
リレー・フォー・ライフ
9月も半ばだというのに、芦屋総合公園は30度を超える炎天下にあった。
会場は陸上グラウンドだから、日陰はまったくない。
「オイオイ、ここに一日中いるわけ?」
「24時間ウォークですから」
「明日は敬老の日だろ。オレは還暦だ。年寄りをいたわろうという気はないわけ?」
「歩くのはがん患者の皆さんですから」
「まだ午前10時だ。放送は夜7時からだぞ。オレの体力は持つのか?」
「ですから、がん患者の皆さんの24時間ウォークなんですから」
この芦屋市総合公園で開かれるのはリレー・フォー・ライフ。命のリレー。がん患者、その家族、仲間友人が24時間、リレーしながら歩き続けるのである。
私はこの日、この催しをETVワイドで生放送するためにここにいた。当然の事ながら、この催しの様子も意味合いもこれまで放送もして来た。
でも何故なんだ。だって病気が病気だし大変でしょ。それなのに何故、ここに全国からやって来てひたすら歩くのだ?
通りがかった一団が声をかけてくれた。聞けば横浜からやって来た参加者だと言う。「参加しようって、一年前からそう決めてずーっとその事を思いながら生きてきました」そう語るご婦人は、がん患者だと言う。生きてきました、というさりげない一言にその現実が見える。しかしやる気マンマン、満面の笑み。となりの夫君も足元はスニーカーで固め、にこやかに「一緒に歩きます」ハイキングか?
後ろの年配の夫人は「私は姉です。友人にがんで亡くなった人がいましてね、妹からこの催しを聞いて、それなら私も是非って。あとで子供達もやってきます。みんなで歩きます」レクレーションか? このイベントはグラウンドをぐるぐる歩くだけだ。景色が変わるわけでもないし、木陰もせせらぎもない灼熱のグラウンドである。
そうこうしているうちにも参加者は続々集まってくる。あちこちで「アラー」「またお会いできましたね」去年のつくばでのイベントに参加して出会った人々なのだろう。抱きつかんばかりに懐かしがり、喜んでいる。
「入院して点滴打っていたの。でも這ってでも来ようって」
「よかったわね。私もね、この間再発を言われたんですよ」
はた目からすれば、あまりに重い現実にからみとられた言葉だ。それが夏空のような陽射しのもとで、カラカラと会話が行き交っている。
午後一時、リレー・フォー・ライフはスタートした。華やかなマーチングバンドに先導されて、がん患者達が歩き出す。横断幕を持ち、踊ったり手を振ったり、あるいは仮装して、そしてにぎやかに語り合って、がん患者達は歩き続ける。ここには孤立の中で絶望するがん患者のイメージはない。たとえ、つらい現実があってもそこに引きずり込まれる事なく、今、生きている命を輝かせる側に踏み出す、その思いを実際の歩みに託して、リレーは24時間決して途切れない。
当事者でない私が、がんになっても大丈夫と、軽々に言う事は出来ない。
それでもこの参加者達はじっとりと重い涙をかいくぐって立ち上がり、このイベントに集まった。自分の命を確認し、仲間と出会い、この一年を次の一年につなげていく人生のリレーを歩いていく。
がん患者自らが、がんに対する社会の意識を変え、連帯を訴えるのがこのイベントの目的だと言う。しかしこのイベントに立ち会い参加してみると、不思議な感動を覚える。ここには私たちが、理想とする世の中の姿があるのではないか。助け合う、語り合う。悲しみと喜びを共にする。
参加者の顔に浮かぶあの明るさに、互いに支え合い、自分らしく生きていきたいという今の社会を作る原動力を見た思いがする。
リレー・フォー・ライフ。命のリレー。
考えてみれば誰の人生も、命のリレーだ。




町永さま、こんにちは。
なぜ参加者の方はつよいのでしようか。
生きることを一度はあきらめて、どん底から生きたいという勇気を得ていたのでしようか。
mmさん、こんにちは。
リレーフォーライフのがん患者の人は何故強いのだろうというお尋ねです。そうですよね。誰もそう思いますよね。
でも、身近に接していると、がん患者の皆さんのあの生き生きとした表情は、これは強いとか弱いとか言うのとは少し違う印象も私は持っています。
もちろん人によってそれぞれの軌跡は違うのでしょうが、病いの中、一人の時の自分の弱さも見つめ続け、そして人々とつながる事で強く生きる事を見つけたという事なのかもしれません。
うまく言えませんが、がん患者の皆さんは強いと言えばとても強い、でも弱いと言えばどんなにか弱い心も抱えざるを得ないはずです。こればかりは、余人の踏み込めない内奥の心の動きです。
mmさんのようにどうしてだろうと、私も考え続けています。そうする事で、がん患者というレッテルのむこうにひとりひとりの今を懸命に生きるヒトを見る事が出来る、そんな風にも思っています。
あのリレーフォーライフに参加すると、誰もが、自分だったらどうだろうかと考えます。何故強いのだろうか。私ならどうだろうか。
はじめまして、こんにちは。リレー・フォー・ライフですか。初めて耳にしました。私はがん患者さんではないのでですが統合失調症・高機能自閉症・学習障害を抱えて生きています。私の場合はこの病気を抱えていても亡くなる病気ではないのですが、、、がん患者さんたちには悪いのですが、自殺というリスクがついてきます。何度となく大量服薬や首吊り、リストカットをしてきました。現在もですが、、、。今後そのような活動がありましたら私も是非、参加して色々なものを得たいと思います。もしよろしければ教えて下さい。お願いいたします。感想ですみませんでした。