クローズアップ現代

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No.03 9.11特集

世界を変えた9.11

世界を震撼させた米同時多発テロ事件からまもなく10年――。
今年5月にはテロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン容疑者が殺害され、7月にはアメリカ軍のアフガニスタンからの撤退も始まった。しかし、アメリカは今なおテロの脅威に怯え、イスラム教徒に対する差別や偏見など不寛容な空気が社会に蔓延している。一方、対テロ戦争の主戦場となった中東地域では混乱が続き、不安定な状況が新たなテロの拡散を招くという悪循環に陥っている。"あの日"から世界はどう変わったのか。そして、どこへ向かうのか――。

アメリカ同時多発テロ後の世界

世界地図 アメリカ同時多発テロ アフガニスタン戦争 イラク戦争 自衛隊イラク派遣 スペイン列車同時爆破テロ ロンドン同時多発テロ ムンバイで同時テロ
2001年9月11日

アメリカ同時多発テロ ~世界を変えた9.11の衝撃~

ニューヨーク・マンハッタンの世界貿易センタービル、ワシントンの国防総省などを標的とした大規模テロが発生。ハイジャックされた旅客機が次々と高層ビルに激突する映像は世界に衝撃を与えた。その後アメリカは「テロとの戦い」を掲げ、アフガニスタン紛争、そしてイラク戦争へと突入。世界各地でテロ組織による自爆テロが相次ぎ、報復の連鎖と憎しみの時代へと向かっていく。クローズアップ現代では、テロ発生直後から徹底取材を開始し48時間後に43分拡大版を放送。クロ現歴代3位の高視聴率となった。

2001年9月13日(木)放送
見えない敵
~同時多発テロの衝撃~

同年10月

アフガニスタン戦争 ~憎しみの連鎖へ~

アメリカ軍は、同時多発テロの首謀者とされるオサマ・ビンラディン氏が率いるアルカイダやタリバンの軍事施設などに対して激しい空爆を開始。タリバンも対空砲火などで応戦し、戦渦は拡大。対テロ戦争を掲げ「不朽の自由作戦」を遂行するアメリカを中心とした多国籍軍と、聖戦を呼びかけるアルカイダやタリバンとの泥沼の紛争へと発展していく。

2001年10月10日(水)放送
緊迫のアフガン

2003年3月

イラク戦争~拡大する戦渦と犠牲~

イラク国外への亡命と武装解除を要求するアメリカの最後通告を拒否したサダム・フセイン大統領。アメリカ軍によるイラクの首都バグダッドへ空爆が始まった。南部クウェートからアメリカ、イギリスの地上部隊が拠点都市を攻略しながら進軍し、4月にバグダッドを制圧。政権は崩壊し、潜伏していたフセイン大統領は米軍の特殊部隊により拘束、のちの裁判で死刑判決が下された。アメリカが戦争の大義に掲げていた「大量破壊兵器」は結局見つからず、駐留する米軍などを狙ったテロがイラク全土で頻発し、民間人を含む多くの犠牲者を出し続けた。

2003年3月31日(月)放送
イラク戦争 最前線で何が

同年12月

自衛隊イラク派遣

イラク復興のために自衛隊を派遣する「イラク支援法」が成立。「民間人にできないことは、自衛隊の諸君に汗を流してもらう。」イラク戦争開始直後に、いち早くアメリカ支持を表明した小泉総理大臣は、イラクへの自衛隊派遣を、日本の「国力にふさわしい貢献」と位置づけ、「非戦闘地域」への派遣を決定した。自衛隊はサマーワを拠点に給水、医療技術指導、公共施設の補修を行い、地元からは一定の評価を得たものの、社会的インフラの整備や雇用の確保などより高い水準の支援を求める声が高まり、自衛隊ができる事業とのギャップが問題となった。クローズアップ現代では、小泉総理大臣の決断の背景から、自衛隊の2年半に渡る活動の検証など、イラク派遣の実相を追い続けた。

2006年7月24日(月)放送
検証 陸上自衛隊
イラク派遣の900日

2004年3月 スペイン列車同時爆破テロ
2004年9月 アメリカへの入国の際、外国人渡航者の指紋情報の読み取りや顔画像の撮影義務化
2004年4月

捕虜虐待問題が発覚 ~揺れるアメリカ世論~

イラク・アブグレイブ刑務所で起きたイラク人収容者に対する米兵たちによる虐待事件。兵士たちが笑顔でイラク人収容者を虐待している様子を写した写真は世界を驚愕させた。事件発覚後に行われた軍法会議では、虐待・拷問は兵士たちの自由意志で行われたと認定。写真に映っていた、もしくは撮影した7人は全員が有罪、降格の上、軍を放逐された。事件にアメリカ世論が大きく揺れ、事件発覚後、戦争支持率は30%台に急落、イラクからの撤兵を求める声も強まった。クローズアップ現代は、アブグレイブ刑務所に駐留した兵士とその家族の証言を軸に、占領政策の現実と、アメリカ世論の変化を見つめる。

