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ハート ネット ピープル

苦手な自分と向き合う。



[写真] 「ハートをつなごう」初出演(5月30日放送回)。

歩き出せたり、止まったり、また歩き出せたり…。思えばいつもその繰り返しだった。 でも、「そんな自分は嫌いじゃない」。自分なりの足取りで進んでいけばいい。そう自らをさとすことが生きていく自信につながる、と大橋さんは言います。 先日、ある学校に講演に行ったときのことだ。対象は先生方である。いまだに九九ができない、という話をした。 講演が終わって、先生方との懇談会で、あるベテランの女性の先生が、僕のそばにやって来た。ニコニコして「私、図を使って簡単にできる九九の方法を研修で学んできたんですよ。これなら大丈夫。こうするんですけどね…」と言いながら、紙に図を書き始める。 待て! 待て! 僕はきょう、話に来たのであって、九九を教わりに来たわけじゃないのだ。いきなりそんなことを言われても、どんなにやさしい計算方法だろうが、いきなり数字が出てきただけで、僕の頭はパニックになるのだ。そこで、しばらく忘れていた「教わる恐怖感」が湧いてきた。 僕がやんわりと自分の心情を話すと、今度はその先生、ハッとした表情になった。「私たちは、これがダメならこの方法で、これなら何とかなるんじゃないか、とすぐに教えようとするんです。そういう姿勢が結局は押し付けであり、子供の心を傷つけるんですね。大橋さんは、私のよくない教師根性を改めて気付かせてくれました」と言われた。 その先生は僕のためを思ってくれていて、それはそれで有り難いのだが、なかなか先生方は僕たちがどうして分からないのか分からないから、どうすれぱ苦痛を感じるのか理解できず、このぐらいなら…とついつい苦手な部分を押し付けてしまうのだろう。 これは、親でも同じと思うけれど。そうなると、当事者は辛い。相手も善意だけに辛い。僕らの「苦手」は、努力ややる気ではどうにもならないのだ。 でも、ゆっくりやれば、苦手な部分のスキルは身に付けられる、と僕は思う。もちろん、周りのみんなと同程度は無理だとしても、生きていく自信になる程度のスキルを身に付けることはできるはずだ。

[写真] 「ハートをつなごう」小学校の先生からの質問に答える(8月10日放送回)。


さっきの先生とT先生との違いは、T先生は決して押し付けなかった。T先生は初日、全く勉強を教えなかった。自分の自慢話と、君は個性がある、なかなか面白い、という誉め言葉だけだ。僕に「この先生なら大丈夫かもしれない」という余裕を与えてくれた。 僕らにとって、急に無理なことを言われることほど、無理なことはない。授業中、何が困ったって、その情報量の多さだ。1時間の間、ハンパじゃない情報量が黒板に書かれ、先生によって説明される。そのスピードは、他の人にとって普通でも、僕らではとてもじゃないけどついていけない。 そんなわけだから、先生たちも、僕らの中にある懐疑心を取り除いてくれれば、「教わる恐怖症」だって治まるのだ。だから、僕も、あれだけ苦手だった数学に、あのときだけは立ち向かえたのだ。 ……と、ここまで3回にわたって過去の自分のことを書いてきたが、僕がこの原稿をなかなか書けなかったのは、昔を思い出してしまい、辛くなってきたから。最近はそんなことはなかったのだが。何も考えず、格好をつけずにパソコンを打ち出すと、ここまで書き進むことができた。 また、これで苦手な自分に向き合えそうだ。歩き出せたり、止まったり、また歩き出せたり…。思えばその繰り返しだが、そんな自分は、決して嫌いじゃない。 歩き出せない自分がいるから、また歩き出せるのだ。やっぱり、人間は自分の心に正直なのが1番なんだよな。格好をつけたり、自分を自分以上に見せようとすると、絶対上手くいかない。これからも、自然体に、ポジティブに、自分と向き合ってガンバロウ!


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コメント

こんにちは。
8月に「就労の困難」について、相談をしたものでございます。思い出していただけましたか。
私は、今のところ試行錯誤しながら、作業所に行きながら少しのお仕事をしながら、歩き出せるのをしばしまっています。今は、歩き出す前にすこし人生を立ち止まってますかね。それも、面白いものですね。
等身大の自分に向き合って、お互いに無理せずに、腹八分目でやっていきましょう。

よろしくお願いします。

dochitsukazuさま。お久し振りです。お元気でしたか?

本当にそうですね。立ち止まったり、また歩き出せたり・・・。

落ち込むことも多いけれど、等身大の自分に向き合い、それを受け入れ、腹八分目で頑張っていれば、気づかないうちにかつての自分より1歩成長しているのかなあ、という感じがします。

お互いにコツコツやりましょう!またいつか、どこかでお会いしましょうね。

こんにちは。
お久しぶりでございます。
私は元気でございますよ。
大橋さんも、元気そうでございますね。
私は、3歩進んで2歩下がる、で1歩成長しているかも、というような感じでございますね。
話は変えまして。
いじめの事ですが、私もありましたね。
でも、生きていたからこそ、いろいろな人との出会いがあり、今はエンジョイしながら、作業所へ行っております。

最後になりますが、また会いたいですね・・・社会復帰をしたときでも。そのときまで楽しく、胸ときめかせながら、腹八分で動いてみます。
それでは。

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