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災害(234件)の放送記録

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2024年3月6日(水)

誰も取り残されない復興へ 東日本大震災から13年

家が壊れたのに仮設住宅に入居できない人。故郷を離れ避難先を何度も転々とせざるをえない人。いつまでたっても復興できないのはなぜか?能登半島地震でも翻弄される被災者が目立ち始めています。背景には、国の復興政策が被災者の個別事情に応じた生活再建に十分に踏み込めていない現実があると専門家は指摘します。どうすれば「誰も取り残されない復興」を実現できるのか。どこまでが自己責任なの ...

2024年1月31日(水)

能登半島地震1か月 暮らしの再建は今 輪島朝市の人たちの選択

千年を越す歴史を持つ輪島朝市は地震で300棟が焼失したとされます。その11日後、取材班は輪島朝市に入り、商店や食堂、輪島塗の販売店を営む人たちを取材。120を超える工程がある輪島塗は職人が一人欠けても産業が成り立たず、漁は海底が隆起したため再開できません。厳しい避難生活を強いられる上に、先行きの見通しが立たず故郷に残るか離れるか、選択を迫られていました。八方ふさがりの ...

2024年1月17日(水)

迫る「災害関連死」の危機 能登半島地震・被災者をどう守る

能登半島地震の被災地は今、瀬戸際に。生活環境の悪化や精神的負担などで命をも奪う「災害関連死」の危機。最も多くなるのが発災後1か月以内とされ、どう命を守るのかが喫緊の課題に。災害関連死の概念が生まれたのは29年前の阪神・淡路大震災。圧死などの「直接死」だけでなく、心不全や肺炎といった疾患で命を落とす者も少なくないことが明らかに。当時の経験を携え能登入りした医療チームの闘 ...

2024年1月9日(火)

緊急報告・能登半島地震 拡大する被害の実態

2024年が幕を開けた元日、日本を襲った巨大地震。石川県能登半島を震源とするマグニチュード7.6の地震は、津波、建物倒壊、土砂崩れ、大規模火災など数々の災害を引き起こし、死者・安否不明者など被害が拡大。その全容はいまだ見えていません。現地の緊急取材から1週間、新たに浮かび上がってきた今回の地震の脅威、長期化する避難と被災した人たちの現実、そして求められる支援や課題など ...

2023年8月30日(水)

集団の“狂気”なぜ ~関東大震災100年“虐殺”の教訓~

そこには“殺傷”に関する目撃証言が綴られていた―。関東大震災から間もなく100年。今年、存在が明らかになった当時の小学生の未発表作文集の中に、朝鮮人などの殺傷に関する記述が多数含まれていることが分かりました。当時何が?独自取材で迫りました。映画監督・作家の森達也さんは、かつて千葉県福田村で起きた日本人が朝鮮人に間違えられ殺害された事件に注目し、映画化に挑みました。なぜ ...

2023年6月12日(月)

大水害から命を守れ!“内水氾濫”あなたの街の危険度マップ

大水害からどう命を守る?家族をどう避難させる?いま注目を集めているのが、マンホールや水路があふれる「内水氾濫」の脅威です。最新の分析では、過去の水害でも、川から水があふれ出る前に「内水氾濫」で街が浸水、避難を阻んだことで被害が拡大した可能性が浮かび上がりました。こうしたリスクは、住宅が密集する多摩川流域など、大都市圏にもあるとされます。知られざる内水氾濫のメカニズム、 ...

2023年3月8日(水)

東日本大震災から12年 芥川賞作家・佐藤厚志さんと防潮堤の町を行く

津波に襲われた東北沿岸部にできた総延長400kmの防潮堤。芥川賞作家・佐藤厚志さんとともに防潮堤がそびえる町を縦断。岩手・田老地区では14mの防潮堤で巨大津波の再来に備えていました。かつて、日本一美しい漁村とも呼ばれた宮城・雄勝地区では7割を超える人口が流出。さらには、居住が制限される災害危険区域に今もなお取り残される人々が。防潮堤が建設された“新たな沿岸部”に生きる ...

2023年3月6日(月)

それでも、故郷を残したい 原発事故12年 双葉町の再出発

「最も難しい」とされてきた故郷への帰還が始まりました。福島第一原発が立地し、町の96%を帰還困難区域が占めた双葉町。去年8月に町の中心部で避難指示が解除されましたが、現在町に住むのは60人ほど。 しかし、それでも「故郷を残したい」と願う人々が、避難先から“通う”ことで復興に携わるという動きが出ています。どうすれば故郷を残せるのか。原発事故から12年、自問自答しながら困 ...

2023年2月27日(月)

届かぬ支援なぜ トルコ・シリア大地震

トルコ・シリアを襲った大地震。各国の緊急支援が届き始めた一方、深刻な“支援の空白地帯”も生まれ、巨大災害時の課題が浮き彫りに。その一つがシリア北西部。長引く内戦の影響で数百万人の国内避難民が暮らす反体制派最後の拠点です。「地震で助かった命が、次々に失われている―」。現地のNGOからは悲痛な声が。“見えない被災地”で何が起きているのか?どうしたら支援を届けることが出来る ...

2022年12月12日(月)

“物語”にできることを探して 新海誠監督と東日本大震災

11月に公開され大ヒットを記録するアニメーション映画『すずめの戸締まり』。しかしその一方で、東日本大震災を物語の中核に据えたことに、「実際の災害をファンタジーやエンタメを交えて描いてよいのか」との声も上がり、大きな議論を巻き起こしています。監督の新海誠さんは、なぜ正面から東日本大震災を描いたのか…。「エンタメ作品でこそ、社会的な問題と向き合いたい」と語る監督の思いの深 ...

2022年3月3日(木)

東日本大震災から11年 “あの人と話したい” 福島・請戸小学校の子どもたち

2011年3月、福島県浪江町の請戸小学校に通っていた93人の子どもたち。 東京電力・福島第一原発の事故によって、全国各地に避難せざるを得なくなり、離ればなれになりました。 NHKでは、去年10月、校舎が震災遺構として公開されるのを機に、当時の児童に作文を募集しました。 あれから11年。空白と向き合い、前に進もうとする若者たちの姿を見つめました。

2022年1月18日(火)

緊急報告・トンガ大噴火 現地で何が

南太平洋・トンガで発生した大規模な海底火山の噴火。「1000年に1度」ともされる大規模噴火の全容は未だ見えない。現地トンガはいまどうなっているのか?“観測史上例がない”とされる津波のメカニズムの謎とは?そして最大20キロ近くに達したとみられる噴煙によって、今後、気象に影響は?現地の最新情報、映像、そして専門家の徹底検証によって何が起きているのかを緊急報告する。

2022年1月13日(木)

いまだから語れる“あの日” 阪神・淡路大震災 語り部“新世代”の27年

阪神・淡路大震災当時、子どもだった世代が震災体験を語り始めている。7歳の自分をおいて逝った両親を「恨んできた」という男性。この冬、学校で初めて震災体験を話す。弟2人の焼死体を目にし、その後弟の存在を「隠し続けてきた」という男性は、語り部となり消防団の活動に力を入れている。あの日に生まれた男性は、生きる意味を探し続けてきた27年間を語る。悲しみと向き合いながら、懸命に語 ...

2021年9月21日(火)

盛り土〝無法地帯〟 広がる崩落リスク

26人が亡くなった静岡県熱海市の土石流。不適切な「盛り土」が被害を拡大させた“人災"の可能性が鮮明になってきた。事態を深刻に捉えた国は、盛り土の全国総点検に乗り出したがデータの精度が壁となりリスクを把握することさえ困難な状態に加え、直接規制する法律がないなど対策の限界も浮き彫りに。番組では“無法地帯"と化している盛り土の現状と課題を全国各地で独自に調査し、命を守るため ...

2021年9月15日(水)

宝の山をどう生かす 森林大国・日本 飛躍のカギは

オリンピック・パラリンピックで使用された国立競技場や木造高層ビルなど木をふんだんに使った建造物が増えている。背景にあるのは林業再生を目指す国の政策。法を改正し補助金の仕組みを整えて林業を強力に後押しし、日本の木材自給率を20年間で、かつての約2倍、40%近くまで上昇させた。しかしその裏で問題が起きている。大規模伐採ではげ山が広がったり、山の所有者に無断で伐採する「盗伐 ...

2021年7月13日(火)

「取り残された被災者」を救えるか~ 新たな支援『災害ケースマネジメント』

地震、台風、豪雨-。近年、毎年のように大規模災害が発生している中、住宅や生活再建が進まず「取り残された被災者」の存在が明らかになっている。高齢、障害、病気や生活困窮など様々な困難を抱える被災者が、支援制度を活かせない実態があるのだ。 背景にあるのは災害対応が何十年も前に作られた古い法律に基づき、復興があくまで道路や建物などハード中心なこと。被災者の生活には目が向けら ...

2021年7月5日(月)

カメラが捉えた脅威 緊急報告・熱海土石流

静岡・熱海市で発生した土石流を緊急取材。安否不明者の捜索活動が続き、いまだ被害の全容が見えない。様々な角度からカメラが捉えた映像、間一髪で土砂を逃れた住民の新証言、専門家による現地分析などから土石流の脅威に迫る。 そして、温暖化の影響が西日本から東日本にまで広がり、今後も土砂災害が相次ぐというデータもあり専門家は警鐘を鳴らしている。突如襲い来る災害から、命を守るには ...

2021年6月9日(水)

なぜ増える“浸水エリア”の住宅 ~水害から身を守るには~

ハザードマップで浸水が想定されるエリアに住む人が、全国で20年間に150万人以上増えている。熊本県人吉市の30代夫婦は、去年の水害で命は助かったものの購入したばかりの新居は全壊。浸水想定が最大5mのエリアだったが、不動産会社から詳しい説明もなくリスクを正しく把握できなかったという。一方、浸水想定エリアに建つ都内のタワーマンションでは、水害発生が予測される数日前からの行 ...

2021年3月4日(木)

娘のもとへ 潜り続けて ~行方不明者家族の10年~

東日本大震災で行方不明になった娘を捜すため、58歳で潜水士の資格を取得した父。被災地の海に潜った回数は500回に迫る。町の復興工事が進む一方で、いまなお海底には在りし日の暮らしの痕跡が残っている。母は「思い出が遠くならないように」と、毎日娘との思い出を書き残してきた。10年という月日を家族はどのように過ごしてきたのか。あの日から突然姿が見えなくなった娘を捜し続けた、あ ...

2021年3月3日(水)

原発7キロの喫茶店 ~福島・大熊町 流転と再会の10年~

町の中心地にあった喫茶店レインボー。再開を望む常連客に背を押され、福島第一原発から7キロに建設中の新しい街で、この春再スタートする。かつては商店の店主や農家、原発作業員など多くの人でにぎわった。マスターの人柄と、なにげない1杯のコーヒーが心のよりどころだった人々は、事故後ばらばらになり、当たり前の日常や人とのつながりを失った。震災から10年のそれぞれの日々、そして喫茶 ...

2021年3月2日(火)

追体験 語り部バスの10年

10年前のあの日、何が起こりどんな教訓が残されたのか、そしてそこで暮らす人々は震災とどう向き合ってきたのか。風化が進む中で被災地を走り続けてきた宮城県南三陸町の「語り部バス」のルートを、知られざる写真や映像、CG、そして証言をもとに可視化する。高台にあった中学校を襲った予期せぬ津波の挙動とは?避難先の高台で、大人たちを励ました小学生たちの行動とは?「命を守るために」語 ...

2021年2月25日(木)

“国民1人あたり25万円” 復興予算はこう使われた ~人口減少時代の災害復興~

東日本大震災から10年。総額約32兆円、国民1人あたり25万円ほどの負担となる復興予算はどんなことに使われてきたのか。その多くは防潮堤や土地のかさ上げなどのハード事業だが、被災者の心を癒やしたり暮らしを支えたりするソフトの予算は少額ながらも復興に欠かせないことが見えてきた。今後も巨大地震が起きる可能性が高いとされる日本。「復興予算の10年」の知恵と経験をひもとき、人口 ...

2020年9月8日(火)

台風 新たな時代にどう備えるのか

“最強クラス”とも言われ最大限の警戒が呼びかけられた台風10号。これまで「将来やってくる」と言われてきた「スーパー台風」が日本を襲うようになる時代が現実味を帯びていることを私たちに突きつけた。今回の台風では猛烈な風が吹いたが、今後も同じような風や大量の雨に備えなければいけなくなる。現地で調査にあたっていた専門家などを取材し、最新の知見を伝えていく。また、長期的に見ると ...