2004年6月10日(木)放送
イラク人虐待 揺れるアメリカ

同年11月 ブッシュ大統領再選
2005年7月

ロンドン同時多発テロ ~世界に広がるテロの恐怖~

サミット開催中のイギリスで、ロンドン地下鉄トンネル内の3カ所で爆発、1時間後には2階建てバス1台が爆発し、死者50人を越える多数の犠牲者を出した。米国同時多発テロ以降、徹底したテロ対策を進め、世界で最もテロ対策が進んでいる国と言われてきたイギリスで、首都ロンドンの中心部が狙われ、多くの犠牲者を出したことは世界に大きな衝撃を与えた。

2007年6月 イギリス ブレア首相退陣
2007年7月 パキスタン・モスク立てこもり事件
2008年11月26日

ムンバイで同時テロ

インドの経済の中心都市ムンバイで起きた同時テロ事件。鉄道の駅や「タージ・マハル・ホテル」などの高級ホテル、観光客が集まるレストランなどが同時多発的に武装グループに襲撃された。武装グループはまる2日以上たってようやく制圧されたが、日本人を含む180人を超える犠牲者が出た。

2009年1月20日

オバマ大統領就任

"ひとつのアメリカ"という理想を訴え、初の黒人大統領誕生となるか注目を集めた民主党のバラク・オバマ氏。金融危機やイラク情勢など多くの課題に直面する中、"変化"を求める若者や黒人たちの熱狂的な支持を背景に急速に支持を拡大。全米20以上で投票が行われ、大統領選の天王山と言われたスーパーチューズデーでは、有名人で強固な組織力を誇るクリントン氏との一騎打ちとなった候補者選びは史上稀に見る接戦となったが、最後は国民の熱狂的支持を受けて、オバマ大統領が誕生した。

2009年1月21日(水)放送
オバマが変えるアメリカ【1】
国民を政治に巻き込め

2010年8月

イラク駐留米軍「戦闘任務」終了へ

2003年の開戦から7年、イラクに駐留していたアメリカ軍は、主要な戦闘部隊の撤退を完了した。アメリカ軍の空爆、武装勢力によるテロやイスラム教の宗派間の対立などで多数の民間人の犠牲者を出したイラク戦争。しかし、その後も依然として治安は安定しておらず、テロが頻発している。オバマ大統領はイラクからの撤退を進める一方で、アフガニスタンに3万人の増派を実施。再び攻勢を強めるタリバンとの先の見えない戦闘が続いている。

2011年5月2日 オサマ・ビンラディン容疑者死亡

10年前のその時、世界が震憾しました。あの日から世界はどう変わったのか。私たちはどこへ向かおうとしているのでしょうか。

2001年9月11日。
国際テロ組織アルカイダのメンバー19人が4機の旅客機を乗っ取りNYの世界貿易センタービルやワシントンDC近郊の国防総省ビルに突入。3000人近い犠牲者がでました。世界史に記録される同時多発テロ事件の発生です。

テロとの戦いは、一体、何をもたらしたのでしょうか。
クローズアップ現代HPは事件から10年を機に「9.11特集」を企画しました。テロ発生からアフガニスタン戦争、イラク戦争、自衛隊イラク派遣など番組で伝えた大きな歴史の流れを紹介します。さらにイラク・アブグレイブ刑務所での虐待事件、オバマ大統領就任など、この同時多発テロに関連したテーマも立体的にとりあげました。

イラク、アフガニスタンでの戦争に踏み切ったアメリカ。犠牲者の数は全世界で民間人を含めて22万人を越えると言われています。オサマ・ビン・ラディン容疑者がアメリカ軍によって殺害され、アフガニスタンからアメリカ軍の撤退も始まりました。しかし、私たちの世界を覆う不安定感はいっこうに変わりません。それは、なぜか。

一方、中東では大きな地殻変動が起きています。エジプト・カイロのタハリール広場を埋め尽くした群衆。中東の春では人々は「テロではなくデモ」を選びました。そしてアメリカの中東でのプレセンスは後退を余議なくされています。「結局、この10年がもたらしたのはテロリストとアメリカの敗北だ」と喝破したNHKの中東専門記者の言葉がこころに残ります。武力を信じ、武力に頼ることの無力さも歴史は教えてくれました。
今回の特集ではこの同時多発テロ事件が契機となっていかに世界が大きく変化していったか、眺望できるようにしました。
10年間の大きな流れをみなさんの肌で感じとってください。

クローズアップ現代 エグゼクティブ・プロデューサー 若宮敏彦