところが、そんな馬にどうやってくつわをかけるのか、テリー博士はいっさいやり方を説明しない。「馬を傷つけないこと。それ以外のルールはありません。あなた自身のやり方でやってみて」と言う。近寄ろうとするたびに馬が逃げて大変だったが、やがて女性はちゃんとくつわをかけることができた。

 テリー博士いわく、「それぞれの課題をどのようにやりとげるかは、人によって違います。私の役割は、その人のやり方を見守り、そこから見えてくるメタファーを拾い上げ、本人自身が自分の行動のパターンに気づくよう手助けすることなんです」。つまり、馬にかかわる課題を人生における課題と見立て、それとどう向き合うかを学ぶことがセラピーの目的なのだ。たとえば、馬に引かれっぱなしだったある女性は、それが自分と夫の関係なのだと気づいた。やがて自分が馬を引いて歩けるようになったとき、ようやく自分の意見を夫に言えるようになったという。

 それにしても、なぜ馬が心理療法に役立つのだろうか。それは、馬は人の感情に非常に敏感に反応するため、まるで心の内面を映す鏡のような役割をするからだ。犬は多少嫌なことをされても我慢してしまう動物だが、馬はそうではない。人間がイライラしていたら馬もイライラするし、怖い気持ちを抱いて近づくと、馬も逃げていくという。
 私もいつか、馬のセラピーを受けてみたいと思う。馬をとおして、自分でも知らなかった一面に気づくかもしれない。人に指摘されるとグサリと来るようなことでも、馬が気づかせてくれるなら、きっと素直に受け入れられそうな気がするのだ。 

コメント

 私の息子は知的障害児通園施設に通っていますが、そこでは乗馬をはじめ、様々なアニマルセラピーをやっています。はじめは効果に懐疑的だった私も、今では素晴しい療育効果があることを確信しています。ただ維持費のことや、職員の方々の負担のことを考えると並大抵のことではなく、頭がさがります。感謝です!!

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