2020年7月7日(火)

“梅雨末期豪雨” 命をどう守るか

熊本で多数の死者・行方不明者が出ている記録的大雨。近年、九州北部豪雨や西日本豪雨など7月に大雨が降り「日本は梅雨末期が大きなリスクとなる時代を迎えている」と専門家は指摘する。過去に何度も水害に見舞われ、防災意識が高かった球磨川流域の住民でも避難が難しかった背景に何があったのか?科学的なメカニズムとさまざまな証言を組み合わせ深掘りする。また、コロナ禍での避難のあり方を含 ...

2020年5月13日(水)

新型コロナ 災害避難をどうする

自然災害と隣り合わせの日本。新型コロナウイルスの流行下、避難所のあり方が問われている。災害から命を守るために、緊急的な避難は絶対に必要!しかしながら「3密」状態になりやすい避難所では、過去にも感染症の流行が起こっている。私たちの命を守るために、私たちが今できることは?今回、NHKは実験を行い、避難所の床に溜まる飛沫が感染のリスクを引き上げることがわかった。自治体の中に ...

2020年3月11日(水)

原発事故 避難者の心に何が? 9年目の大規模調査

福島第一原発の事故から9年。避難を続ける人たちの心が今なお深刻な傷を抱えたままである実態が、去年行われた大規模な調査から浮き彫りになった。調査の対象となったのは、福島県浪江町の帰還困難区域・津島地区の住民513人。その半数近くにPTSDの疑い、3割近くにうつなどの疑いがあることがわかったのだ。取材から見えてきたのは、これまで見過ごされてきた「若い現役世代」の苦しみや、 ...

2020年3月10日(火)

家族や知人が支えてくれた震災9年 ~たび重なる逆境の中で~

津波で妻と3人の子どもを失った男性の9年の記録。支えたのは家族や地域の仲間たちだった。しかし、去年は台風被害も・・・。NHKは地震と台風で「二重被災」した事業者にアンケート。家族、友人・知人、地域のつながり、全国からの支援などが被災地の人たちを支えてきたことが見えてきた。災害大国・日本で生きるために大切なことは何か。この9年、被災地の復興に力を入れてきたサンドウィッチ ...

2020年1月30日(木)

“地中が燃える” 豪森林火災の脅威 ~異常気象のリスク~

森林火災による被害が広がるオーストラリア。去年7月以降、およそ30人が死亡し、10億以上もの動物が犠牲になっているとみられている。コアラやカンガルーなどの有袋類やトカゲ、野鳥などオーストラリア固有の野生動物への深刻な影響が懸念されている。火災の背景にあるのが、インド洋で起きる「ダイポールモード現象」。オーストラリア付近の海水温が低くなることで、高温と乾燥を招くが、今回 ...

2020年1月7日(火)

“桜づつみ”と高校生 ~2020・被災地からの問いかけ~

未曾有の水害から復旧半ばで、2020年を迎えた長野市。今、自分に何ができるか悩みながら、復興と向き合う高校生たちがいる。その拠り所が5年前に創作した劇「桜づつみ」。決壊した千曲川の堤防の桜並木を表題に、地域で繰り返す水害の歴史を描いた物語だ。そして再び襲った水害。住民が離ればなれの地域や壊滅したりんご畑をどう再生するのか。力を合わせ乗り越えようとする姿を通じ、災害列島 ...

2019年11月12日(火)

台風19号1か月 被災地からの訴え ~いま何が必要か~

各地で河川が氾濫し、広域に甚大な被害が広がった台風19号。1か月がたった今、被災地は次々と厳しい現実に直面している。冬を目前にして長野や東北に重くのしかかってきているのが「寒さ」。その中で、数多くの人が壊れた自宅の2階での生活を余儀なくされている。さらに東北では東日本大震災との“二重被災”も大きな課題として浮かびあがってきている。これまでにない災害の影響が続く被災地の ...

2019年10月15日(火)

同時多発 河川氾濫の衝撃 ~緊急報告・台風19号~

関東甲信越や東北の広範囲を襲った台風19号。15日午後10時の時点で堤防の決壊は52河川73か所、水が堤防を乗り越える越水はのべ231河川にのぼり、同時多発的に氾濫が起きる異常な事態となった。各地では、雨のピークと決壊のタイミングにズレがあったことなどが浮かび上がってきている。各地の氾濫はなぜ起こり、これほど被害が拡大したのか。そして、なぜ記録的な豪雨が発生したのか、 ...

2019年10月1日(火)

大規模停電のリスクにどう備えるか~検証・台風15号~

台風15号によって広範囲・長期に及んだ大規模停電。復旧にあたって浮かび上がってきた様々な問題を検証していく。大量の電柱が倒壊した背景にあるとみられる想定外のメカニズム。電話や防災無線など、あらゆるものが停電で使えなくなる中、被害状況の把握が遅れる想定外の事態。各地に電源車が入るものの、必要なところに配車されなかった実態。そして、復旧後に襲った「再停電」や「隠れ停電」… ...

2019年9月10日(火)

都市生活はなぜ麻痺(まひ)した? ~徹底検証・台風15号~

関東各地を襲った台風15号を検証、記録的な暴風が都市を「麻痺」させるリスクを最新情報を交えて掘り下げ、どう備えるべきか考える。今回、あらわになった課題がふたつある。鉄道各社が計画運休したにもかかわらず、通勤が大混乱、会社にたどり着くまでに何時間もかかる人が続出したことだ。鉄道会社からは「もはや鉄道だけが運休するだけでは限界がある」と企業の大胆な取り組みを求める声があが ...

2019年7月10日(水)

豪雨被害を拡大!?あなたの町のダムは安全か

“私たちの命を守ってくれるはずのダム”。そのあり方が今、大きく問われている。去年の西日本豪雨で5人の犠牲者が出た愛媛県西予市では、ダムからの放流によって河川が急激に氾濫したことが被害の拡大につながった可能性が指摘されているのだ。取材を進めると、民間企業が管理するダムでは安全対策の議論が長年置き去りにされてきた実態も明らかに。今年も私たちに迫りくる豪雨の恐怖。“ダムがあ ...

2019年4月11日(木)

熊本 復興めぐる“脆弱さ“ 避難続ける人たちの訴え

熊本地震から3年。武田キャスターによる、故郷・熊本からのルポ。益城町の被災者1558世帯のその後の暮らしを追跡したビッグデータの分析からは、通称「みなし仮設」(行政が費用負担し、アパートなどに仮すまい)に暮らす「現役世代」の深刻な実態が見えてきた。首都直下地震や南海トラフ巨大地震においても、被災者支援の大きな柱として位置づけられている「みなし仮設」。熊本地震で浮かび上 ...

2019年3月11日(月)

“初めて”の帰郷 ある被災者の震災8年

東日本大震災の発生から8年。この間、被災地にあるふるさとにずっと帰れずにきた女性がいる。心の中にあったのは、あの日一緒に避難し亡くなった祖父母のこと。震災後上京し東京で働く中でも、なぜ救えなかったかと自らを責め続けてきた。その女性が震災8年を前に、ふるさとに帰る決断をした。ずっと抱え続けてきた思いとどう向き合ったのか。1人の女性の姿を通して、震災8年を見つめる。

2019年3月7日(木)

今も10万か所以上 除染ごみがなくならない

福島県には、原発事故から8年が経つ今も民家の軒先や駐車場などに、緑色のシートに覆われた除染ごみが「現場保管」されている。当初は速やかに対処するとしていたが、10万か所以上残ったままなのだ。さらに国の方針の県外での最終処分のめどがまったく立たない中、国は放射性物質の濃度が一定基準を下回った除染ごみを、道路や防潮堤の建設資材などに「再生利用」する方針を打ち出したが、地元か ...

2018年12月20日(木)

年末スペシャル 本音で迫る!あのニュースの「その先」

クローズアップ現代+年末の特番は73分の拡大版!いま話題になっている、あるいは今年大きな話題になったニュースの「その先」を掘り下げ、新たな演出でお伝えします。パワハラ問題や助成金の流用などで揺れた日本のスポーツ界、東京オリンピック・パラリンピックに向けて何が求められているのでしょうか。地震、大雨、台風・・・視聴者が撮影した迫力映像を最新科学で分析すると、都市ならではの ...

2018年11月27日(火)

復旧できない… 災害多発時代 あの被災地は今

地震、豪雨、台風…今年、日本各地で災害が相次ぎました。その被災地に足を運んでみると…。大阪北部地震で被害を受けた地域では、今も多くの家の屋根にブルーシートがかかったまま。被害の多くは、行政からの支援が比較的少ない「一部損壊」。収入の限られた高齢の世帯などでは、修繕の費用を工面できないのです。さらに、建設業界では、各地の災害への対応に追われ、少ない人材の奪い合いに。必要 ...

2018年9月10日(月)

暴風高潮 恐怖の瞬間 ~台風から身を守るには~

なぎ倒される電柱。飛ばされるマンションの屋根。台風21号による記録的な暴風は、全国100の観測点で最も強い最大瞬間風速を観測。さらに、近畿と四国の6の観測点では、一時的に観測史上最も高い潮位を超えた。今後、台風の勢力が強まっていくという指摘もある中、私たちにその脅威をまざまざと見せつけることとなった今回の台風。各地で記録された映像を改めて検証し、今後起こりうる被害から ...

2018年7月31日(火)

検証・西日本豪雨 ~何が生死を分けたのか~

死者が200人を超え、平成最悪の水害となった西日本豪雨。なぜこれほど多くの犠牲者が出たのか、生死を分けたのは何だったのか、検証する。大規模な浸水のために51人が犠牲になった岡山県倉敷市真備町では、亡くなった人の9割が高齢者だった。行政が避難情報を出すだけでは高齢者を救いきれないという、厳しい実態が見えてきた。また、最も犠牲者が多かった広島県。4年前の土砂災害を教訓に、 ...

2018年7月9日(月)

緊急報告 西日本豪雨 ~被害はなぜ広範囲に及んだのか~

九州から中部にかけて、広範囲にわたる記録的な大雨。数十年に一度の災害を意味する「大雨特別警報」が11府県で出されるなど、かつてない事態となった。今もなお各地で土砂災害や浸水などの被害が続く。大水害はどのようにして起きたのか?なぜこれほどの大雨が広範囲に、長時間、降り続いたのか?今後の注意すべき点は?・・・被災地や専門家への取材、さらには現地から最新状況の中継を交え、記 ...

2018年6月20日(水)

“都市直下地震”露(あら)わになったリスク ~大阪震度6弱で何が~

大阪を襲った震度6弱の地震。現地からの最新情報を交えながら、あらわになった「都市型災害」のリスク、地震発生のメカニズムに迫る。エレベーター数万基が緊急停止し、160基以上で人が閉じ込められる被害が続出。そして、渋滞や交通機関の麻痺が多くの混乱や帰宅困難者を生み出した。番組では少女の命を奪った“ブロック塀”がなぜ放置されてきたのかも徹底検証。各地に危険なブロック塀が多く ...

2018年4月12日(木)

ルポ 熊本地震2年 被災地の“現実”そして“希望”

2年前、震度7の激震に2度も見舞われた熊本。被災地では、今なお厳しい現実が。倉庫や農業用ハウスなどに身を寄せる、いわば“軒先避難”を続ける人々の存在が浮かび上がってきた。一方、地震で傷ついた熊本城では、20年かけて復旧させる巨大プロジェクトがようやく動き出した。戦後最大規模の被害から文化財をよみがえらせる難工事。人々は、熊本城が元の姿を取り戻す日を待ち望んでいる。復興 ...

2018年3月8日(木)

大震災をつづった子どもたち それぞれの7年

東日本大震災。あまりの衝撃に多くの人が言葉を失っていた震災直後に、自分の体験や気持ちを、作文につづった子どもたちがいた。「はじめて見た物は、たくさんの死たい」「夢だったらいいなー」「前みたいにもどってほしい」。クローズアップ現代は、2011年6月、作文を書いた子どもたちを取材。彼らの言葉で語られた震災を記録した。あれから7年。人生で最も多感な時期を、震災後に過ごした当 ...

2018年3月6日(火)

原発事故 “英雄たち”はいま 被ばく調査拒否の実態

7年前、世界最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所。汚染が広がる恐れもあるなか、極めて高い放射線量のもと、収束作業にあたった原発作業員たちがいた。「フクシマ50」とも呼ばれた彼らのように、事故直後の原発構内で作業に当たったいわゆる「緊急作業従事者」の数は約2万人に上る。事故後、国は彼らの健康影響を把握し、将来の放射線防護に役立てるために大規模調査を立ち ...

2017年10月3日(火)

全国最大の“原発訴訟” 責任は誰に?

