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ハート ネット ピープル

ふたりの恋するカタチ Vol.2 -漫画家・竹内佐千子さん-

-以下は、ハートネットの特設サイト「LGBT特設サイト -虹色-」で掲載された記事。好評につき、ハートネットでもご紹介します-

今回の「ふたりの恋するカタチ」では、漫画家の竹内佐千子さんが寄稿してくださいました。竹内さんは、レズビアンであるご自身と同性の恋人との日常を楽しく、かつ当事者以外にもわかりやすく描いたコミックエッセイ『ハニー&ハニー』『ハニー&ハニーデラックス』を出版されています。ところが、最近、彼女ではなく彼氏ができちゃった!?最近出版された、新作『男になりタイ!私の彼氏は元オンナ』によれば、現在はFTMのカイくんとおつきあいされているとのこと。というわけで、竹内さんに現在の恋愛について語っていただきました。

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(今回の原稿用にイラストも描き下ろしてくださいました)

はじめまして。竹内佐千子です。
誕生日を迎えたばかりの20代女子です。

突然ですが、私は中学2年のときに同じクラスの女子山田さんが好きになりました。
本気で恋をしていたことに気付いたけれど
「思春期の勘違いって怖いな」そう思っていました。

でも19歳のときにはじめて彼女ができ、晴れて女の子同士のカップルに。
その彼女と別れた後も彼女ができた。

ああこれ私レズビアンて言っていいんじゃないかしら?
そんなときマサコという彼女と付き合っていました
マサコの勧めもあって、コミックエッセイで自分の恋愛エッセイを描いた

そしたらそれが本になった。

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自分はレズビアンだと思った
結婚しなくても子供いなくても好きな女の子とずっと一緒にいようって思った
親には娘が2人出来ると思って・・・と言おう!と思ってた
いままでなんとなく好きだから女の子と付き合ってたけど
レズビアンとして生きるものいいなとか思い始めていた

したらマサコにフラれた

おほほ最悪だ
それからすごい勢いでやせ始めて2ヶ月くらいで7キロ減!!!
とにかく食べ物が食べれず、タバコしか吸ってなかった。
あとは学校行かずにひたすら泣いていた。

もうなんでもいいよもー
結構乙女な自分にびっくりだよもう
とにかくしばらく恋関係はうんざりだよ
やせたことだしギャル服でも着てみよう!
せっかく一人なんだしナンパとかされちゃおう!(されなかったけど)
とか、色々してたら元気になっていったのでした。

だいぶ失恋からも立ち直ってきた頃、友達と2丁目で遊んでいたら、
その友達が友達カイくんに遭遇。
その人が私の今のパートナーのカイくんです。
友達がFTMだったので、カイくんもFTMなことはすぐわかりました。
雨の中ずぶぬれになりながらバイクを押し「雨宿りしにきた」と言っていた。

なんだか色々説明が足りない人だと思った。
しかもその頃カイくんは私とたいして身長が変わらないのに体重が44キロしかなかった!
吹けば飛んでいきそうだった。

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この頃私はレズビアンだと色んなところで公言していたけれど
好きになれば男の人と恋愛するのもありだと言っていた。
でもFTMの人は恋愛対象には難しかった。
私は大丈夫だけど、どうしても男の人とは思えず、女の人とも思えず
そんな気持ちが相手を傷つけると考えていたからです。

まあ、その前に好みじゃなかったので「ないな」と瞬時に思ってたんですが。

でもある日変化が起きた

カイくんの謎の猛アタックが始まったから

最初はしきりに「ありえません」と断っていました。

でも彼はめげなかった。

そして唐突に藤森直子の本を貸してくれた
(貸してくれたというより無理やり持たされたに近かった)
本を人から薦められる経験は無に等しかったのでなんだかよくわかんなかったけど一応読んでみた。

それがすごく面白かった

現役SM嬢のノンフィクションもので、すごい好みだった。
こんなこともあるのかと感動して

「おもしろかったよ」

とメールをした。


したら返ってこなかった。すごい嫌いになった。
その後お好み焼きを食べに連れて行ってもらったときに
「どうして私が好きなんですか?」と聞いてみた(この頃敬語でした)

