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2012年9月3日(月)放送
「AO・推薦入試対策シリーズ(2) いいね!と言われる小論文」
前回に引き続き、大学の入試担当者たちによる座談会を実施。実際の入試では、小論文を採点する時に、どんな点がチェックされているのか? 担当者をズバリ直撃! 限られた時間で、破綻なく説得力のある小論文を仕上げるための「設計図」作りのノウハウも伝えるぞ。
― 番組概要 ―
いいね!と言われる小論文
AO入試を考えている高校生なら、既に小論文の勉強をしている人も多いのでは?
そこで3年生BENBU部員たちに、次の問題で小論文を書いてもらったぞ。
問題
身の回りにあるさまざまな機器や道具の中で、あなたにとって最も大事なモノを1つ選び、それがなぜ大事だと考えるか述べなさい。(400字以内・制限時間45分)
小論文のポイントは『自分なりの視点』を持って主張を展開することだ。これを踏まえた上でテーマ選んでいく。
しかし、半分以上の部員のテーマが「携帯電話」でかぶってしまった。ちゃんと『自分なりの視点』を生かしているのか?
入試担当者の評価
部員の小論文を入試担当者に見てもらったところ全員不合格だった。 ただ事実を述べただけでは論文にはならない。しっかり論理の筋道を通す必要があるのだ。

<部員たちが指摘されたポイント>
  • 致命的な漢字のミス
  • 論理的にムリがある
  • 余白が多い
  • 問いに答えてない
  • テーマを正確に押さえてない
  • 根拠が不十分
漢字の間違いなどの初歩的なミスだけでなく、出題の意図に答えていない、根拠が不十分など論文としての基礎もなっていないと指摘された。
何がダメだったのか?
今回の小論文でこれだけの指摘を受けた背景には一つの原因があった。

試験開始直後のこと、問題用紙に余白があるのにもかかわらず誰もメモを書き込んでいなかったのだ。
これまで「小論文を書く」の放送回でピラミッドボードを使って主張を絞り込んだり、説得フリップで話の組み立てを考えたり、書く前に考えをまとめるコツを紹介してきた。しかし、開始と同時に原稿用紙に書き始めている部員がほとんどだった。
その理由を聞いてみると、ほとんどの部員が「時間内に終わらないんじゃないか…」という不安から計画もたてず書き始めていたのだ。
花道の種 設計図を書く
小論文を書く前に話の筋道を作るために必要な作業が「設計図を書くこと」だ。
リサ(慶應義塾大学法学部1年 )
私の場合、設計図がすべて。設計図がしっかりしてないと、建物が建たない。詳細な情報を設計図に取り入れていってから、文章化をする。私の場合60分のテストで、最後の25分くらいで書き始めた。
花道流 小論文・設計図の書き方
1.頭の中の考えを紙に書き出す
自分の頭の中の考えを、思いつくまま、紙に書き出してみよう。
そのたくさんの候補の中から、『自分なりの視点』を持って、主張を展開できるテーマを選ぼう。
2.○や矢印を使って流れを作る
○や矢印でつくった大きなが流れが設計図の筋道となるぞ。

3.具体的な話を肉付ける
さらに、エピソードなど、具体的な話を肉付けしていこう。

いきなり書いたときと比べ、設計図でビジュアル化すれば、話の組み立てが一目瞭然だ。書きながら主張がブレることは無いのだ。
小論文を書いてみよう
設計図を書いたら、ピラミッドボードや説得フリップを活用して、論理の展開を組み立てていこう!