来週、全国最大の原発訴訟に判決が下される。ふるさとが帰還困難区域となった人、県外に自主避難した人など、立場を越えて団結したおよそ4000人の原告が、国や東京電力の“責任”を問う注目の裁判。最大の争点は「巨大な津波を予見し、事故を防げたかどうか」。東日本大震災より以前に、巨大津波と原発への影響について調べた“新たな資料”も見つかっている。裁判が社会に問いかけるものとは何 ...

2017年6月6日(火)

原発事故から6年 未知の放射性粒子に迫る

福島第一原発事故の際、過去の事故では見つかっていないタイプの放射性粒子が放出されていたことが明らかになった。大きさは1/1000ミリ以下から0.5ミリほど。微細なガラス玉に放射性セシウムが閉じ込められている。水に溶けないため、体内や環境中に長期間、残留する懸念がある。従来、考えられてきた放射性セシウムとは影響が異なる可能性があるという。「さらなる研究が必要」としつつ、 ...

2017年5月24日(水)

「安全なのに売れない」~福島“風評被害“はいま~

原発事故から6年が過ぎた福島。かつては東北有数の米どころだったが、生産量は事故前の4分の3に減少。大きな要因のひとつとされるのが風評被害だ。福島県産の米はすべて放射性物質に関する検査を実施していて、2015年以降、国の基準値を超えるものは出ていない。それにも関わらず、全国平均と比べ安い価格での取引が固定化し、その多くが「業務用米」など、福島県産とわからない形で流通して ...

2017年5月17日(水)

原発周辺の町 あふれる野生動物 ~避難指示解除で何が~

巨大イノシシやアライグマ、そしてキツネ。福島第一原発事故に伴う避難指示解除から1か月あまり、帰還した住民を待ち受けていたのは、住宅街に住み着いた野生動物たちだった。住民帰還を進めたい自治体は新たな対策に乗り出している。町の中では銃を使えないため、専用の罠を設置。さらに浪江町では、家や畑を敷地ごとフェンスで囲うという独自の対策を始めた。避難指示解除の町で何が起きているの ...

2017年4月13日(木)

熊本地震 知られざる“情報爆発”~追跡・SNS2600万件~

1年前の熊本地震。これまでの災害にない事態が起きていた。発災から1週間で地震に関するツイートは2600万件超(東日本大震災の20倍)。いわば“情報爆発”が起きていたのだ。SNS情報によって、命が救われたケースがあった一方で、“善意の拡散”の過程で情報が変化し、救助や支援の現場に混乱を招いていたことが明らかになってきた。熊本地震から1年。今後の災害で必ず起きる“情報爆発 ...

2017年3月9日(木)

震災6年 汐凪(ゆうな)を捜して ~津波と原発事故 ある被災者の6年~

東日本大震災から5年9か月たった去年12月11日、福島第一原発のある大熊町で最後の行方不明者となっていた木村汐凪ちゃん(当時小学1年生)の遺骨が見つかった。汐凪ちゃんの父、木村紀夫さんは、父と妻も津波で失い、唯一行方不明だった汐凪ちゃんを、原発事故に翻弄されながら探し続けてきた。遺骨を前に、「ほっとした反面、もっと早く見つけられたのでは・・・」と小さな安堵と大きな悔い ...

2017年3月8日(水)

震災6年 埋もれていた子どもたちの声 ~“原発避難いじめ”の実態

同級生に150万円もの金を支払わされていたという横浜の中学生。名前に「菌」をつけて呼ばれていた新潟の小学生。原発事故で避難する子どもへのいじめが各地で相次いでいる。“原発避難いじめ”の全体像がわかる統計がない中、 NHKと早稲田大学などによるアンケート調査では、回答した700世帯のうち50世帯あまりが「いじめを受けたことがある」と回答。自殺未遂をはかるなど、深刻なケー ...

2016年9月1日(木)

“常識”が通用しない!?~徹底検証・台風“異変”~

“異例”の動きをみせた台風10号。観測史上初めて東北に直接上陸、北海道・岩手に記録的大雨をもたらし、氾濫や堤防の決壊が相次いだ。31日の時点で、岩手で11人が亡くなり、北海道と岩手であわせて5人が行方不明になる等、被害が広がっている。岩手県岩泉町のグループホームでは、施設のお年寄り9人が亡くなった。被害は防げなかったのかを検証すると共に、今後も台風が上陸することが予想 ...

2016年8月29日(月)

台風“異変” 迫る脅威

“異例”の動きをとる今年の台風。いま何が起きているのか!? 非常に強い勢力を保つ台風10号。西にむかいながら、進路を東寄りにかえ、Uターンするという複雑な動きをみせている。また、北海道では、わずか一週間で3つの台風が立て続けに上陸、大きな被害を出した。なぜ、こうした“異変”が起きているのか。専門家の分析で、メカニズムを徹底解明するとともに、新たな取り組みを始めた防災 ...

2016年7月14日(木)

地震列島“新たなリスク” ~南阿蘇からの警鐘~

熊本地震から3カ月。地震列島・日本に新たなリスクが浮かび上がっている。地震の揺れで“ポジティブフィードバック”と呼ばれる現象がおこり軟弱地層から地下水が湧出、さらに崩れた山肌を豪雨が襲うことで緩い斜面でも土砂崩れが引き起こされる「複合災害」のメカニズムが明らかになってきたのだ。全国各地にこうした危険地域が点在していることも明らかに。新たなリスクの中で苦悩する被災地を見 ...

2016年4月26日(火)

5万人避難 命をつなげ~“連鎖”大地震 最新報告~

活発な地震活動が続く熊本、大分。今も多くの人が避難生活を送る被災地では、次々と新たな問題が持ち上がっている。避難生活による疲労や持病の悪化、なかでも、車中泊を続ける中で、エコノミークラス症候群になる人が増加しており、命の危機に陥る人も少なくない。また、衛生面での問題も深刻化している。南阿蘇村の避難所では、下痢やおう吐の症状を訴える人が相次ぎ、ノロウイルスも検出された。 ...

2016年4月21日(木)

孤立した村で~“連鎖”大地震・最新報告~

世界一のカルデラをいただく豊かな自然の中で1万1000余の人々が暮らす熊本県南阿蘇村。16日未明に発生した熊本地震の「本震」で甚大な被害を受けた。人や物の行き来の中心だった阿蘇大橋が崩落するなど、交通ルートの多くがいまも遮断されたままだ。 孤立を強いられる村。人々は、余震の恐怖に苦しめられながら、いのちを守るための“闘い”を続けている。番組では、自らも被災者となりな ...

2016年4月19日(火)

いつ自宅に戻れるのか〜 “連鎖”大地震・建物倒壊の衝撃〜

マグニチュード6を超える揺れが連鎖的に襲い被害を拡大させている熊本を中心とする今回の大地震。最初の揺れに耐えた住宅が、2度3度目の揺れで倒壊した ケースが相次いだ。14日に起きた震度7の地震後、現地調査に入った愛媛大の森伸一郎准教授は、その後の本震で倒壊した住宅の状況から、最初の揺れで建物の耐震 性が大きく変質し、その後の倒壊を引き起こしたと見ている。 阪神淡路大 ...

2016年4月18日(月)

“連鎖”大地震 いのちの危機 ~現場からの最新報告~

九州地方を襲った直下地震。14日に熊本県益城町で震度7の激しい揺れを観測する地震が発生、16日未明にはマグニチュード7.3と最初の地震を上回る規模の地震が発生した。その後も激しい揺れの地震が連鎖的に続く中、住民たちは、不安を抱えながら避難生活を余儀なくされている。番組は、最初の地震発生からの4日間を徹底ドキュメント、住民たちや医療の現場、そして緊急消防援助隊に密着し、 ...

2016年3月10日(木)

シリーズ東日本大震災 大切な人を失って ~20歳 それぞれの旅立ち~

東日本大震災のとき、中学3年生だった若者たち…。それから5年がたち20歳になった。気仙沼市の階上(はしかみ)中学の3年生だった生徒は57人。小さい頃からいつも一緒で家族のような付き合いをしていたが、3人が津波で犠牲になった。直後に、避難所だった体育館で開かれた卒業式では、「天から与えられた試練というには、あまりにもむごすぎるものでした。それでも恨まず生きていきます」と ...

2016年3月8日(火)

シリーズ東日本大震災 浪江町民 それぞれの選択

原発事故によって、全住民が避難を強いられている福島県浪江町。番組では震災直後から、町の復興をめざす商工会メンバーらを取材。5年間、折に触れてその姿を記録し続けてきた。「全町民帰還」を掲げ結束した1年目。「帰還」か「避難先への定住」かで揺れた3年目。そして5年目の今は、来年3月の避難指示解除の方針が示され、町民は改めて「選択」と「決断」を迫られている。多くの町民は、早期 ...

2015年6月1日(月)

間近に迫った火砕流 ~緊急報告 口永良部島噴火~

爆発的な噴火を起こした鹿児島県の口永良部島。噴火直後に火砕流が発生し、海岸線にまで到達した。気象庁は、噴火警戒レベルを3(入山規制)から、5(避難)に引き上げ、町は全住民に避難指示を出した。レベル5に引き上げられたのは、気象庁が平成19年に噴火警戒レベルの仕組みを導入して初めてのことだ。口永良部島では、去年8月にも噴火があり、警戒態勢が続いていた。観測が強化され、住民 ...

2015年5月20日(水)

活発化する火山 “共生”への模索

火山活動が活発化している神奈川県の箱根山。先月26日以来火山性の地震が相次ぎ、今月6日には、噴火警戒レベルが「2」に引き上げられた。NHKは、地元の専門家の協力を得て、箱根山の地下で何が起きているのか、その実像に迫る。長期化も懸念される中、日本有数の観光地は、今回の事態にどう対処していくのか難しい対応を迫られている。多くの活火山を抱え、その恵みも受けてきた日本。戦後最 ...

2015年3月11日(水)

“帰りたい… 帰れない…” ~福島の避難者 それぞれの選択~

「すぐに故郷に帰れる」と信じて避難生活を始めて4年目。未だ避難を続けている人は23万人余り、そのうち福島県の避難者は半数を超える。震災1年目には「故郷に帰りたい」と希望していた人が4割ほどだったが、今年の調査では「帰りたい」人は1~2割にとどまった。原発事故の避難区域では、故郷への帰還をあきらめて、自宅を解体する人たちが相次いでいる。大きな理由は、避難先に暮らしを築い ...

2015年3月5日(木)

子どもの心が折れていく ~震災4年 被災地で何が~

震災直後、深刻な被害を受けた被災地の子どもたちに急増したPTSDなどの心の病。時間の経過とともにそうした症状は改善傾向にあったが、4年経った今、別の形で異変を訴えるケースが出てきている。その背景にあるのが、子どもたちの「頑張り疲れ」。家族を心配させたくないと、自らの心の傷を封印し、頑張ってきた子どもたちの心が限界に達しはじめているのだ。また、震災の恐怖を言葉にできなか ...

2015年1月15日(木)

取り残される“働き盛り” ~阪神・淡路大震災20年~

阪神・淡路大震災から20年、NHKではこれまで継続的に行ってきた被災者・遺族へアンケートを改めて実施。寄せられた928の回答からは、20年経った今被災者が直面する現実が浮かび上がっている。震災当時“働き盛り”だった世代が、いま経済的な困窮に陥り、さらに“心の復興”も実感できずにいるのだ。当時、“働き盛り”世代は、自力で自宅や事業を再建することを求められた。定年前後の年 ...

2014年10月22日(水)

新しい“ふるさと”へ ~新潟県中越地震 10年目の模索~

死者68人、12万人を超える避難者を出した新潟県中越地震から今月23日で10年となる。最大震度7、被災したのは高齢化と過疎が進む中山間地だった。あれから10年、大きな被害を出した旧山古志村は人口が急激に減少。特に20-40代の流出が顕著だった。ある集落は集団移転を決断するなど、地域の姿は大きく変わった。一方で、NPOなどの力を借りながら、行政に頼らない“地域のカタチ” ...

2014年9月29日(月)

緊急報告 御嶽山噴火

紅葉シーズンの週末、多くの登山客が訪れる中、突然噴火した御嶽山。大きな被害が出ている。噴火の時、現場では何が起きていたのか、当時山頂付近にいた登山者などの証言から、その様子が次第に明らかになってきた。また、今回の噴火がどのようなメカニズムで起きたのか、そして、噴火をあらかじめ予測することはなぜ難しかったのか、専門家の読み解きを交え、最新の情報を詳しく伝える。

2014年9月9日(火)

土砂災害 命を守る避難

70人以上の命を奪った広島の同時多発土砂災害。山沿いまで開発された市街地を崖崩れや土石流が飲みこみ、都市も土砂災害の危険に直面していることを痛感させられた。わずか3時間で平年の1ヶ月分に相当する雨に襲われた広島市、実は、土砂災害に備えるために避難勧告を出す判断基準を決めていた。ところが、今回その基準を超える雨が降っていたにもかかわらず、勧告が出るまで2時間以上がかかり ...

