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2月23日 第29回 「チョークアーティスト 稲川ひろみさん(大垣市在住)」

ぎふカルチャー、担当の吉田真人です。

黒板に描く「チョークアート」

このカラフルでポップな犬の看板、黒板に描かれています。
これは「チョークアート」というオーストラリア生まれの芸術です。

チョークアーティスト 稲川ひろみさん

描いたのは大垣市在住の稲川ひろみさん。全国でも数少ない「チョークアーティスト」です。

新しい芸術として日本でも広がっているチョークアートの魅力を、今回のぎふカルチャーでご紹介しました。

チョークアートの魅力を紹介

チョークアートはもともと飲食店などの看板やメニューボードの黒板に絵を描いたのが始まりとされていて、それがどんどん進化し芸術の域まで達したものです。

日本には15年ほど前に上陸した新しいアートなのですが、カフェブームとともにどんどん広がっていきました。

黒板づくり

チョークアートの作業は、なんと黒板づくりから。
木の繊維を固めた板に、細かい粒子が入った特殊な黒い塗料を塗って作ります。
絵の色が定着しやすくなるそうです。

下絵を書き写す

そこにデザインの下絵を書き写し、色を付けていきます。

オイルパステル

使うのは「オイルパステル」という画材。学校などで使うチョークより油分が多く、色が伸びやすいのが特徴です。90色以上そろっています。

何色も重ねていく

ベースとなる薄い色に、濃い色を何色も重ねていきます。

手でこすって混ぜていく

それを指でこすって混ぜていくと・・・

立体感やグラデーションが生まれる

こんなに艶のある立体感やグラデーションが生まれます。

稲川さんはチョークアートの魅力について、「指の使い方しだいで油絵によく似た重厚感もあっさりした軽いタッチも可能で、表現の自由さがある」と言います。
さらに、オイルパステルは使い方次第でいろんな質感を表現できます。

手早くパステルを動かす

例えば、手早くパステルを動かし、あえてかすれさせると・・・

パリっとした皮のフランスパン

パリっとした皮のフランスパンが出来上がります。

トントンと叩くように描く

そして、パステルをトントンと叩くように動かしていくと・・・

リアルな質感が生まれる

ネコのツヤツヤした毛並みが現れます。
顔の凹凸に合わせて毛の流れを描くことでリアルな質感が生まれます。

稲川さんがチョークアートを描くうえで心がけているのは、「食べ物だとおいしそうな部分を強調してよりおいししそう見せ、動物はよりかわいらしく描く」こと。

幼い頃から絵を描くことが好きだった稲川さん。

短大時代に描いた水彩画

とても器用で、水彩画でもこんな写実的な絵を描くほどでした。

パソコンで作業する稲川さん

夢はイラストレーターでしたが、就職したのは印刷会社。
グラフィックデザイナーとしてパソコンを使って広告のデザインを手掛けていました。


「イラストレーターの世界は個性で勝負していく世界で、自分には勝負できるような個性が無い」と一度は描くことをあきらめた稲川さんでしたが、結婚、出産を経て子育てが一段落した5年前、チョークアートの存在を知ります。

得意の写実の力を生かすことができ、大好きな手描きの絵を追求できるチョークアートに心を突き動かされました。

稲川さんは、「今まで携わってきたデザインの技術も生かしつつ、昔、自分が夢見ていた絵を描くこともできるチョークアートは私のためにあるんじゃないかと思えるくらいピンときた」と当時を振り返ります。

描く稲川さん

チョークアートを習い始めると、印刷会社でデザイナーとして培った色彩感覚も大いに役立ち、めきめきと実力を付けていきました。

普段は主婦として忙しい毎日を送っていますが、そうした日常も作品づくりに生きているそうです。

モチーフになりそうなものをカメラに収める

料理の合間も、モチーフになりそうな食材があるとカメラに収めます。
「庭の木々、料理の食材、インテリア・・・全てのものにチョークアートにつながるヒントが隠されている」と言います。

 

そして、稲川さんは、チョークアートを“新しい芸術”として広めたいと思っています。

カルチャースクールで教える稲川さん

おととし、岐阜県で初めてとなる本格的な教室を開きました。20代から50代まで幅広い世代にチョークアートを教えています。

小学校で教える稲川さん

また、地元の小学校でもチョークアートの講習を開くなど、幅広い世代にチョークアートを広める活動をしています。

稲川さんはチョークアートの特性に大きな可能性を感じています。
「年齢問わず誰でも気軽に始められるのが魅力。そのうえで、追求していくと奥が深くていろんな表現ができるという点でアートの入り口としてチョークアートはピッタリだと思う」

黒板から生まれるチョークアート 稲川さんの作品

誰もがなじみ深い黒板から生まれるチョークアート。
あらゆる人が楽しめる身近なアートとしてここ岐阜でも広がっています。

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