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ハート ネット ピープル

時にカメラを、時に鍬(くわ)を持ち、取材を続けています。



[写真] 4月の畑の様子。


番組「福祉ネットワーク」の7月25日放送分でグリーンのことが取り上げられました。障害を持つ人たちが畑で育ち、それぞれの個性を発揮していくさまにひかれた百崎満晴カメラマンは、1年をかけて取材を続けていきます。その制作手記をご覧ください。


文/百崎満晴地域作業所
「グリーン」は横浜にある小さな福祉作業所。ダウン症や自閉症など知的障害を持つ若者たちが集まって、田んぼや畑を耕しています。そこで採れた野菜とお米は、自分たちで昼食に食べる分と、それ以外に作業所で直販も行っています。



横浜市の地域作業所の中で、農業を主な活動としているところは少なく、ユニークな存在です。今から14年前に、10数人のメンバーと2人の職員でスタートしました。当時、本格的な農業経験がある人は誰もおらず、地元の農家からも親たちからも無理ではないかと言われました。しかし皆がひとつひとつ仕事を覚えていき、今では近所の農家から手伝いを頼まれるほどの腕前になっています。 所長を務める石田周一さんには『虔十公園林』(宮沢賢治作)で語られる思想がベースにあります。でくのぼうと呼ばれる知恵遅れの少年があるとき、杉の苗を畑に植える。それがいつしか立派な公園となり、人々の生活になくてはならないものになっている、というもの。「グリーンも、あって良かったと地域から思われる存在になりたい」と石田さん。


私がはじめてグリーンを訪ねたのは今年の春のこと。もともと福祉に特別興味が深かったわけではありません。農業にこだわって取材をしているうちに「障害者と畑をやっている面白い人がいる」と石田さんを紹介されたのがきっかけです。以来、魅入られてしまった私。もともと野良仕事が好きなこともあり、時にカメラを、時に鍬(くわ)を持ち取材を続けています。勢いが高じて1年間にわたってドキュメンタリーを撮り、番組を制作することに。
(第1回分は7月25日「福祉ネットワーク」で放送されました)



彼らと一緒になって田畑を耕しているとさまざまなことを教えられます。一見多動で、時には奇声を上げ暴れたりすることもしばしばありますが、つきあっていくうちに徐々に彼らの発する声が、奇声ではなく言語として聞こえてくることがあります。「ポカケ?」が「ポケットに軍手を入れてもいい?」の意味だったり。30倍速ぐらいで話しているので聞き取れないだけで、決して意味不明の言語を話しているわけではないのですね。コミュニケーションがうまくいかないのは彼らのせいだけではなくて、こちら側の問題でもある。石田さんは言います。「障害は彼らの“中”にあるのではなく、我々との“間”にあるのかもしれない」。また、彼らの自閉ゆえのこだわりの強さが、ときに農作業においては特技になることも多くあります。番組でも紹介した種まきなどはその典型的な場面です。小さな升目一つ一つにお米の種をまいていく、非常にちまちました気の遠くなるような作業も、整然と並んだものが大好きな彼らにとっては魅力的なようです。ゆっくり丁寧に並べていく人もいれば、作業手順を自分なりに工夫しながら、非常にスピーディーにこなしていく人もいる。皆それぞれにこだわりの個性を発揮させています。



[写真] グリーンのメンバーと私。


現在、稲はすくすく育っています。暑い夏を迎え、今は雑草との戦いの毎日。我々も負けじと汗だくになりながら、カメラと草刈鎌を交互に持ちかえながら、まだまだ取材は続きます。


グリーンのホームページ(別ウィンドウ)※クリックするとNHKのサイトを離れます。

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