本文へメインメニューへ
ここから本文です

ハート ネット ピープル

いつまでも旅していたい

今回は、西岡奈緒子さんの回です!

[写真] 今年の元旦に国道134号線のドライブしたときに、助手席から撮影しました。写真には写っていませんが、この日は富士山も見えました。
[写真] 今年の元旦に国道134号線のドライブしたときに、助手席から撮影しました。写真には写っていませんが、この日は富士山も見えました。

私は湘南地域で育ったからか、子供のころから海が好きです。海沿いの国道134号線をドライブしていると、海の広がりや波の行き来が心地よくて、気分が開放されます。(運転するのは家族で、私はもっぱら外を見ているのですが・・・) 腰越から七里ガ浜のあたりでは、134号線の内側を江ノ電が走っていて、のんびりした湘南らしい風景が見られます。
江ノ島や富士山、波の合間のサーファーやヨットなどを見ていると、なんだか贅沢な気持ちになれます。季節やお天気によって海の色が変わり、波の様子が変化するのも楽しみです。夏には観光客が多いですが、冬の静かな海も落ち着きがあっていいものです。

茅ヶ崎から江ノ島の海岸線沿いにはサイクリングロードが整備されていて、子供のころ、何度か自転車で走りました。最後に走ったのは中学1年生のときだったと思います。弟と一緒に実家から江ノ島まで自転車を走らせました。子供にとってはちょっと長い距離でしたが、いい思い出になりました。
徒歩や車では出せない、自転車独特のスピード感を味わいながら、海の風と匂いを感じて走るのは気持ちよかったです。
病気 (肢帯型筋ジストロフィー) が進行して、今は自分では電動車椅子か、手動運転装置付きの自動車しか運転しないので、懐かしい感覚です。

体を動かして得た感覚は、記憶として刻まれているので、今その動きができなくても、想像の中では再び感じることができます。小説を読むときに、自分が体験したことは理解しやすいというのと似ています。
だから、私は 「今できる経験はできるだけ多くしておきたい」 と考えています。旅に出かけるのも好きで、家族や友人と出かけています。行ったことのない場所に行って新鮮な気持ちになるのも、何度も同じ場所に行って落ち着いた気持ちになるのも、どちらも旅の醍醐味です。

読書や音楽鑑賞では、身体を動かさなくても旅をできるのが大きな魅力です。自分が経験したことを再体験したり、未知のことを想像で体験したりできるのです。これまで私は本を読むことはありましたが、音楽を聴く機会があまりありませんでした。
ところが去年、友達に誘われて、シンガーソングライターでピアニストのYANCY (ヤンシー) のライブに出向いて、すっかり、ライブにはまってしまいました。

[写真] YANCYのライブ風景より。
[写真] YANCYのライブ風景より。PHOTO BY ISOWA TARO (今回、YANCYさんのご厚意によりオフィシャルウェブサイトから写真をお借りさせていただきました。YANCY公式ウェブサイト 別ウインドウ ※クリックするとNHKのサイトを離れます)

ライブハウスはバリアフリーではなくて、階段で地下・・・というような場所もありますが、おんぶしてもらったりしながら、何度かライブに通いました。中には、エレベーターで車椅子のまま行ける上に、海も見えるというライブハウスがあって、お気に入りになりました。そこには2度行きましたが、今年もまた行く予定で楽しみにしています。

私が行っているライブはブルースやジャズなので、みんな座ったままでたまに手拍子をしています。テンポが速い曲は手拍子も速いので、私は、がんばってついていっています。私の場合、手も力が弱いので、手拍子するだけでもいい運動です(笑) 自転車に乗っていたことを今思い出しているように、いつか、手拍子をしていた記憶を思い出す日がくるのかな、と想像したりしています。
生の演奏は音の広がりがCDやDVDとはやっぱり違います。YANCYの演奏は、ピアノの音が踊っているようで、ピアノが生き物に見えてきます。そして会場の一体感、みんながつながっていく感覚がなんともいえず心地よいです。音楽を通じて世界が広がっていくように思います。彼と組んでいる仲間たちもとっても魅力的です。ライブに行くたびにパワーをもらって、世界が広がって、いろんな人とつながっていくのを感じています。 
音楽鑑賞の場合、耳が聴こえれば、身体が動かなくても楽しむことができます。進行性で身体が動きにくくなる私のような病気の場合でも、長く楽しめます。「いい趣味を見つけた!」 と友達には感謝しています。
動けるうちはできる限り、ライブハウスに出向いて、生演奏を楽しんで、パワーをもらいたいです。そしてもらったパワーをちょっとずつでも、私も還元できるようにしたいです。

 


プロフィール
西岡奈緒子さん

1980年生まれ。神奈川県育ち。3歳の時に筋ジストロフィー(肢帯型)の診断を受ける。大学卒業後、企業に就職。現在は電動車いすを使いながら勤務。2008年、第43回 「NHK障害福祉賞」 で最優秀を受賞、「ハートをつなごう」 に出演し、野上奈津と出逢う。2009年、野上奈津と一緒に 「com-pass 女性筋疾患患者の会」 を立ち上げる。病気が進行性のため、「今できることを思い切り楽しむ」 ことがモットー。

コメント

奈緒ちゃん おはようございます。(笑)

人にはそれぞれ「笑い」のツボがあるように
その時々の「楽しみ」のツボが存在すると、私は思っています。

楽しみのツボは広く大きいと当たり易いけど
体力や機能的に制限があると、
どうしてもツボは小さい範囲になってしまい
なかなか見つけにくく
見つけにくいから、いろんな事に否定的になりやすい
そんな自分を見ないふりしていると、否定的に考える事が癖になってしまう
こんな良くない連鎖を断ち切るきっかけが
自分と同じ、もしくは重症の人の
楽しみ方を目にすることだったりするなぁと感じます

「比べる」という行為を良くないと決めつける人もいるけれど
この場合の「比べる」は、自分を見直す為の大きな力になるわ

楽しみ方を模索する奈緒ちゃん見て
すでに、いろんな立場のいろんな人が
パワーを感じ、吸収していると思いますよ

どんどん、出向いて素敵な音楽を楽しみ癒されながら
パワーを蓄えてくださいな!
奈緒ちゃんから「経験の積み重」を聞く事が楽しみな
私のようなおばちゃんもいます(笑)

ゆうこさん、こんにちは!
楽しみのツボ、たくさん見つけていきたいですね。
私もほかの人の楽しみ方を参考にさせてもらうことがあります。

私からパワーを感じたり、吸収したりしてくれている人がいるとしたら、とっても嬉しいです。
これからも、どんどん楽しいことを見つけていきたいです。
ゆうこさん、一緒に楽しんでいきましょう!

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://cgi2.nhk.or.jp/cgiblog/tb.cgi/17341