2014年8月27日(水)

原発事故 住民の安全どう守る

川内原発の再稼働への“合格通知”となる規制委の審査書が、9月にも正式決定される見込みだ。しかし、地元では避難計画をめぐり混乱が起きている。自治体が作った計画を、住民が検証したところ、十分な避難スペースがない、スクリーニングの詳細が決まっていないなど“漏れ”が見えてきたのだ。30キロ圏では、発言権もないまま計画策定を求められ、不満を表明する自治体もでている。日本では国が ...

2014年7月7日(月)

原発新基準 安全は守られるのか

政府が「世界で最も厳しい」としている日本の原発の新規制基準。優先的に進められている九電・川内原発の安全審査が大詰めを迎えている。地震・津波対策など“ハード”の整備は行われてきたが、一方で、緊急時に作業員がどう対応するかなど“ソフト”は、十分ではないと指摘されている。マニュアルにない事態でどう動けばいいのか、福島原発の事故で注目された「所長の能力や権限」をどうすればよい ...

2014年5月29日(木)

原発事故の"指定廃棄物" 行き場はどこへ

原発事故で放出され、12都県に広がった放射性物質を含んだ大量の「指定廃棄物」。国の責任の下、「各都県内」で処理を進める原則が決定されたが、最終処分場の候補地選びは難航を続けてきた。栃木と茨城では国の指名に自治体が猛反発し、白紙撤回に。そこで国は、選定の条件を明示しながら、風評対策費等50億円まで計上するなど、新たな方法で候補地絞り込みを進めている。いま「先行事例」とし ...

2014年3月12日(水)

“仮の住まい”のはずなのに… ~被災地 震災4年目の課題 ~

1100世帯が暮らす被災地最大の仮設住宅・開成団地(宮城県石巻市)。NHKでは住民たちに3年続けて聞き取り調査を行ってきた。今回、大きな特徴として浮き彫りになったのが、仮設での暮らしが長期化しいつ出られるか目処が立たない、いわば「仮設が常設化」してしまうという悩みを持つ住民が増えていることだ。高台への移転や災害公営住宅の建設が思うように進まない中、3年にわたり「避難生 ...

2014年3月5日(水)

原発事故にどう備えるか 検証 避難計画

東京電力福島第一原発事故から3年。福島県では、事故直後の避難やその後の不自由な生活で体調を崩し亡くなった人が1600人を超え、地震や津波による直接死を上回った。再び原発事故が起きた時、住民を安全に避難させることはできるか。原発の再稼働に向け準備が進められる一方で、国は、避難地域を拡大、住民を段階的に避難させるなど新たな指針を定めた。しかし被災者1万人アンケートからは、 ...

2014年2月26日(水)

”よりどころ”はどこに? ~原発避難から3年・浪江町の選択~

福島原発事故から3年。避難住民は、ふるさとへの帰還か、町外への移住かの大きな決断の正念場を迎えている。背景にあるのは、昨年末に国が打ち出した避難者支援と賠償の方針だ。これまで前提としてきた「全員帰還」を転換し、帰還困難で別の土地への移住を選ぶ人たちに賠償を行う。それに表裏して除染の完了目標時期も数年単位で遅らせる計画が発表された。否応なしに避難住民の「帰還しない」とい ...

2014年1月22日(水)

故郷はどうなる 除染廃棄物に揺れる福島

福島第一原発の事故を受けて、福島県内で行われている除染で出た土などの放射性廃棄物をどこに置くのか。大きな「決断」を被災地に迫る要請が昨年末、国から出された。「中間貯蔵施設」の建設要請だ。国は地元が受け入れれば、放射線量が高く長期間帰還が見込めない帰還困難区域を抱える双葉町や大熊町など周辺3町に、19平方キロメートルに及ぶ土地を国有化すべく用地買収の交渉を開始する。住民 ...

2013年11月18日(月)

フィリピン巨大台風の衝撃

ことし最も強い勢力となった台風30号の直撃を受けたフィリピン。中部レイテ島などが、猛烈な暴風雨と高潮に襲われ、死者1万人とも言われる壊滅的な被害が出ている。被災地では、ようやく国際的な支援が本格化しているが、交通網が寸断されているため、食料や医薬品など物資を人々に届けられない厳しい状況が続いている。瞬間風速90メートルという竜巻なみの暴風雨に加え、高さ4メートルを超え ...

2013年7月11日(木)

激増する野生動物 ~福島の生態系に何が~

東京電力福島第一原発事故から2年余り。人が全く住まない空間が生まれた結果、周辺地域では人が手入れしていた田んぼや畑は草が生い茂り、ネズミやイノシシなど野生動物が急増している。家屋や農作物への被害は深刻で、除染が進みようやく住み慣れた家に帰れると思っていた人の中には、帰還をあきらめる人も出ている。しかし、その駆除には限界があり、対策には課題も多い。事態を重くみた福島県は ...

2013年5月15日(水)

1000年後の命を守るために ~どう伝える 震災の教訓~

東日本大震災の教訓を未来に伝えるために、津波被害を受けた建物など「震災遺構」を保存しようとする動きが各地で起きている。しかし、保存には悲しみを思い出したくないという遺族感情への配慮や、保存の費用をいかに捻出するかなどの課題があり、簡単ではない。遺構の多くは、撤去費用の予算が切れる年度末の3月で取り壊された。こうした中、住民と行政が話し合いを重ね、一部保存を決めたケース ...

2013年4月23日(火)

あふれる汚染水 福島第一原発で何が

今月、相次いで起きた東京電力・福島第一原発の汚染水漏えい。新たに造られた地下貯水槽から高濃度の汚染水が漏出し、移送する先のタンクが足りなくなる懸念が生じている深刻な事態に直面している。原因を探ると、福島第一原発では毎日400トンずつ増える汚染水の保管に振り回され、地下貯水槽からの漏えいのリスクについて、東京電力も、監督・規制する側の国も見落としていたことが明らかになっ ...

2013年3月7日(木)

被災地1000人の声 ~震災2年アンケート~

震災直後からNHKが7回に渡って行ってきた被災した方へのアンケート。震災2年を迎える今回は1000人を超える方に大規模アンケートを実施した。その結果、被災地の厳しい現実が浮かび上がってきた。「復興が遅れている」「復興が進んでいる実感が持てない」と9割近くが回答。さらに新たな問題として浮き彫りになったのが「家族関係の悪化」だ。経済的困窮や生活再建へ決断を迫られる中で家族 ...

2013年2月18日(月)

ロシア隕石落下の衝撃

ロシア中部に落下した隕石。上空爆発時の威力は広島型原爆の30倍にのぼるとみられ、4500棟の建物が破損、ガラスの破片などで1100人が重軽傷を負うという、前例のない人的被害をもたらした。被害エリアは広範囲に及んでいることも判明。新たな目撃証言や映像の解析から、「超音速のスピード」「浅い突入角度」など、巨大な衝撃波を生みだす“条件”を整えた隕石だったことが明らかになって ...

2013年2月4日(月)

原発と活断層 規制委調査の波紋

各地の原発で断層の調査を進めている国の原子力規制委員会の専門家会議。福井県の敦賀原発について報告書の案を示し、「2号機の真下を走る断層は、安全側の判断として活断層である可能性が高い」と結論づけた。規制委が報告書をもとに、最終的に「運転再開を認めない」と判断すれば、去年9月の発足以来、初めて原発の運転を制限するケースになるとして、注目されている。今回の調査で、なぜ、活断 ...

2013年1月30日(水)

原発事故 進まない“不動産賠償”

福島第一原発の事故による史上最大規模の損害賠償。その遅れから多くの被害者が新たな生活に踏み出せずにいる。最大の理由は土地や住宅など不動産賠償が始まらないことだ。今月、「福島復興本社」を立ち上げた東京電力。不動産の基準については半年前に発表したものの、対象となる住宅は少なくとも3万5千件。膨大な個人情報をどう処理するのか、まだ基準による線引きで個人や自治体間に生じる「賠 ...

2012年12月11日(火)

“震災漂流物”154万トンの衝撃

東日本大震災の津波によって流されたガレキ“震災漂流物”。11月、国は衝撃的な漂流予測を発表した。これまでアラスカやカナダなどに漂着し話題を集めたサッカーボールやオートバイ等はまだ序章に過ぎず、12月から本格漂着が始まるというのだ。しかもこれから漂着するのは、倒壊家屋や破損した船など、いわば“ガレキ本体”154万トン。警戒感を強める現地を取材すると、すでに“序章”の段階 ...

2012年11月21日(水)

原発直下に活断層? 問われる国の判断

いま、全国で唯一稼働している大飯原発で、破砕帯と呼ばれる断層の調査が進められている。原発直下にある断層が動いて地盤にズレが生じ、原発に大きな被害を与える可能性があるというのだ。国の原子力規制委員会の専門家グループによる現地調査では、活断層の可能性がある地層のズレが確認され、これまでの電力事業者任せの調査の限界が浮き彫りになった。また、この問題の背景には、これまで情報を ...

2012年11月5日(月)

原発作業員が去っていく 福島第一原発“廃炉”の現実

史上最悪レベルの事故を起こした東京電力福島第一原子力発電所。廃炉を終えるまでには40年もの歳月が必要とされている。いま、この現場で働く作業員をめぐって深刻な事態が起きている。国や企業の定める放射線の被ばく限度に近づき、仕事を続けられなくなるケースが続出。待遇の悪化で原発を去る作業員も相次いでいる。国家的な課題「廃炉」を担う人材をどう確保していくのか。現場の実態を検証し ...

2012年9月11日(火)

原発避難解除はいつ 苦悩する町と住民

福島第一原発の事故から一年半、被災自治体の復興が壁に直面している。高線量で居住困難となるエリア(双葉町、浪江町等)では、「仮の町」への移住を掲げるが、いつになるか見通しは立たず、低線量で帰還可能とされたエリア(南相馬市、飯舘村等)でも、除染に不安を持つ若い世代が帰還を躊躇している。住民の心身は、他に例のないほど追い詰められている。こうした中、5年帰らない方針を4自治体 ...

2012年9月10日(月)

震災不明者を家族のもとへ ~密着“似顔絵”捜査~

2848人…東日本大震災の被害の甚大さを物語る行方不明者数。遺体が発見されても損傷が激しく、身元特定は日に日に難しくなっている。最も不明者の多い宮城県では県警本部が去年11月特別捜査班を設置、17人の捜査員が必死の作業を続けている。中でも効果を発揮しているのが「似顔絵」。ベテラン捜査官が生前の穏やかな表情を遺体から推定して描き公開したところ、次々に身元確認につながって ...

2012年7月18日(水)

警報は生かされたのか 九州北部豪雨災害

九州北部を襲った記録的な大雨、熊本県阿蘇市では大規模な土砂崩れなど発生し、23人が亡くなり2人が行方不明となっている。(17日現在)予測の難しい大雨からどのように身を守るのか。気象庁は今回初めて、わかりやすいフレーズを使って避難を促す試みを行った。こうした情報は自治体や住民にどのように伝わり、避難に結びついたのか。番組では被害の実態を探るとともに防災情報の役立て方を検 ...

2012年6月20日(水)

“里山”汚染メカニズムを解明せよ ~福島農業・2年目の模索~

原発事故から2度目の田植えを迎えた福島。この春、農家たちが特に不安を抱いていたのは、周囲の山林から水田に入り込む水による汚染。水による汚染は防ぎようがないと、今年の稲作りを断念した集落も出る一方、山から水田へ放射性物質が入るのを防ごうと、自力で模索を続ける農家たちもいる。こうした中、今、東大や新潟大学など多くの研究者たちが、去年春には問題ないとされたにも関わらず秋にな ...

2012年6月18日(月)

原発運転再開“政治決断”を

“安全に絶対はない”という教訓を残した福島第一原発事故から1年3か月余り。政府は関西電力大飯原発3・4号機の運転再開を決定した。電力不足への懸念の一方で安全への不安…国論を二分する中での判断となった。脱原発依存を目指すとしてきた野田総理大臣は「原発は重要な電源」と明言し、原発の運転再開に理解を求めている。事故を経験した日本は、原発とどう向き合っていくことになるのか。細 ...

2012年4月25日(水)

始まった住民帰還 ~福島・川内村の模索~

原発事故後、役場ごと避難していた福島県川内村。今月から役場や学校、診療所などを村に戻し、住民に帰村を促す“全村帰還”に取り組んでいる。遠藤雄幸村長の「必ず故郷を取り戻す」との決意のもと、避難区域の自治体でさきがけとなる取り組みだ。この呼びかけに応じるなどして現時点で村で暮らしているのは、村民3000人のうちおよそ500人だが、多くの課題に直面している。放射線への不安に ...

