番組概要

世界最高峰の理系大学として知られるマサチューセッツ工科大学(MIT)。
これまでデジタル暗号や遺伝子工学など、数々の最先端技術を世に送り出し、 輩出したノーベル賞受賞者は、実に77人を数える。
研究者やエンジニアを目指す優秀な学生が世界中から集まるこのMITで46年にわたって物理学の基礎講義を教えるのがウォルター・ルーウィン教授。

ルーウィン教授にかかれば難解な物理の法則もエンターテインメントに生まれ変わる。天井からロープで吊るされた鉄球にぶら下がって運動エネルギーの法則を証明し、10万ボルトの電圧を帯びて髪を逆立たせながら電気の原理を語る。まるで映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」の科学者ドクを思い起こさせる。

「学問とは楽しくなければならない」。MITの精神そのものを象徴するルーウィン教授の講義。教室は、言わば学生という観客を巻き込んだ壮大な劇場である。そのために教授は、毎回50時間以上かけて授業のプランを練り、空っぽの教室で何度もリハーサルを繰り返し、学生の心をひきつける完璧な講義を組み立てる。

今回は番組のために全8回の特別講義を新たに用意。MITの学生だけでなく、一般の市民にも開放し、初心者にもわかりやすく、物理学の魅力を伝えていく。

ウォルター・ルーウィン教授
ウォルター・ルーウィン Walter Lewin
マサチューセッツ工科大学物理学名誉教授。1936年オランダ生まれ
1966年からMITの教壇に立ち、物理学の基礎講座を教える。

その講座はインターネットのMIT授業サイトで公開され、年間100万ヒットの記録を誇る。その人気ぶりにニューヨークタイムズ紙は2007年に1面で特集し、「世界一有名な大学教養課程の物理学講座」と呼んだ。ルーウィン教授は全世界に熱心なファンを持ち、「高校では物理は苦手でしたが、ルーウィン先生のおかげで今は夢中です」という趣旨のファンメールが毎日のように届く。

毎回時間ピッタリにすべての実験を終え、学生 達の心に「物理への愛」を芽生えさせるための準備をする。全編エンターテイメント、学生の笑いが絶えないのに、教授の話には全くムダがない。ルーウィン教授の講義をひとたび受けると、誰もが物理の世界の美を感じることができるだろう。

著書に「これが物理学だ!」(文藝春秋)がある。