そのときちょうど取り皿が一枚汚れていて
キレイな方をカイくんに渡し、汚い方を自分で使っていたら

「そういうところ」

と言われた。

この日から私は、カイくんはどういう生き方してきたら
こんな謎の人物に育つのか興味が湧いてしまった。

無口で何を考えてるのかさっぱりわからない人だった。

今まで会ったことのない珍種だった。

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それからしばらくして2人で遊びに行った帰りに
とうとう付き合ってくれと言われた

このときすでに私はカイくんが好きでした。
気になってしょうがなかったし、一緒にいて面白かったし、意外に趣味も合った。

私自身はこの頃カイくんと付き合うことに関しては何の問題もなかったです。
ただレズビアンとして仕事をしていること
なにより自分をレズビアンだと思っていること
カイくんをFTMとしてみていること

私はこの時パニックに。

まさか完全な男性としては見れません、とは言えない!
言ったら嫌われてしまう!
でも付き合うことになったから
はい今日から私バイになりましたなんて言えない!

もう大混乱

その辺が引っかかってなかなか「うん」とは言えず
気持ち悪くもじもじしていた


そんな状態を察したのか
「オレのこと好き?」
と聞かれ
「うん」
と言ったら
「ならええやん」(関西人)
と言われて・・・

付き合うことになった。

レズビアンとしてのアイデンティティも
誇りも自覚もなかったことにちょっと自己嫌悪しましたが

そもそもそんなことにこだわっていたことの方がへん?
と思い、「好きになったから好き」でいいやと思うようになりました。
私が今でも自分のことをレズビアンと言うのは
それが一番近い感じがするからかな

今まで男性とお付き合いしたことがなく
女の子と付き合ってきた私はノンケではないし

世間的にはバイというのが一番いいのかもしれないけど
どうしても自分がバイとは思えない。
あんな男性と付き合いたいvvという願望はないし
夜を過ごしたい理想の人を考えても男性より女性だ。

他の言葉も色々あるけど
難しくてもーめんどくさい

伝わらないし、伝える努力をするのは嫌い。

おかしいって言われたりもするけど
自分が思えないものはしょうがない
なさけないけど、はっきりと決められないしわからない


カイくんはどう思ってるかというと
「仕事しやすいのでええんちゃう?」

うん。
しかしはじめて男と付き合ったもんだから大変なことがいっぱいあった
買い物に行けば一緒に服を選んでくれないし
歩くの早いし
ヒールで足が痛いのわかってくれないし
しょっちゅうお茶したいのにしてくれないし
「赤と白どっちがいい?」って聞いて「白がいい」って言われて
「ん~赤もよくない?」って返したら

怒るし

最初意味がわからなかった。
嫌われてるのかと思ってずいぶん悩んだ。

でもノンケの友達に相談したら男はそんなもんだって言われた(笑
あっそ

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今年手術を終えてカイくんは戸籍も男性になりました
自分の本にも書いたけど、プロポーズされた。

自分に結婚はないもんだと思ってきたもんだから青天の霹靂
どうしたらいいのか全然わからない

とにかく待って待ってと断り続けている

友達には
「離婚できるんだから勢いで結婚しな」
と言われています

どうなることやら(笑


プロフィール

竹内佐千子
東京都出身、B型。第3回コミックエッセイプチ大賞受賞。レズビアンである自分と恋人の物語を描いたコミックエッセイ『ハニー&ハニー』『ハ ニー&ハニー デラックス』(メディアファクトリー)で人気を博す。その他の著書に『午後のハレンチティータイム』(情報センター出版局)。2008年8 月に出版された新作漫画『男になりタイ! 私の彼氏は元オンナ』(メディアファクトリー)では、現在の恋人であるFtMのカイくんの性別適合手術のため一 緒にタイに行った道中を描いている。

竹内佐千子公式サイト「チノック」 (別ウインドウ※クリックするとNHKサイトを離れます)

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