2012年4月5日(木)

どうする原発 運転再開 不安は解消されるのか

東京電力福島第一原発事故を受けて、政府が原発の安全性を確かめるために導入した「ストレステスト」。3月23日、原子力安全委員会が関西電力大飯原発3、4号機の結果について、事実上容認した。今後、政府が地元の理解を得て、運転再開の判断をすることになる。ところが地元の福井県では、地域経済のために運転再開を求める声がある一方で、「福島第一原発の事故の教訓がまだ生かされない」との ...

2012年3月1日(木)

震災データマップ 記録が語る新事実

東日本大震災からまもなく1年。この震災では、国や自治体、研究機関などがかつてない膨大な被災情報を調査し記録した。約2万人もの死者・行方不明者。40万人もの避難者。その被災の状況や、避難場所、1年の動きなど、様々なデータは1人1人の人生そのもの。NHKでは集めたデータを分析しデータマップを作成。津波での被害は地域ごとどう違うのか、被害の差をうんだ背景は何か。40万人の避 ...

2012年2月29日(水)

“原発情報”クライシス ~日本は何を問われたか~

福島第一原発事故からまもなく1年。外交の研究者や元検事総長など民間の専門家集団からなる「民間事故調」は、独自の事故調査報告書を2月末に公表する。報告書は、政権中枢の政治家に加え、海外の要人など300人ものヒアリングを実施。専門家ならではのネットワークを活かし、米エネルギー省長官や米原子力規制委員会(NRC)高官などの聞き取りを行い、これまで知り得なかった原発事故に対す ...

2012年2月23日(木)

マンションを救えるか ~見直し迫られる地震保険~

東日本大震災で過去最高の1兆2000億円が支払われた地震保険。新規の加入者が増え続けている。しかし今、査定に対し、被災したマンションの住民から様々な不満の声があがっている。査定の対象となるのは柱や梁など、建物の「主要構造部」の被害のみ。生活に不可欠なエレベーターや高架水槽などの設備の損傷が大きくても「主要構造部」に被害がなければ保険金は全く出ない。また、査定の区分が三 ...

2012年1月23日(月)

原発賠償 遠い生活再建

東京電力福島第一原発事故の損害賠償。手続きの開始から4か月、被害者からは東京電力の賠償が十分ではなく、生活再建ができないという声が高まっている。「土地や自宅の賠償が保留され新しい家が買えない」「働くとその利益分、賠償金が減額される」など様々な不満が浮かび上がる。そうした中、注目されるのが国の「原子力損害賠償紛争解決センター」。第三者の弁護士が被害者の個別事情に応じて賠 ...

2012年1月19日(木)

予測できなかった超巨大地震 苦悩する地震学者たち

『地震学は敗北した』。東日本大震災発生後、はじめて開かれた10月の日本地震学会のシンポジウムは、異例の“敗北宣言”で幕を開けた。世界最高水準を自負してきた日本の地震学は、なぜマグニチュード9.0の大地震を予測できなかったのか。研究者に動揺が広がっている。阪神・淡路大震災の後、大地震の長期予測に向け、力が注がれた地震のメカニズム研究。大陸の下に潜り込むプレート境界面にあ ...

2012年1月17日(火)

子どもが語る大震災(2) ぼくらは大津波を生きた

釜石市沿岸部にある釜石小学校。3月11日、年度末の短縮授業で児童はいつもより早く下校し、家でゲームをしたり、友だちと遊んだりするなど、大人の管理下を離れて自由な時間を過ごしていた。大津波にのまれる町を目撃した親や教師たちは、「子どもたちはもうだめ・・・」と覚悟を決めた。しかし子どもたちは大人の予想をはるかにこえる行動をとっていた。防災学習の知識をいかし自力で安全な場所 ...

2012年1月16日(月)

子どもが語る大震災(1) 高校生が伝える福島

東日本大震災で被災した状況を自ら記録し続けている高校生たちがいる。福島県立原町高校放送部の生徒たちだ。原町高校は福島第一原発から30キロ圏内の南相馬市にあり、震災直後から学校は閉鎖。5月に2か所の「サテライト校」に分かれ授業は再開したが、転校を余儀なくされた生徒も全校の半数に及ぶ。放送部の2年生7人は震災と原発事故に翻弄される自分や家族の姿を記録。ドキュメンタリー作品 ...

2011年11月9日(水)

どう避難をうながすか 変わる大津波警報

わずか3分程で津波の高さを予測する気象庁の警報システムが、東日本大震災では、実際よりも遙かに小さな予測値を伝え、多くの人々を危機にさらした。検証からは、巨大地震の際には、迅速さと正確さを両立させようとする事が、かえって危険につながるという限界が見えてきた。気象庁では、今、M8以上の地震では、科学的な根拠が薄くても、「巨大」などの表現を使い、警報を出す事を検討している。 ...

2011年11月8日(火)

放射性物質を減らせ ~福島・限界に挑む農家たち~

福島県内の農家たちが、国や自治体に頼らず、自ら放射能汚染の測定と農地の除染に取り組み、農業再生を図ろうと立ち上がった。カリウムやゼオライト、ホタテ貝の粉末など「除染」に効果があるとされる五種類の試験資材を土に散布し、綿密にデータを取り続ける須賀川市の農業生産法人。研究者チームと組んで、土の成分の構成による汚染の実態を明らかにし、水の浄化や土壌改良で、安全な作物が作れる ...

2011年10月31日(月)

どうなる福島のコメ ~安全宣言は出たものの~

今月中旬、全部で1700か所に及ぶ放射能検査を終え、「安全宣言」が出された福島のコメ。しかし、県内のコメ仲買業者の倉庫には、売り先の決まらない新米が次々と運び込まれ、山積みにされている。例年なら収穫前に契約を交わしていた得意先が、ことごとく取引中止を表明したためだ。汚染された福島産牛肉の流通が発覚して以来、全国に広がる「福島産」敬遠の動き。西日本の業者は「福島の米はタ ...

2011年10月13日(木)

避難の情報が伝わらない 検証 台風12・15号

100人を超える死者・行方不明者を出した台風12号・15号。記録的豪雨が相次ぐなか、避難勧告・指示のあり方が改めて問われている。先月の台風12号では、紀伊半島で避難勧告・指示が出ていなかったり、発令が遅れた地域で犠牲者が多かったことがわかってきた。台風15号では、名古屋市が100万人以上に避難勧告を出したが、住民に伝わらなかったりして、浸水地域に取り残される人が出るな ...

2011年9月14日(水)

巨大津波が小学校を襲った ~石巻・大川小学校の6か月~

東日本大震災で多くの児童が犠牲になった小学校がある。巨大津波によって全校児童108人のうち、74人が死亡・行方不明となっている宮城県石巻市立大川小学校。地震発生から避難準備を開始、津波が到来するまでにおよそ50分の時間があったにも関わらず、高台への避難の途中に、子どもたちは津波に襲われた。なぜ、幼いいのちがこれほどまでに失われたのか。二度とこのような痛ましい事態を起こ ...

2011年9月7日(水)

町をどう存続させるか ~岐路に立つ原発避難者たち~

震災から半年、原発事故で被災した自治体で、町の将来を巡り激しい議論が起きている。放射性物質による深刻な汚染が明らかになった浪江町では、故郷への帰還を目標に掲げる役場に対し、商工会青年部を中心とする子供を持つ若い経営者たちが異議を唱え、敢えて、『故郷には戻らない』と宣言。放射線の脅威がない“代替地”に結集し、いち早くコミュニティの再生をはかるべきだと主張しはじめた。町民 ...

2011年9月6日(火)

止まない雨 ~緊急報告 紀伊半島豪雨~

多数の死者・行方不明者を出し、甚大な被害をもたらした紀伊半島の豪雨。被災した住民への取材から、想定外の事態が次々と起きていたことが明らかになってきた。一気に増水して、避難する間もなく家を流されたと証言する住民。土砂崩れの現場では、県が指定した危険な範囲を大きく上回る斜面が崩壊していた。なぜ被害は拡大したのか。避難態勢は十分だったのか。現地からの緊急報告。

2011年8月31日(水)

ふるさとで産みたい ~福島・妊婦と医師の模索~

原発事故に揺れる福島県南相馬市の産婦人科医、髙橋亨平医師(72)。病院のある地区は普通の生活が認められているものの、国は「妊婦や子どもはできるだけ避難を」と呼びかけている。しかし、避難所を転々として体調を崩した妊婦たちが高橋医師を頼って次々戻っており、放射線とともに暮らさざるを得なくなっている。この土地で産んでもいいのか、無理をして再び避難すべきなのか…妊婦たちの苦悩 ...

2011年8月1日(月)

福島を生きる 詩に刻む被災地の言葉

「放射能が降っています。静かな 静かな 夜です。」 震災の体験をストレートな言葉で表現した詩をツイッターに発表し、注目を集める福島在住の詩人・和合亮一さん。いま、同じ福島で被災した人々を訪ねて話を聞き、詩を作る作業を進めている。被災者が心の奥に閉じ込めた言葉を掘り起こし、詩で震災を記録しようというのだ。さらに、被災者との会話の中に見つけた「前向きな言葉」を詩で表現し ...

2011年7月14日(木)

“原発被害者”進まぬ救済

東京電力福島第一原発の事故による被害者救済は「原子力損害賠償法」に基づいて行われることになっている。しかし賠償の時期や範囲、金額、また情報提供を誰が行うかなどは具体的に決められていない。現在、「原子力賠償紛争審査会」が賠償に向けた“指針作り”を進めているが、全国に避難した被害者には情報が行き渡らず、また賠償の遅れから経営が追い詰められる農家も増えている。さらに、避難指 ...

2011年7月13日(水)

検証 自衛隊 史上最大の災害派遣

全隊員のおよそ半数にあたる10万人態勢で被災地の支援にあたった自衛隊。人命救助から生活支援まで幅広い活動を行い、存在感を高めてきた。しかし活動が長期化する中で、自衛隊に対する期待と要望は日に日に拡大。避難所への支援物資の配送や遺体の埋葬など、本来は自治体が行うべき業務を引き受けるケースが相次いだ。一方、原発事故を巡っては、想定も訓練もしていなかった任務を求められ、自衛 ...

2011年7月11日(月)

携帯がつながらない ~災害時の備えは~

「電話がつながらない」「メールが届かない」。東日本大震災では、多くの人が携帯電話で家族や知人の安否を確かめたり救助を求めたりしようとしたが、通信網が麻痺し、混乱と不安が広がった。原因は、通話が殺到したことによる通信規制と、停電による基地局の電源喪失。しかし、被災地でも地震発生から数時間、かろうじて通信が可能だった時間帯があることが分かってきた。今後、その時間をどう延ば ...

2011年7月5日(火)

密着 女川災害FMの3か月

被災地で開局が相次いでいる臨時災害FMラジオ局。その数は過去最高の26局にのぼる。炊き出しや交通機関の復旧状況など、マスメディアではカバーしきれない身近な情報を放送している。その取材やアナウンサー役を担っているのは被災者自身だ。町のおよそ3分の2が津波によって壊滅した宮城県女川町で災害FMを立ち上げたのは10代から30代の若者たち11人。中心メンバーは、「津波で引きこ ...

2011年6月27日(月)

震災遺児をどう支えるか

東日本大震災で親を亡くした「震災遺児」。「あしなが育英会」の調査で、その数は阪神・淡路大震災の時の2倍を大きく上回ることが明らかになった。今回NHKは、あしなが育英会の実態調査に密着。そこから見えてきたのは、遺児たちが直面する過酷な現実だった。被災した高齢の祖父母が保護者になるケースも目立ち、親を亡くした心の傷が癒えぬまま、経済的に厳しい暮らしを余儀なくされている。し ...

2011年6月23日(木)

子どもたちが綴(つづ)った大震災

大震災から3か月がたった今、被災地の子どもたち80人が自身の体験を作文に綴(つづ)った。子どもの置かれた現状を伝えたいというフリージャーナリストの呼びかけに、保護者と子どもが賛同し、原稿用紙に向かったのだ。子どもたちは想像以上に厳しい現実に直面していた。「津波から泳いでひっしににげている人が見えました」(小6)。一方で「皆さんにお礼が出来るよう(略)優しくて、たくまし ...

2011年6月16日(木)

災害に威力 GPSの可能性

東日本大震災では、家族や知人に安否情報を伝えることがいかに難しいかが浮き彫りとなった。携帯電話やメールがつながりにくい状況で、ソーシャルメディアとともに注目を集めたのが、GPSの「位置情報」だ。スマートフォンなどの携帯端末に入れた自分の現在地を示すアプリで、家族と安否を確認し合いながら、地震発生後の不安を乗り切った人たちが多くいたのだ。GPSは、支援物資の輸送でも威力 ...