小論文の基本形を押さえておこう!
設計図があれば、どのくらいで書くことができるのか。
れいな、ゆーき、えりーが試してみたぞ。
その結果、文章を30分以内で書き上げ、設計図と合わせてほぼ時間内に書き上げることができた。
リサ(慶應義塾大学法学部1年 )
家で練習している時も時間を決めて、癖をつけておいたほうがいい。本番になっていきなりやっても「あと何分しかない」と焦ってしまう。なので、どこでも本番でもできるように染み込ませていた。
こうしたトレーニングを普段から行い時間の配分を身につけることで、試験本番に役立つのだ。
設計図でビジョンを立て、主張がぶれないしっかりとした小論文をまとめよう!
いいね!と言われる小論文のポイント
  • 書き始める前に設計図を作る
  • 設計図と文章の時間配分を身につける
いまさら聞けない! AO・推薦入試Q&A
「小論文」編
疑問1:小論文ってどうやって採点しているの?
  • 一人あたり、3枚か4枚を担当し、1枚の小論文は必ず3名から4名の複数の教員で読む。
    本学の場合、全部を一時間以内で読む時間配分で、合格させてもいいという学生には3点以上の点を付ける。
  • 漢字が間違えているところは、チェックをする。読んで気がついた論旨が違っているとか、少し幼稚かなとか、これは良い掘り下げ方だなとか、実体験書かれていていいな、などには、チェックを入れます。
  • あまり悪いところばかり見ないようにしている。 書いてあることが論理性も良く、観点も良ければ、一つの漢字の誤りをマイナス要因にはしない。
  • 基本的には加点式。
疑問2:小論文の一番重要なポイントってどこ?
  • 「書き出し」と最後の「締め」で文章が決まる。
    書き出ししだいでもっと読みたいと思う。
  • すごくインパクトのある書き出しで、結びも感動まで与えるぐらいの思いを込められた末尾になっていれば、多少もし論理性が強引であったり崩れたとしても、評価する。
  • 同じようなテーマが書かれている中に、めずらしいテーマがあるとそれだけでうれしくなる。
  • 小論文しかで思考力・表現力で見ることが無いわけだから、考えて書いたか、どの程度考える力を持っているかということは、最終的に必ず評価されるので、ある程度よく考えてから書く。
疑問3:小論文で「私」「自分」「僕」 一人称はどれがいいの?
  • 判定する人によって違うと思うが、「僕」は違和感を感じる。「自分」は問題外。
    「私」はいいが、あまり「私」が登場しない文を書いたほうが小論文としてはいい。テーマが「私の身の回りにある」のようなものであればいいが、社会的、一般的なテーマが与えられたにもかかわらず「私」と出てくるのは良くない。
  • 「私は」と書くときは、その人が強く主張しておきたいことが入ると思うので、それはあっても良い。
疑問4:句読点が多すぎるのは減点になるの?
  • 句読点が多いのはワンセンテンスが長いということ。あまり長くない方がいい。
  • 一つの文章に、一つの論旨という、主張を込めるということに慣れてないのかな、という気がする。
  • 普段の会話からワンセンテンスが長い子が多い。それが小論文に反映されてしまっている。
疑問5:一度出てきた単語を「それ」と表現してもいいの?
  • 悪くはないが、分かることが大事。「それ」が何を指しているかということが、文章の中ではっきり分かるようならばいい。
  • 段落が変わってから、違うことをこれから説明しようとする時に、「それ」とすると、混乱する。そういう場合には、短い言葉で言い表せたら、短い言葉に置き換えて書くというのも、一つの書き方。
  • 論理的な文章を書き慣れていないと思っている人は代名詞は使わない方がいい。
疑問6:文字のうまい・下手は影響するの?
  • 志望理由書は十分な時間をもって用意する文章なので、殴り書きは相手に対して失礼だと受け取る年配の先生は多い。誠意を込めてその大学を受けるのであれば、きちっと楷書で、きれいでなくても丁寧に書いたなと思わせるように書いてもらいたい。
  • 字のきれいさは評価に影響しない。字の丁寧さは評価に影響する。
  • うちの大学に本当に来たいのだろうかというのは、字の丁寧さや、彼ら彼女らが志望理由書にかける時間でわかる。
「入試担当者座談会 小論文編」はコチラから。
今日の一言
設計図でブレない小論文を書こう!