
心身を癒す緑の力
![[写真]都筑ハーベストの畑で、サヤインゲンを収穫するメンバー。(撮影=大塚敦子)](/heart-blog/image/otsuka_ph26_1.jpg)
横浜市都筑区にある精神障害者の地域作業所「都筑ハーベスト」。2003年に開所して以来、首都圏とは思えないほど緑豊かな環境にある1200坪の畑で、野菜、花、ハーブなどを育てている。その素材をもとにお菓子や漬け物、味噌づくりなどもおこなってきた。
畑は少し傾斜地になっているので、高いところに立ってまわりの緑を眺める気分は最高だ。ゆったりとした時間が流れるなか、通所メンバーとスタッフのほかボランティアの人びとも加わり、農作業をする。現在約47名の通所メンバーが登録している。
開所以来通っているという男性は、「農業をする作業所」という点に魅かれて参加したそうだ。6年目のいまも畑仕事はとても楽しいという。1年未満の新人は、「薬を飲んでいると注意力が落ち、疲れやすくなるんです。でも、見た目には病気に見えないから、なかなかほかの人にわかってもらえない。前に働いていた会社では、『動きが遅い』と注意されて・・・」と話し、「でも、ここでは自分のペースでゆっくりやれるのがいいです」と表情を緩めた。
多くの人は、できれば働きたい、就労したい、と願っている。が、病気のために体がついていかない。そんなつらさを、畑の緑が包み込む。
「病院から出てきたばかりで体力がなかったのが、畑をやるうちに力がついてきて、やがてここを巣立っていけた人たちもいます。薬ではコントロールできない何かを、畑が引き出してくれるのかもしれません」
理事長の佐々木秀夫さんの言葉に思わずうなずいてしまう。
都筑ハーベストの目標は、精神障害のある人が、自然とふれあうことで心身の健康を回復すること、そして、地域の一員として受け入れられ、地域のなかで暮らしていけることだ。運営本体である「都筑ハーベストの会」では、2つのグループホームのほか、昨年から「こころ野」という生活支援センターも始めた。障害のある人たちが、地域の人びとと自然に交流できる場として、その隣にコミュニティ・ガーデンをつくることも考えている。
農作業という人間の基本的な営みのなかには、人と人を結びつける何かがある。
障害のある人もない人も、みんながつながり合えるコミュニティをつくるのに、畑やコミュニティ・ガーデンはうってつけだ。都筑ハーベストの試みには、ぜひこれからも注目していきたいと思っている。
特定非営利活動法人 都筑ハーベストの会
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