2011年6月14日(火)

原発事故と日米同盟

在日アメリカ軍の被災者支援「トモダチ作戦」の成果によって、普天間基地移設問題以降、冷え切っていた関係が改善したかに見られる日米同盟。しかし、福島第一原発事故の初動対応を巡って、日本に対する米国の不信が、これまでになく高まっていたことが、明らかになった。「情報不足」や「安全基準の相違」によって疑念を強めた両国の外交交渉を検証し、重大事故発生時における協力体制構築の課題に ...

2011年6月13日(月)

“みんなで町に戻る” ~原発事故 3か月目の決意~

「みんなで浪江町に戻るために」と題する宣言が、今月打ち出された。震災と原発事故にあった福島県浪江町が、町独自に今後の展望について“考えを明確に”したのだ。背景にあるのは、先の見えないなかで進む町民分散への危機感。町のアイデンティティと絆を守るために、浪江町臨時役場(二本松市)が中心となり、様々な模索を始めている。住宅面では、仮設住宅をできるだけ集中させて、町のコミュニ ...

2011年6月7日(火)

原発停止 広がる波紋

先月、異例の政治判断によって停止した中部電力の浜岡原発。「今後30年以内に87%の確率で起きる」とされる東海地震の想定震源域のほぼ真ん中にあり、国は津波に備えた防波壁の設置などの対策が完了するまで運転を停止すべきだとしている。中部電力が発電する電力の15~20%を担ってきた浜岡原発が停止したことで、需要がピークを迎える夏の電力供給は綱渡りの状態になる。また、原発と共生 ...

2011年5月30日(月)

“帰宅できない” ~どう備える首都直下地震~

東日本大震災発生の3月11日、首都圏では交通網の混乱から、大量の帰宅困難者が発生した。家族の安否が分からず10時間以上歩いて帰宅した会社員、渋滞に巻き込まれ現場にたどり着けない救急車、子どもを帰すかどうかで苦悩した学校現場などが続出。被災がわずかだったにもかかわらず大混乱した実態から、今後の課題も浮かび上がってきた。首都直下地震の帰宅困難者の想定は650万人。専門家は ...

2011年5月23日(月)

教壇に立つのはだれ? ~小学校・英語必修化の波紋~

今年度から小学校5・6年生の授業で外国語活動が必修化(年35コマ)された。これまで、全国の自治体の3割以上が、外国語指導助手の調達を斡旋会社への業務委託でまかなっていたが、去年、千葉と愛知などでその業務委託が“偽装請負”だと労働局から指摘された。法律上、「業務委託」では、教室で担任が外国語指導助手に対して指導したり打ち合わせたりできない事になっている。その制約が守られ ...

2011年5月11日(水)

故郷(ふるさと)はどうなるのか ~福島・浪江町 原発事故に直面する人々~

地震と津波、そして原発事故に見舞われてから2か月を迎える福島県浪江町。人々を取り巻く状況は厳しさを増している。捜索活動は始まったものの、遺体の損傷が激しく、身元確認は進んでいない。最新の調査で町の放射線量が高いことも判明し、避難生活が年単位に及ぶ恐れも高まってきた。そうしたなかでも希望を捨てずに動きだしたのが、町の将来を担うと期待されていた商工会青年部のメンバーだ。原 ...

2011年5月10日(火)

学校再開 子どもたちは今 ~大震災から2か月~

東日本大震災から2ヶ月。被災地では、ようやく学校が再開し始めた。宮城県山元町の中浜小学校は校舎が大破。全員が奇蹟的に助かったものの、肉親を失い転居を余儀なくされる児童も多く、59人いた児童は35人に。近くの学校で合同で授業を受けることになった。地域の核である学校を守りたいと、校長、児童、地域は奮闘する。宮城水産高校では、地元で漁業を継ぐ決意した生徒達が、家や肉親、生活 ...

2011年4月7日(木)

町を失いたくない ~福島・浪江町 原発事故の避難者たち~

【総合テレビ】20:00~20:45 地震、津波、そして、原発事故が襲った福島県浪江町。住民約二万人の殆どが福島第一原発から20キロ以内に暮らしていたため、いつ終わるともしれない避難生活が続いている。未だ行方不明の人々。放射性物質のため、救助にも、遺体確認にも行けないことを悔やむ人々。町を救うためにと、原発の復旧作業に向かう人。再び町に帰る日まで、町民たちのつながり ...

2011年3月30日(水)

連鎖する震災ダメージ どうする日本経済

【総合テレビ】20:00~20:43 史上最大規模の震災からおよそ3週間。浮き彫りになってきたのが被災地の企業活動の壊滅的打撃だ。電気・自動車など、大手メーカーの工場の多くが、電力や水に恵まれた東北地方に集中していたが、宮城県や福島県などでは、操業再開をめざしてメーカーが作業を進めている。一方、東北・関東以外の企業にも深刻な陰を落とし始めているのが計画停電だ。連続運 ...

2011年3月28日(月)

被災自治体を救え ~“超広域災害”の衝撃~

【総合テレビ】20:00~20:43 東日本大震災から2週間以上たった今も、現地には支援の手が十分に届かず、被災者は厳しい避難生活を強いられている。こうした状況の背景には、“超広域災害”の深刻な影響がある。今回の震災では、多くの自治体で役所が被災。道路や通信の寸断も加わって、総合調整役の県が市町村をバックアップする仕組みも機能不全に陥った。また、阪神淡路大震災以降、 ...

2011年3月24日(木)

原発事故 広がる波紋

【総合テレビ】20:00~20:45 福島第一原発事故が終息せず長期化する中、周辺地域の被害も広がり続けている。放射性物質が福島県内だけでなく周辺地域でも相次いで測定。避難や屋内退避の対象になっていない半径30キロ圏外の市町村の中にも、物資の不足から集団移転など考え始めたところがある。更に周辺地域の野菜や水道水にも放射性物質が検出され始め、影響は更に広がる様相を見せ ...

2011年2月28日(月)

最新情報 ニュージーランド地震7日目

今月22日、ニュージーランド南部の都市、クライストチャーチを直下型の地震が襲った。多数の日本人が被災、今も建物の中に閉じ込められている人たちの救出作業が懸命に続けられている。都市の直下で起きたため、激しい揺れと大きな被害をもたらした今回の地震。しかし、ニュージーランドは、これまで耐震対策の先進国として知られ、国内の活断層の位置を公表するなどの対策につとめてきたはずだっ ...

2011年2月17日(木)

災害対応空白地帯

各地が記録的な大雪に見舞われるなか、「除雪作業の遅れ」による市民生活の混乱が目立っている。原因のひとつが、除雪や土砂の除去など地域の災害復旧を担う建設業者が、長年の建設不況で疲弊していること。自治体と「災害協定」を結ぶ全国の建設業者の数は、この10年で3分の2に激減、災害対応に必要な重機を自社で保有する業者も減っているのだ。12月には全国建設業協会が国交省に「除雪の遅 ...

2011年2月16日(水)

新燃岳噴火 どうなる“火山列島”

1月、300年ぶりに大噴火を始めた新燃岳。現在も噴火活動が続いている。噴火以降、新燃岳では多くの研究者が調査や研究を行い、火山灰の成分から、今回の噴火はおよそ300年前に起こった噴火と同様、マグマが直接噴出する「マグマ噴火」であることが判明した。また今後の噴火予測につなげようと、地下のマグマの動きを探る調査も進んでいる。一方、危惧されるのが土石流の発生だ。しかし大噴火 ...

2011年1月19日(水)

届かぬ支援 震災負傷者4万人

16年前の阪神・淡路大震災の時、発生した負傷者は4万3千8百人。しかし多大な犠牲者と復興の陰に隠れ、社会的な注目が集まらなかった。去年、兵庫県が、震災で負傷し、障害を負った人たち328人を対象に実態調査をしたところ、16年たった今も、苦しみを抱える人が数多くいることが分かってきた。大災害という異常事態の中、生活再建と治療を迫られ、支援も無く孤立してきた実態が浮き彫りと ...

2010年9月2日(木)

“新たな災害” 熱中症の脅威

猛烈な暑さが続く日本列島。熱中症で病院に運ばれた人はこの夏、全国で4万人を超え、NHKの取材で死者は400人を超える事態となっている。なかでも深刻なのは、これまで被害が出るとは考えにくかった“夜間”に、“室内”で死亡する高齢者が続出していることだ。気密性が高い最近の住宅では、夜になっても温度が下がらず、就寝している間に命を落とす事実が浮かび上がっている。こうした中、猛 ...

2010年1月19日(火)

大地震が首都を襲う ~ハイチからの報告~

カリブ海のハイチで12日に起きた、マグニチュード7.0の大地震。首都・ポルトープランスでは大統領府や官公庁、それに、援助にあたっていた国連の現地本部やホテルなどが軒並み倒壊し、一部が炎上。死者は数十万人を超えるのではとの見方も出ている。首都機能は麻痺し、被災者の救出や復興に大きな支障が出ている。アメリカ地質調査所(USGS)によると、地震は同国を東西に走る「エンリキロ ...

2010年1月14日(木)

あの体験が世界中でいきている 神戸発 災害ボランティア

阪神淡路大震災以来、日本で培われてきた災害ボランティアの活動が、今、世界各地の災害現場で被災者支援にいかされ、注目を集めている。その代表的存在は、神戸のNGO「CODE海外災害援助市民センター」。インド洋大津波や四川大地震など44の地域で、政府の援助が十分に行き届かない災害弱者の支援を行っている。各地の現場で彼らが何より重視するのは「被災者の声」と「支援の継続性」。背 ...

2009年5月11日(月)

復興は進んだか ~四川大地震1年~

9万人の犠牲者を出した四川大地震から1年。中国政府は、総額57兆円にのぼる景気刺激策の多くを被災地への支援にあてるとし、道路や学校、県庁舎建設などの復興作業が急ピッチで進んでいる。しかしその一方で、被災者の生活支援や住宅再建は思うように進まず、住民の間に不満が募りつつある。もともと被災地は産業が乏しく沿岸部への出稼ぎに頼ってきた地域。金融危機の影響で沿岸部での仕事を探 ...

2008年10月20日(月)

台風を観測せよ ~国際研究最前線~

今年の台風シーズン、航空機で台風に突入して直接観測する国際的なプロジェクトが行われた。日本にとって航空機での観測は、1987年に米軍が中止して以来20年ぶり。甚大な災害をもたらす台風の進路や勢力の変化を、より早く、正確に予測しようというのが目的だ。気象庁は、特に台風の進路が大きく変わる「転向」に着目。その転向を左右する「高感度領域」があると推定し、そこのデータを重点的 ...

2008年8月28日(木)

“ゲリラ豪雨” 日本の空で何が

この夏、局所的に突然発生する”ゲリラ豪雨”が日本各地で猛威を振るっている。神戸では豪雨で急激に増水した川に子どもらが流され5人が犠牲となった。東京でも下水道工事中に天気が急変し作業員5人が流されて亡くなるなど、深刻な被害が相次いでいる。今回の事故を受け、防災科学技術研究所は、東京の豪雨を詳しく分析。事故現場の付近で、湿った海風が重なり合い、極めて狭い範囲に豪雨を降らせ ...

2008年6月16日(月)

突然“山”が消えた ~岩手・宮城内陸地震~

東北地方内陸部を襲ったマグニチュード7.2の地震。被害は山間部に集中した。太平洋プレートが日本列島に沈み込むエネルギーで歪みが集中している地域で起きた大地震で山をえぐるような大規模な土砂崩れが起きた。栗駒山の火山灰が堆積し水を含むと崩れやすい地盤だったことが土砂崩れの被害拡大に繋がったと見られている。土石流に飲み込まれ7人が行方不明になった温泉宿「駒の湯」のある宮城県 ...

2008年6月11日(水)

復興を阻む”格差” ~中国・四川大地震から1か月~

中国・四川大地震から1か月。復興のなかで改めて浮き彫りになったのが、急激な経済発展を遂げた中国の”貧困”や”格差”の問題だ。被災地の多くは貧困問題を抱える農村部。長く出稼ぎに行ってともに過ごす時間のないまま子どもを失った家族や、家も仕事も失い都市部へ移住する家族など、貧困が復興に影を落としている。中国政府は農村の復興を豊かな都市部の省や直轄市に割り当てた。農村部の被災 ...

