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ハート ネット ピープル

シングルマザーは「透明な家族」じゃない

5月放送の「ハートをつなごう」では新しいテーマ、シングルマザーをとりあげました。収録を受けて、司会の石田衣良さんに聞きました。

シングルマザーの収録はいかがでしたか。
一番びっくりしたのは養育費のことですね。きちんと支払われるケースが少ないとは聞いていましたが、まさか2割に満たないとは。シングルマザーは全国で160万人いると言われていますが、もっと大事にされていいはず。少子化問題とこれだけ騒がれているわけですから。政治家の人たちも、道路をつくる代議士の会にあれだけ人数がいるのに、「シングルマザーの会」の存在自体がないというのはどうなのかなあ。


「池袋ウエストゲートパーク」の最新の回(*)でも、格差社会をテーマにシングルマザーをとりあげていらっしゃいます。番組の中でも児童扶養手当の削減や再就職の厳しさなどが紹介され、行政や企業など社会的理解が立ち遅れているという話が出ましたが、どんなことをお感じになりましたか。
格差社会の原因にもなっていると思うんですが、自分たちの所属している組織だけ得をすればいいんだ、という空気がこの国にはなくはないですか? 公共に対することとか世の中全体に対することを考えながら、それを守ろうとするトップが少な過ぎますよね。自分たちに都合の良いように使えればいいじゃないという。しかしその結果として、回り回って社会全体が損をするという発想も、もうそろそろ持たなくてはいけないと思います。


シングルマザーだから子どもは不憫だ、そういう先入観のことも番組で紹介されていましたが。
どんな家庭でもプラスとマイナスがあるのは普通のこと。うちだって「仕事ばっかりしていてつまらない」と娘に言われるように、どこの家でも子どもは親に対して文句があるわけです。一方でありがたいと思いながらね。そしてどんな環境であれ、逆境だと思ってしっかりする子もいれば、荒れてしまう子もいる。子どもの資質だってあるし、それを「シングルマザーだから」と逐一社会が見なくてもいい。幸、不幸があって、人間の一生が簡単にはいかないのはどこも同じ。「型」にあてはめて人を見る必要はないし、その人となりで見ればよい。


なりたくてなっているわけではない、という気持ちがお母さんにはありますよね。
言い方を変えれば、養育費の5万円を払えるくらいの甲斐性もないダメ男が多いってことでしょう。生活保護の給付率を見ても、日本は明らかに低いですよ。その中でシングルマザーの人たちは本当に良く頑張っているね、と言ってあげたいです。 


石田さんは作品のなかで、シングルマザーのことを「透明な家族」と表現されていましたね。
それを目に見える形にしていくということが言いたかった。シングルマザーの人たちって社会的にひけ目を持たされて日陰にいるようなところがあるじゃないですか。でもそんなこと気にしないで、もっと出てくればいい。たとえば、シングルマザーが100万人集まったら、政党だって無視できなくなりますから、そういう動きを考えてみてはどうですか。僕は、社会的に見える存在にみんなでしていくことが大事だと思うんです。

(2007年5月30日にインタビュー収録)

(*)池袋ウェストゲートパーク・シリーズ第8弾第1作 「千川フォールアウト・マザー」(文芸春秋刊『オール讀物』2007年5月号)

コメント

こんにちは、石田さん。
私もシングルマザーの回を、視聴させていただいて、なぜ「シングルマザー」「福祉」などなどの可能性がある人を引き出す政治を語る人が出てこないのか、不思議でたまりません。
私は、正直なところ発達障がいという「個性」を持つものです。
なにか、個性があったり目立つ人だとこのくにではつぶされていっちゃうという、なんだか理不尽です。
シングルマザー、多くの個性、これってあっていいじゃない、もっともっと、多様な個性を大事にする国であってほしいと思います。

一人一人ちがうが、そうじゃないとおもしろくない。
そうあってほしいです。
よかったら、皆さん考えて見ましょうよ。

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