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2012年11月12日(月)放送
「BENBUキャンパスツアー 慶應義塾大学 パート1」
創立者・福澤諭吉の知られざる素顔にふれる他、「学問のすゝめ」をはじめとする貴重な資料を紹介。さらに、言語の起源を探る研究や、ウインクで動く車いす開発など、ユニークな研究の現場をBENBU部員が直撃。福澤諭吉が提唱した「半学半教」の精神が今に息づく、学生たちのアツいゼミの様子も体験!
今回は、2回にわたって慶應義塾大学を大解剖するぞ。
― 番組概要 ―
慶應義塾大学と福澤諭吉

1858年江戸末期に、福澤諭吉が蘭学塾を開いたのが、そもそもの始まり。
現在は、東京・神奈川を中心とする6つのキャンパスに文系から理系まで幅広い分野にわたる10の学部がある。そこで学ぶ学生はおよそ3万人。
福澤諭吉の著作である『学問のすすめ』では、学問は侍や一部の人が行う難しい文章の読み書きであった江戸時代の考えを捨て、「平等で社会の担い手であるみなが、勉強をし、社会の一員になっていく必要がある」と説いたものだ。
『平等』を重んじた福澤は、できるだけ多くの人に学問の機会を与えようと、慶應義塾大学を設立し、今でもその精神が色々な形でこの大学に生きている。
ちなみに、「慶應」は元号、「義塾」はイギリスの「パブリックスクール」のようなものを作りたいという福澤流の日本語訳からきているんだ。

今回のキャンパスツアーでは、福澤が提唱した言葉や慶應義塾大学の研究の基礎となってきたキーワード7つを手がかりに、魅力を探っていくぞ。
キーワード「世界を見据えた教育」
慶應義塾大学は近代日本で初めて「留学生」を迎え入れた学校で、今では世界に通用する人づくりを目指し、英語・ドイツ語・フランス語から、古代エジプト語・アッカド語まで、世界23の言語を学ぶことができるのだ。
言語学を体験
理工学部の金田一真澄教授が今教えているのは、「言語学」。言葉そのものの成り立ちや構造などを学ぶ授業だ。

BENBUメンバーも大学の授業を体験! テーマは「言葉の起源を考える」。
実は言葉がどこで、どのようにして生まれたかは、謎。今も解明されていないのだという。これまで、言葉の起源について、さまざまな説が考えられてきた。

メンバーたちも、自分で考えた「言葉の起源」について発表したぞ。
慶應義塾大学 ちょっと一休み
BENBUメンバーが、慶應義塾大学のトップ・清家篤塾長に質問!

【質問】
大学が求めている生徒は?

【回答】
大学っていうのは、要するに自分の頭でものを考える力を磨いてもらうところなんですね。
つまり自分の頭でものを考えるためには何でなんだろう、なぜなんだろうって思ってないと考えるきっかけはできませんよね。
ですから、高校生の頃から、世の中のこととかあるいは授業なんかを受けてもなぜなんだろう、どうしてなんだろうという風に考えてくれる人がいいですね。

【質問】
先生が「君(くん)」付けで呼ばれてるって本当ですか?

【回答】
例えば、学内の掲示板で案内などが掲載されるときに「君付け」ですね。
慶應義塾では、お作りになった福澤諭吉だけが先生と呼ばれて、それ以外の人はみんなあの先生になったり生徒になったりする、そういう存在なんだっていう考え方なんですよね。
キーワード「半学半教」
先生になったり、生徒になったりするという精神は、慶應義塾を象徴する「半学半教」というキーワードにつながる。
塾生は自分の得意なことがあったら自分も他の学生に教える。それから、他の塾生が得意なことがあったら教えてもらう。それは今でも伝統として残っているという。
ゼミに参加
BENBUメンバーもグループ学習室で行われているサブゼミに参加し、「半学半教」を体験。
そもそもゼミとは、1人の教授の指導のもとで、専門的なテーマを研究・発表する少人数制の授業のこと。サブゼミは、そのゼミの準備として学生だけで自主的に集まり、話し合ったりして研究を深めていく活動だ。同じゼミのメンバーが学年に関係なく、みんながそれぞれ調べたことを持ち寄り教え合う。まさに互いに教え学び合っていたぞ。
サブゼミに参加したBENBUメンバーは、さらに経済思想史が専門の池田幸弘教授のゼミにも参加。
学生は、「自分で調べること自体は、一人でもできるが、発表してレスポンスをもらうことはゼミに入らなくてはできない」と語っていたぞ。また、ゼミにおける先生の役割について池田教授は、「基本的には報告を聞く、チームリーダーに過ぎない。みんなで意見を交わすやりとりが『半学半教』の精神だ」と語ってくれた。
「半学半教」の精神は、実は1年生の時から培われている。
アカデミック・スキルズという授業は、論文作りを基礎から学べて大人気だ。その授業では、なんと3人の先生が参加している。日本の近代思想が専門の片山杜秀准教授・ドイツ語とドイツ文学が専門の識名章吾教授、中国語と中国文学が専門の種村和史教授と、所属する学部も専門も違う。識名教授は、「違うからこそ色んなモノの見方が提示できる。授業中に先生同士で喧嘩することがあるくらい違う見方を学生がその場で感じることが出来る」と語ってくれたぞ。
そんな3人の先生の厳しい視線を浴びながら自ら考え、調べ、まとめた論文を発表。そして発表に対し他の学生や先生が質問。問題点や矛盾点を指摘する。お互い教え学ぶ熱い光景は、先ほどのゼミと同じだ。
キーワード「自我作古(じがさっこ)」
「自我作古」とは、これまで誰もやってなかった分野を諦めずに挑戦していくという精神。
前人未踏の新しい研究に次々と挑戦し、まさに『自我作古』の精神を実践しているのが理工学部システムデザイン工学科・満倉靖恵准教授の研究室だ。
ウィンクで動かす車いす
満倉准教授は、「ウィンクで動かす車いす」の研究を行っている。目の周りに貼った電極で、筋肉の振動を読み取り、コンピュータで制御。これにより、体が不自由な人でも操作・自動走行が可能になるという世界初のシステムだ。2回まばたきで前進、右ウインクで右折、左ウインクで左折が可能。
早速、BENBUメンバーの山ちゃんもウインクでの移動に挑戦したぞ。

満倉准教授によると、上手ではないウインクでも98%の確率で認識してくれるとのこと。
この他にも、パソコンを使った簡単な機器で、顔の動きや表情の変化を高速・高精度に計測する技術を開発。これにより、人物の動きをリアルタイムでCGキャラクターに反映させることができる。
他にも、パソコン画面を口笛だけでスクロールさせるシステムなども研究中だ。
前人未踏の新しい研究に次々と挑戦し、まさに『自我作古』の精神を実践している満倉研究室だ。
高校生へメッセージ
満倉靖恵准教授
「人のやっていないことっていうのは本当楽しいので、是非そういうのを見つけていただいて、好きなことを好きな時にやって追究していく、そういうことを一生懸命やっていただきたいと思っています。」