2008年5月14日(水)

緊急報告 中国・四川大地震

中国内陸部を、阪神淡路大震災を大きく上回るマグニチュード7.8の大地震が襲った。中国政府の発表によると、これまでに死者は1万人を超え、被害はさらに拡大すると見られている。震源地は四川省の中心都市・成都の西北西90キロ付近で、震源に近い地域では通信や交通が寸断され、救助活動も難航している。震源近くは、ユーラシアプレートとインド・オーストラリアプレートがぶつかる、中国でも ...

2008年1月16日(水)

“命のリスト”が作れない ~災害弱者をどう守るか~

阪神淡路大震災では、犠牲者のおよそ半数を65歳以上の高齢者が占め、障害者の死亡率は健常者を大きく上回った。その後も大規模災害のたびに問題になってきたいわゆる災害弱者。3年前、国はこうした人たちを「災害時要援護者」とし、避難支援のためのガイドラインを示した。要援護者の氏名、住所などをリスト化し、ひとり一人について「誰が」、「どこに」避難させるかなどを明示した避難支援プラ ...

2007年7月18日(水)

中越沖地震 “想定外”の被害

中越地震からわずか3年。再び同じ地域を、震度6強の激しい揺れが襲った。「新潟県中越沖地震」。9人が死亡、1000人以上が手当を受けた。被害が集中した柏崎市では、300棟以上の家屋が全壊。前回の中越地震の時と比べ、全壊した建物の割合が多い事態となっている。なぜこのような被害が起きたのか。専門家によれば、通常は震源近くでは検出されない、比較的長い周期の地震波が発生している ...

2007年4月2日(月)

震度6が高齢者を襲った ~現地報告・能登半島地震~

能登半島を襲ったマグニチュード6.9の地震。被災地ではいまも多くの人々が余震の恐怖に怯えながら避難生活を続けている。今回の地震は高齢化が非常に進んでいる地域を襲った。輪島市の深見地区は道路が寸断され孤立したが、高齢者同士の助け合いで危機を脱出。災害時にはコミュニティで受け継がれてきた住民同士のつながりが大きな力を発揮することを示した。一方、避難生活が続くなか懸念されて ...

2006年7月4日(火)

命を守る“10秒間” ~始まる「緊急地震速報」~

地震の大きな揺れが伝わってくる数秒~数十秒前に揺れを予測する気象庁の「緊急地震速報」。8月から一部で運用が始まる。先に伝わるP波(小さな揺れ)と後からくるS波(大きな揺れ)の到達時間の差を利用するこのシステム。例えば、東海地震が起きた場合、静岡市では揺れが伝わる約10秒前に、東京では約40秒前に速報できるという。当面は病院や鉄道、工場などに限って運用されるが、来年にも ...

2006年6月1日(木)

村は一瞬で壊滅した ~緊急報告・ジャワ島中部地震~

5月27日早朝、インドネシア・ジャワ島中部で地震が発生。死者は5000人を越え、10万人以上が家を失った。各国の救援隊が活動を開始したが、ジャングルの中に点在する村々に十分な支援は届いていない。今回の地震は、マグニチュード6、3と比較的小規模だったのに関わらず、これほど大きな被害が出たのは何故か。現地では地震や耐震構造の専門家による調査が始まり、火山灰でできた柔らかい ...

2006年1月17日(火)

津波一年 子供たちは今 ~大石芳野 被災地を撮る~

18万人以上の犠牲者を出したインド洋大津波から1年。写真家の大石芳野さんが、被災地に暮らす子供たちを撮影する旅に出た。インドネシア・アチェ州とインド東岸の村。いずれも被災前に、大石さんが訪れたことがある場所だ。アチェの村では住民の半数以上が犠牲となった。以前知り合った少女を探して回るが、手がかりさえ見つからない。復興は遅々として進まず、生き残った子供たちも多くが学校へ ...

2005年10月20日(木)

終わらない“災害関連死” ~新潟県中越地震から1年~

新潟県中越地震では、自宅が被災したために車中泊を強いられた人が相次いだ。こうした人がエコノミークラス症候群によって亡くなった「災害関連死」の事例が確認され、その危険性がクローズアップされた。  あれから1年、被災地では死に至らなかったものの、避難生活を続けるうちに血栓が出来てしまい、苦しんでいる人が今も多数いることが新潟大学の調査などで明らかになった。中には血栓が出来 ...

2005年10月18日(火)

孤立する被災者 ~パキスタン大地震~

犠牲者が2万4千人にのぼっているパキスタン北部の大地震。国連によると、被害の激しかったカシミール地方のムザファラバードなどでは、建物の80%以上が倒壊したと見られ、パキスタン側の被災地全体で200万人が家を失ったとされる。本格的な冬の到来が1ヶ月後に迫るなか、今も余震が続いているため、被災者は夜も屋外での避難生活を余儀なくされている。国際社会からの支援物資は届き始めて ...

2005年9月27日(火)

豪雨列島 ~“想定を超える雨”の脅威~

今月初め日本列島に記録的な豪雨を降らせた台風14号。宮崎県では3日間で1320ミリの雨を観測した。これは東京の年間降水量1460ミリに匹敵する雨量だ。一方、東京では9月4日、1時間に112ミリの集中豪雨に襲われ、川や下水道から水が溢れて、およそ5千棟が浸水した。想定しなかったほどの大量の雨の脅威、短時間に大量に降る雨に構造的に対処できない都市の脆弱性を検証する。

2005年6月27日(月)

何が復興を阻むのか ~インド洋大津波から半年~

今月26日で発生から半年を迎えるインド洋大津波。しかし被災地の復興は一向に進んでいない。インドネシア・アチェ州の海岸部は今もがれきに埋もれたままだ。各国から集まった莫大な復興支援金はインドネシア政府にわたり、政府機関「復興庁」も新設された。しかし被害者の多くは掘っ立て小屋などで寝泊まりを続けている。生活再建のための援助が始まっていないのだ。日本人観光客も死亡したタイの ...

2005年2月28日(月)

復興は進むのか ~インド洋大津波から2ヶ月~

インド洋大津波の発生から間もなく2ヶ月。いま被災地では、今後の復興のあり方をめぐるさまざまな課題が浮かび上がってきている。 最も深刻な被害を受けたインドネシアのアチェ州では、膨大な支援物資は届いているものの、住民に送り届ける体制が追いつかないのだ。各国の緊急支援部隊は撤退を始めており、インドネシアは国連やNGOなどと協力して復興を進めるとしているが、必要な機材や人材 ...

2005年1月25日(火)

“家の宝”をどう守る ~中越地震の波紋~

中越地震で大きな被害を受けた小千谷市で今、貴重な歴史資料が失われようとしている。江戸時代に織物産業で栄えた小千谷では商家などが貴重な美術品や古文書を所蔵してきたが、地震で土蔵が壊滅的な被害を受けたため廃棄・処分されるケースが相次いでいるのだ。こうした中新潟大学は「歴史資料は地域に残してこそ価値がある」と、被災した蔵から所蔵品を救い出す活動を始めた。 一方東北大学では ...

2005年1月13日(木)

お年寄りをだれが支えるのか ~震災10年 復興住宅はいま~

阪神・淡路大震災の後、家を失った人たちのために建てられた災害復興公営住宅。現在、2万5000世帯、およそ4万2000人が暮らしている。自力再建が難しい高齢者が多数入居したため、高齢化率は46%(神戸市)に及んでいる。住民の多くは抽選によって、住み慣れた土地を離れ、今の住宅に入居した。そのため、今も孤立する高齢者がいる。 しかし行政では震災10年を機に、住民が自分たち ...

2005年1月4日(火)

巨大津波 被災者500万人の救援

14万人近くの犠牲者を出したインド洋の津波。被災者は500万人にのぼり、衛生状態の悪化などで、伝染病などの感染の恐れが急速に高まっている。 そうした中、今、史上最大規模の救援活動が展開しようとしている。各地での現状報告に加え、難航する安否確認の様子や専門家の現地調査で次第に明らかになってきた巨大津波の恐るべきエネルギーの実態などを伝える。

2004年12月9日(木)

新潟県中越地震 とり残された障害者たち

新潟県中越地震の被災地域には、知的障害者が4000人、精神障害者が1万人、そして視覚や聴覚を含む身体障害者がおよそ2万人余り暮らしている。地震直後、障害者への情報提供や安否確認は不十分で、多くの人々が不安な状況におかれた。 新潟県では、11月8日になって被災現地に相談窓口を置き本格的な対策に乗り出したが、急激な生活の変化に伴うストレスの問題など切実な相談が相次いでいる ...

2004年11月11日(木)

新潟中越地震 その時被災地の医療は

新潟県中越地震では山間部の災害時における医療体制の脆弱さが浮き彫りになった。交通網が絶たれ、孤立した地域では深刻な医療の空白に直面。震度7を記録し、倒壊が相次いだ川口町では、外部からの医療支援が届くまでの3日間、たった2人の医師が6千人近い被災住民を前に孤立無援の医療活動を余儀なくされた。 長期化する避難生活の中で、被災者のストレスは日に日に高まり、”心のケア”への ...

2004年11月1日(月)

“巨大台風”直撃

死者・不明者80人以上。台風23号は、平成に入って最悪の被害を各地にもたらした。その多くが、これまで大きな風水害に襲われたことのない地域だった。土砂災害、河川の氾濫、高波。その被害は、各自治体の予想を遙かに上回るものだった。 超大型の台風の接近がわかりながら、何故被害は防げなかったのか。そして、今回の被害から学ぶものは何なのか。それぞれの現場で何が起きていたのか、徹 ...

2004年10月25日(月)

相次ぐ震度6強 ~新潟県中越地震の衝撃~

震度6強の地震が3回襲った新潟県中越地震。揺れの強さを示す加速度は阪神大震災が800ガルだったのに今回の地震は1000~1500ガルといわれている。体に感じる地震の回数は240回をこえ住民の不安は続いているが被災の全貌はいまだに明らかになっていない。地震の空白地域といわれた所を、なぜ激震が襲ったのか。乗客150人新幹線はどのように脱線したのか。直下型地震のメカニズムを ...

2004年9月13日(月)

史上最多の台風上陸

9月7日に九州長崎に上陸し、全国各地に大きな爪痕を残しながら北上を続けている台風18号は今年7個目の上陸台風となった。日本の台風史上最多記録の台風上陸ラッシュである。 なぜこれほどまでに台風の上陸が相次ぐのか?なぜ大型台風が多いのか?そして、各地で相次いで牙をむく高潮はなぜ起きるのか?最新の研究でこれらの謎を解く鍵の一つは海水温の上昇にあることが分かってきた。地球規 ...

2003年9月2日(火)

火山ガスと共生できるか ~三宅島 帰島への模索~

噴火による全島避難から3年。三宅島では、今も世界にも例がない大量の火山ガスが放出され、住民が帰れない状態が続いている。 避難が長期化する中、三宅村はついに、ガスの放出が続く中での帰島に向けて具体的な準備に乗り出した。十分な安全対策、とりわけ、ガスの影響を受けやすい住民「高感受性者」への対策が進められている。 島で安全対策整備に奔走する担当職員や、悩む避難住民を取材 ...

2003年9月1日(月)

東海地震 見直される防災計画

予知を前提とした大規模な防災体制の整備が進められてきた東海地震。その根幹となる国の防災基本計画が今年、見直された。 国の東海地震対策が始まって25年目。GPS観測網の整備や新たなコンピュータープログラムによる解析技術の進歩などで、地震のメカニズムの解明が進み、予知の精度も飛躍的に高まっている。こうした成果を防災に生かすために、段階的に情報を出し、よりきめの細かい防災 ...

2002年12月5日(木)

命を救え・災害救助ロボット

地震やテロなどの災害によって建物が崩壊したとき、瓦礫の下に取り残された人を探し、救助するロボット。その存在が現実のものになろうとしている。 去年アメリカで起きた9月11日の同時多発テロ。世界貿易センターが崩壊した現場に救助ロボットが投入された。人間も救助犬も近づけない危険な現場でロボットは大きな役割を果たし、10の遺体を発見した。 日本でも今年10月、神奈川県川崎 ...

2002年1月15日(火)

震災の記憶を伝えたい ~阪神淡路大震災から7年~

この1月17日で阪神淡路大震災から7年。 街の復興が進んだ被災地 神戸では、震災の記憶の風化が心配されている。こうした状況に危機感を持った被災者たちが、震災の記憶を伝える様々な活動を始めた。 被災者自らが当時の体験を話す語り部グループの取り組み。震災で傷ついた商店街のアーケードをモニュメントとして街に残そうとする商店主たちの試み。番組では、震災の悲しみを乗り越えて ...

