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ハート ネット ピープル

信じられる大人がいることは、強い。

[写真] 「ハートをつなごう」で自身の体験について語る大橋さん。

数学は0点、国語は60点。大橋さんは小さいころ、あまりに差がありすぎる成績に苦しみました。先生からは努力が足りない、と責められ、友達からはいじめ。でも、いつも親は味方であり続けてくれた。「信じられる大人がいてくれたことが、自分の強さにつながっています」。今は記者やテレビ番組の司会として活躍されている大橋さん。LDと向き合ってきたこれまでを振り返り、自身の言葉で語ってくれました。


(文/大橋広宣)
「ハートをつなごう」に出演して以来、講演の依頼が激増した。学校や父母の集まりなど、大抵は発達障害に関するものである。山口県教委では、特別支援教育に取り組むため、プランを作成したばかりである。

ポイントは、普通学級で特別支援が必要な児童・生徒に対して、どう対応したらいいか、である。どんな立派なプランがあろうと、正直、現場は混乱している。普通学級に在籍する発達障害を持つ子供たちに対して、どう接していいか分からない、というのが先生方の本音だろう。

でも、先生方は一生懸命、その道を模索している。だから現場に講演に行くと、かなり具体的な質問をぶつけられる。

僕は教育の専門家でも何でもない。ただ、自分も苦しんできた体験があるので、小学校当時の思いに帰って、「あのとき、こうしてもらいたかった」「こうしてくれたらよかった」という話を、頑張ってするだけである。「よかった」「参考になった」という話を聞くと、正直うれしい。

しかしこの作業は、過去の自分への旅でもある。正直、これは辛いものがある。小学校時代――。僕の人生で一番辛かったころだ。

なぜ、あれだけいじめられていたのか。成績が悪かった、それだけじゃない。要は、僕はクラスの中で変わっていたのだ。明るかったり、暗かったり、気分の差は激しいし、気に入らなければ突然爆発して窓ガラスを割ったり、イスを投げたり…、片付けはできないし、机の中はかびたパンがごろごろ…。これじゃあ、周りの友達も嫌だっただろう。風呂に毎日入ることも、歯磨きすることも、とにかく規則正しい生活をすることが苦痛でたまらなかった。

[写真]父、徳男さん。「わしは勉強ができないことについて何も言わんかった。成績が良くたっていい子とはかぎらん」。
でも、それが僕には普通だった。「普通じゃない」とある日、気づいても、自分ではなかなか直せない。勉強も「きょうこそは」と毎日思うけれど、先生の言うことは意味不明なことばかり。片付けもしたいけど、どうしていいか、分からない。友達は毎日、僕を殴ったり蹴ったりしていて、それが相当面白いらしい。もう、袋小路である。

そんなとき、先生まで僕を責める。「できないのはやる気がないから」と言う。「努力が足りない」「ふざけるな」とも言われた。別にふざけてなんかないぞ!! やる気はいつでもあるぞ!! 僕にやる気がない、努力が足りない、と言うなら、周りの友達は、よっぽど僕の何万倍も努力しているのだろう。

そんなとき、僕の父ちゃんと母ちゃんは「気にするな」「成績が悪いのはお前のせいじゃないよ」と言ってくれた。「勉強できる子がいい子じゃない。お前はいい子だ」と言って、母ちゃんは涙ながらに僕を抱きしめてくれた。

先生は信じられないけど、父ちゃんと母ちゃんは信じられる。それが小学生時代に出した、大人に対する、僕の結論だ。信じられる大人がいることは、強い。

コメント

中1の息子が書字や記憶などの困難を抱えています。 教科担任の国語の先生は、彼の特徴を知らせても「普通級では個別支援はできない。」と追試の息子に更に宿題を増やす方です。夏休みまでなんとか頑張ってきたのですが、息子は限界のようで「学校に行きたくない」と毎晩言うようになりました。私も頑張らせるのが辛くて、また息子の今後を考えるととても不安です。そんな時ハートネットピープルのコメントを読ませていただきました。本当にすばらしいご両親ですね。息子のせいじゃないとわかっていても、学校のルールにあわせようとすれば息子を追い詰めることになってしまう…小さいころからこのジレンマに悩んできました。やはり、周囲の理解が息子たちには不可欠なものと感じています。今後ともハートをつなごうに期待しています。お忙しいと思いますが、お体を大切に!(矛盾していて悪いのですが…。)
ご活躍を期待しております。

ねぼすけママさま。あたたかいコメント、ありがとうございます!

