講師からのメッセージ

アラビア語はアラブの人々の言葉です。ではアラブとはどこのことでしょうか?
「大西洋からペルシャ湾まで」というアラビア語の表現があります。この言葉のとおりアラブの国々は、大西洋、地中海、紅海、インド洋に面し、アジアとアフリカの二大陸にまたがっています。生活習慣や食生活も場所によりさまざまです。アラブはイスラム文明の故郷、中心であるだけではなく、メソポタミア・エジプトなどの古代文明、ローマ帝国、キリスト教の遺産が残る地域でもあります。今でもさまざまな宗教・宗派が混在し、ベルベル人、クルド人をはじめとするたくさんの民族が共存する世界がアラブなのです。
アラビア語は歴史上、アラブ世界の枠を越えて、イスラム世界の宗教・学術語としてイラン・トルコ・インド・中央アジアなどでも使用され、漢文・ギリシャ語・ラテン語・サンスクリット語といった世界の古典語の中で唯一今も活力のある言語です。現代においても、二億もの話者人口を抱えた国連の公用語であり、国際社会の中で重要な言語となっています。
このように、一口にアラビア語といっても、空間的にも時間的にも広大な世界です。「アラビアンナイト」の世界のように玉石混交、雑多なものがあふれています。これからアラビア語の世界へ一歩踏み出そうというみなさんの動機や目的はさまざまだと思います。くねくねしたアラビア文字が面白そうだから、男性的なアラビア語の響きが気に入ったから、エジプトやモロッコなど旅先で出会う人たちと言葉を交わしたい、アラブ音楽が好きだから、アラブ文学を原文で味わいたい、アラブの人たちのことをもっと知りたい、などなど。
今、私たちはアラビア語という大きな岩の扉のまえに立っています。
さぁ、「開け、ゴマ!」の掛け声とともに、未知の世界への旅を始めましょう!