2001年6月21日(木)

届かぬ医療 ~エルサルバドル大地震の傷跡~

今年1月、エルサルバドルを襲った巨大地震。大きな地滑りが発生し、1度に500人の犠牲者を出した。壊れた家屋は33万戸、被災者は160万人。実に国民の4人に1人が被害を受けた。そして地震から5か月、今なお、復興作業がつづく中、様々な問題が浮かび上がっている。とりわけ医療機関が受けた打撃は深刻で、市民の暮らしに重大な支障をきたしている。番組では、巨大地震をきっかけに浮かび ...

2001年1月15日(月)

震災6年 問われる再建支援

25万棟の家屋が大きな被害を受けた阪神大震災。家を失った人々は、十分な支援がないまま、自宅の再建を迫られた。震災から6年、被災した人たちは、住宅ローンなど多くの借金を抱えて苦しんでいる。去年10月におきた鳥取県西部地震では、被災地ですでに住宅の再建が始まっている。鳥取県は、住宅を失った世帯に300万円の支給を決定し、成果が出ている。突然の災害で家を失った時、国や自治体 ...

2000年11月16日(木)

火山とどう共生するか ~雲仙・普賢岳噴火から10年~

4年半にわたる噴火活動で火砕流や土石流が頻発し、大きな被害をもたらした雲仙普賢岳。噴火から10年、土石流に埋もれた町では、住宅の再建が始まっている。一方火砕流で焼かれて地区では、新たな開発計画が浮上し、地元で議論が交わされている。火山とともに生きてゆくための条件は何か。雲仙普賢岳復興への道のりから検証する。

2000年4月3日(月)

どうなる有珠山噴火 ~地下で何が起きているか~

有珠山の地下ではマグマの活動が活発だ。今日も火口から断続的に噴煙が上がっている。これまでに確認された火口は十数個におよんでいる。周辺の地盤は、あちこちで隆起が確認されている。最初に噴火が起きた山ろくで見つかった断層は、急速に拡大している。今後この付近では、爆発的な噴火が予想され、そこから溶岩ドームができる可能性も指摘されている。噴火が始まって4日目、噴火はいつまでどこ ...

1999年9月28日(火)

活断層はこう動いた ~検証・台湾大地震~

1,2000棟を越える建物が倒壊した台湾大地震。深夜、眠りについていた多くの人々が生き埋めになった。これまでに確認された死者は2,100人を越えている。大地震を引き起こしたのは活断層であった。 活断層はどのようなメカニズムで動いたのか、そして被害はなぜ広がったのか、今夜は、台湾大地震を検証する。

1999年8月26日(木)

列島を短時間豪雨が襲った

この夏、日本各地を集中豪雨が襲った。先日、長崎県諫早市では、1時間に101ミリの激しい雨を観測した。福島、岩手、宮城の3つの県では、92棟が床上まで、609棟で床下が水に浸かった。8月14日、神奈川県・玄倉川で、夏休み中のキャンプ客18人をを集中豪雨が襲った。東京でも、1時間の雨量128ミリを記録した。集中豪雨をもたらす原因の1つが熱帯低気圧。この夏、熱帯低気圧は、例 ...

1999年8月23日(月)

トルコ大地震 ~何が被害を大きくしたのか~

人工が密集する地域の真下で起きた大地震、難航する救出活動。地震発生から6日が過ぎ、生存者の発見が難しくなった。トルコは日本と並ぶ地震が多い国で、この地域で大きな地震が将来起きる可能性を専門家は繰り返し指摘していた。番組では、被害が最も大きかった、アダパザルなどの実状と今後の課題を報告する。

1999年6月8日(火)

町に穴があいた ~石灰岩地帯・人家を襲う陥没災害~

今夜は、小さな町を突然襲った地盤陥没災害を伝える。岡山県の山里で、地面に大きな穴があき、道路や住宅に亀裂が入る被害が相次いでいる。いつ自宅の床が落ちるか分からない事態に、住民は不安を募らせている。  陥没はどんなメカニズムで起きたのか、対策はないのか、陥没災害の謎に迫る。

1998年11月10日(火)

国宝はいつ甦るのか ~室生寺五重塔・台風の傷跡~

台風による強風で大木が倒れ、屋根が押しつぶされた国宝 室生寺五重塔1か月半たった今も、具体的な修復計画が決まらず手つかずのままになっている。調査がすすむにつれ被害は予想を上回り、大がかりな修復が避けられないことが判った。1200年前に建てられて以来、記録にない事態だ。材料の不足も深刻、屋根の修復にかかせないヒノキの皮を確保するメドがたたない。国宝はいつ蘇るのか、室生寺 ...

1997年7月14日(月)

山が崩れた ~検証・鹿児島土石流災害~

梅雨末期の集中豪雨の中、先週鹿児島県出水市で大規模な土石流が発生し、21人が死亡した。土石流の危険地域として、砂防ダムの建設工事が進む最中の災害だった。巨大な土砂の崩壊はどのようにして起きたのか、そしてなぜ多数の死者を出す結果となったのか、住民や専門家の証言をもとに、土石流災害を検証する。

1997年1月16日(木)

大震災2年・“仮の暮らし”が終わらない 〔神戸ポートアイランド仮設住宅から中継〕

6400人余りの人が亡くなり、25万戸が全半壊するという大きな被害が出た「阪神大震災」から、明日で丸2年を迎える。仮設住宅は2年で解消する予定になっていたが、現在も3万7千世帯、およそ7万人の人が不自由な生活を強いられている。今夜は、ポートアイランド第2仮設住宅から、中継で被災者の現状を伝える。

1996年10月7日(月)

119番がつながらない ~災害時・携帯電話は役立つか~

爆発的な売れ行きが続いている携帯電話。しかし、いざ事故や災害が起きて119番をダイヤルしてもつながらない。つながっても最寄りの消防署にかからないという事態が起きている。何故管轄の消防署に的確につながらないのか。置き去りにされている携帯電話の119番通報の実態に迫る。

1996年4月18日(木)

阪神大震災・心の傷をどう癒すか ~遺族1475人の手記から~

阪神大震災で、突然かけがえのない肉親を失った多くの人々。1年以上経った今もその死が受け入れられず、悲しみのあまり心や身体の不調を訴える人も出ている。 どうすれば心の傷を癒すきっかけがつかめるのか、周囲の人たちはどう接すればよいのか、被災地で始まった心のケアへの取り組みをリポートする。

1996年1月11日(木)

震災1年・ヘリはなぜ飛ばなかった ~問われる災害医療~

今夜は、1年前の阪神大震災で浮き彫りになったヘリコプターによる救急医療である。救急治療を必要とする負傷者が数多く出た阪神大震災。命を救うために一刻を争う中で、最初の3日間でヘリコプターによって運ばれた患者はわずかであった。なぜ、ヘリコプターは十分活用されなかったのか、見直しが始まっているヘリコプターによる患者の搬送をめぐる課題を探る。

1995年7月25日(火)

避難所は出たいけれど ~阪神大震災・苦悩の190日~

神戸市は8月20日で小中学校などの避難所を閉鎖し被災者に対する食事の支給を打ち切ることにした。被災者も避難所を出て仮設住宅に移りたいのだが郊外の仮設住宅では通勤や通院が不可能、近くのは競争率が激しくて当選しない。近くの1Kの間取りではこどものいる家族には狭すぎる。実態のリポートと被災者へのアンケートそれに神戸市長へのインタビューで構成。

1995年6月9日(金)

阪神大震災・土砂災害は防げるか

危険箇所1800…阪神大震災の被災地で土砂くずれによる二次災害の危険性が指摘されている場所の数である。しかし、自治体による防止対策が進んでいるのは、わずか60箇所に過ぎない。住民の不安が高まるなか、どうやって梅雨期を乗り切ればいいのか、神戸市六甲山付近を中心に懸念される土砂災害の危険性を検証する。

1995年6月2日(金)

噴火停止宣言は出たけれど ~雲仙・普賢岳はいま~

恐ろしい火砕流発生から4年の歳月を経た雲仙普賢岳。今年の3月、ようやく噴火活動停止宣言が公表されたが、現在もなお1600世帯の住民が避難生活を余儀なくされている。島原市も住民も住宅問題をはじめ復興へ向けて多くの課題をかかえている。雨期を迎え、水無川の土石流防止工事も急務である。番組では、噴火停止宣言後の現地の様子を紹介し、住民の今をリポートする。

1995年3月16日(木)

父を失って ~震災遺児500人は今~

阪神大震災で父親、母親或いは両親を失った、いわゆる震災遺児は500人以上にのぼることが分かった。大震災から2か月たった今、親を失った子供たちは精神的、経済的いたでにどう立ち向かおうとしているのか。そして何を支えに生きていこうとしいるのか。親を失った子供たちが直面している現実を伝える。

1995年3月6日(月)

街をどう再建するのか ~神戸・私権制限に揺れる住民~

神戸市は、阪神大震災で被害の大きかった六つの地域で、災害に強い街づくりをめざしての復興計画案を発表している。しかし、計画に基づいた区画整理や再開発計画の実行に当たっては、土地や建物について個人の権利が制限されることになる。街の再建はどのように進められようとしているのか、その波紋を追う。

1995年3月2日(木)

もっと救出したかった ~神戸市消防局隊員たちの手記から~

今夜は神戸市消防局の署員たちが書いた手記を基に阪神大震災でどのような救助活動が行なわれたのか見る。阪神大震災では多くの人たちが壊れた家やビルの下敷きになった。その救出に当たった消防署の隊員たちが震災から一ヵ月半過ぎようとしている今、手記を書き残そうとしている。 番組では、がれきの中で隊員たちは生と死の場面にどう立ち向かい、どのような壁にぶつかったのか検証する。 ...

1995年2月9日(木)

焼け跡からの再建 ~地場産業壊滅の中で~

今夜は阪神大震災で壊滅的な被害を受けた地場産業を取り上げる。全国一のケミカルシューズの生産地神戸市長田区では、靴製造メーカーの大多数が操業不能に陥った。工場や機械を失い資金ぐりがつかない苦しい経営者が数多くいる。地場産業への深刻な被害は何をもたらすのか。再建は可能なのか。再建に向けて立ち上がろうとしている企業を取材。

1995年2月8日(水)

被災地の子供たち ~再会・受験学校再建の中で~

今夜は、阪神大震災で被災した子供たちを取り上げる。阪神大震災で、大切な肉親を奪われ家や教科書を失った子供たちが大勢いる。また被災地では、まだ授業が再開されない学校も数多くあり、子供たちは厳しい環境の変化の中での生活を余儀なくされている。番組では、長引く被災地の生活の中で、子供たちはどのような暮らしをし、何を求めているのかを探っていく。

1995年2月1日(水)

被災地に優しさを探す ~活躍するボランティア~

阪神大震災に見舞われた方々に、何かしてあげたい。被災地に集まった大勢のボランティアが、今不自由で不安な生活を強いられている被災者を支えている。また、被災者同志で助け合い、いたわりあう姿も数多く見られる。 今夜は、苦しみに直面した被災地での思いやりとボランティアのあり方を見る。

1995年1月26日(木)

むしばまれていた橋脚 ~高速道・新幹線はなぜ落ちたか~

阪神大震災で高速道路や新幹線の高架橋がなぜ数多く落下したのか新しい事実が明らかになった。大きな地震が起きても心配はない安全だと思われていた日本の高速道路や新幹線の高架橋が多くの箇所で破壊された。破壊はなぜ発生したのか。 番組では、新しい調査結果に基づいてその原因を検証する。

1995年1月25日(水)

暮らしはとり戻せるのか ~都市機能復旧をはばむ壁~

1月17日に発生した「阪神大震災」は、人々の生活を根底から崩した。現在も、避難所で暮らす人々は29万人余り。水道やガスといった生活に欠かせない都市機能が寸断されている中で、多くの人たちが生活の知恵を生かし協力しながら、なんとか日々をやりくりしている。 番組では、困難に立ち向かう人々の姿を、現地からの報告を交えて伝える。

1995年1月23日(月)

余震への備え ~二次災害をどう防ぐか~

阪神大震災で、最大でマグニチュード6にもなると予想されている余震。いったい、いつ、どの程度の余震が起きるのか、不安を抱えての復旧活動が続けられている。崩れかけた家やひびの入ったマンションが倒壊する危険はないのか、立ち入っても大丈夫なのか、専門家による建物のチェックが始まった。余震による二次災害をどう防ぐのか具体的に見ていく。

1994年3月16日(水)

再現ロサンゼルス地震 ~観測網がとらえた直下型地震~

2ヵ月前ロサンゼルスを襲った地震では、道路やガス管など都市の機能が寸断され直下型地震の脅威を見せつけた。この地震の揺れは、ロサンゼルスに張りめぐらされていた地震観測網によってとらえられていた。どのような揺れが街を襲い被害をもたらしたのか、観測網がとらえたデータから再現する。