その担任の先生、ちょっと困りましたね・・・。

もう少し、話し合って、息子さんに合った指導法をしてもらうとか、ないのでしょうか・・・。

今の特別支援教育体制では、教科別に個別支援もできると思うのですが、学校はどう考えているのでしょう?

コメントを読むだけでは詳しい実情はわかりませんが、今のままでは息子さんは辛いだけだと思います。

僕の場合、算数の宿題は、厳しい先生の場合、結局、父親と母親がやっちゃってました!

忘れられないのは、翌年の進級時になっても、先生が前年の夏休みの宿題帳の提出をしつこく言ってきたので、親や周りがよってたかってやって出したことがあります。

ひどい答えですが、そういうふうに親が子どもを守ることも、アリかもしれません。ひどい、と思ったら、親も先生とは徹底的に戦うべきなのかな、と思います。

無理解の嵐にさらされるほど、僕たちにとって嫌で辛いことはありません。今のままなら、学校に対するトラウマができて、ますます学校嫌いになるのではないか、それよりも、人嫌いにならないかな、と心配です。

そんな先生がいるんなら、無理して学校なんか行かなくていいよ!と言いたいところですし、僕は言っていいと思いますが、そう言っちゃって本当に学校に行かなくなったら・・・と親御さんが心配するのも無理はないと思います。

でも、事態をしっかり先生や学校に訴えて何とかしてもらわないと、今のままでは絶対ダメだと思います!過激かもしれませんが、僕、その学校に押しかけて行きましょうか?(笑)

私立ならともかく、公立ですよね?だったら、親がその学校のルールに合わせる必要はないと思うのです!。ぜひ、頑張ってください。

大橋様、はじめまして。
「ハートをつなごう」を拝見し、「信じられる大人がいる事は、強い」という言葉はかなり感動しました。

小1のADHDの息子を持つ母ですがちょっかいを出したり、ルールが守れなかったり、順が守れなかったり、気に入らないと手が出てしまう息子は意地悪な子とみんなに思われているようで、仲間外れにされたり、バカ呼ばわれ、見下された態度をとられたり・・・見ていて辛いです。

学校の先生に言ってもみんなで刺激しあって成長していきますから・・とか、少々のからかいやいじめは仕方ありませんとか・・その事にはとりあってくれません。(他の対応は息子の特徴を理解し対応してくださってるのですが・・・)
そんな時、母親は味方でなければいけないのに「あなたがこんなだからそうなるのよ。」みたいなひどい事を言って家でも責めていました。

大橋さんの言葉、ご両親の対応を聴き、涙が止まりませんでした。
大好きな息子です。見守って支えていこうと思います。
ありがとうございました。

きよさま。コメント、ありがとうございます。とってもうれしいです。

先生が「刺激しあうことが大切」と言われても、当人にとってその「刺激」がどのていどまでなら本当の「刺激」ていどで、このぐらいからが「過激」で嫌なものなのかなんて、多分他人には絶対に分からないと思います。

私見ですが、どんな理由があろうと、他人を「からかう」ことは立派ないじめだと思うし、それを許すとエスカレートしかねないと思います。

とくに先生方は自分の経験を軸にしているので、ついつい「このていどなら大丈夫だろう」と思い、発達障害の傾向を持つ子どもたちに強要したりして苦しめる結果になることは多いようです。学校で先生方と話すことも多いのですが、そういうことにあとで気づいて後悔している先生も多いということを知りました。

「大好きな息子です」というきよさんの言葉、素敵です。ぜひ、息子さんを守ってあげてください。絶対、親御さんと同じくらい、息子さんのことを「大好き」と思ってくれる友達や先生、恋人が現れてくると思います。味方は1人でも多い方が当人も力になります。それまでは大変かもしれませんが、がんばってください。応援しています。

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