これまでの放送
No.3086
2011年8月30日(火)放送
“カダフィ後” 新生リビアの行方
出演者
畑中 美樹
さん
(国際開発センター・研究顧問)
藤井 俊宏
(カイロ支局・記者)
40年以上にわたりリビアに君臨してきたカダフィ大佐。反政府勢力の猛攻を受け、8月23日拠点としていた首都トリポリの軍事施設をついに脱出。カダフィ政権は事実上崩壊した。今後はカダフィ大佐の身柄拘束はなるのか?そして国民評議会はどんな国作りを進めるのかが焦点となる。しかし“反カダフィ”で一致していた国民評議会は様々な勢力のいわば混成部隊で新政権作りは前途多難だ。番組では、最新情勢を現地から伝えるとともに、国民評議会の動きを追いながら、“カダフィ後”のリビアがどこへ向かおうとしているのか、専門家とともにその行方を探る。
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出演者の発言
番組中の出演者のコメントを掲載
- 出演者
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畑中 美樹
さん
(国際開発センター・研究顧問)
藤井 俊宏 (カイロ支局・記者)
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【ベンガジ 中継】
藤井 俊宏(カイロ支局・記者)
●カダフィ大佐は一体どこにいる?
>>カダフィ大佐自身も、アルジェリアとの国境付近に潜んでいる、もしくはすでにアルジェリアに脱出したのではないかとの見方があります。アルジェリア政府は、カダフィ大佐が潜んでいることを否定していますが、アルジェリア政府は今もリビアの国民評議会を認めていない数少ない国の一つです。カダフィ政権を支援し、外国人のよう兵を政権側に送り込んできたと、非難もされています。近隣の国々が相次いで民主化のうねりに飲み込まれていく中で、カダフィ政権を防波堤にしようという思惑もあったと見られています。アルジェリア政府は国民評議会から大佐の家族の引き渡しを求められていますが、これを拒否していまして、大佐本人についてもひそかに匿う可能性があります。
>>リビア中部のシルトに潜んでいるという見方もあります。カダフィ大佐の生まれ故郷で、およそ10万人と言われる大佐の出身部族、カダファ部族に守られた町だからです。頑強な抵抗を続けるシルトの攻略に向けて、東西から部隊を終結させてカダフィ大佐の拘束を目指しています。しかし、部族を相手にした戦闘で、将来にわたる禍根を残すのは避けたいというジレンマがあります。そのため、町を包囲して圧力をかける一方で、平和的な解決に向けて、部族との交渉を続けています。カダフィ大佐を拘束することは新生リビアが過去と決別し、民主的な政権へと一歩踏み出すためにもきわめて重要ですが、大佐の拘束は容易ではありません。
【スタジオ1】
畑中 美樹さん(国際開発センター・研究顧問)
●今の時点で大佐を拘束する意味について
>>おそらく、まずやはりリビア国民の恐怖心、これをやはり取り除く必要がある。そのためにまず拘束が不可欠ということですね。また残党がまだ反撃をしておりますので、これを完全に終えさせるためにもどうしても必要だということだと思いますね。
●カダフィ政権が事実上崩壊に至るまで時間がここまでかかった理由とは
>>やはり反政府勢力といっても、一般の市民ですよね。やはり銃の取り扱いには慣れてません。そこをNATO側が、国連の決議を経て軍事介入をして、カダフィ軍側の戦闘機とか、戦闘機とかあるいは戦車とかを破壊をしまして、その上で民兵を訓練をして、武器の補給をして、作戦を主導して、ようやく悲願の力関係を逆転させて押し戻した。そのためには、半年近くが必要だったということだと思いますね。
>>そうですね、本来リビアの国民というのは、非常に穏やかでのんびりしてて平和を愛する人たちなんですね。それだけにやはり、本当に我慢できない。リビアというのは石油資源もありますし、海外に資産もたくさんあると、それなのにどうも自分の国の道路の状況とかですね、通信状況とか、湾岸の産油国と比べても遅れている、あるいは生活が豊かではない。そういうやはり我慢の限界が積もり積もって、こういうことになったというふうに思いますね。
【スタジオ2】
●リビアの新たな国作りについて
>>とりあえず国民評議会が憲法制定評議会の委員を選びます。そして彼らが憲法を作って、恐らく半年、あるいは数か月以内に、国民にかけると思いますね。国民が承認するとそれに基づいて、国民議会選挙をして、第一党になった政治勢力が首班ということで、組閣をしていくと、そして本格政権につなげていくと思いますね。最初の憲法というのは、非常に重要になってくると思いますね。
>>ジャリールさん、もともと法務大臣であられますから、プロですけれども、やはりいろんな人がいることよく分かっていますから、ガス抜きも含めて、恐らく徹底的に議論させる、それで集約するということをすると思います。
>>もちろん、イスラムというのは、彼らにとっては生活の規範ですから、守りますけれども、やはり湾岸のドバイとかアブダビとか、近代的な国造りをしているイスラムというのも彼らは見てますから、恐らく、西欧的な民主主義を目指したイスラム国民ということになるんだと思いますね。
●国民評議会はどのような政治のプロセスを進めていくか
>>そうですね、課題が多いですよね。恐らく地域、部族の異なる集合体、寄り合い所帯ですよね。その上に、今の国民評議会の中心をなしてる人というのは、欧米で教育を受けた、西洋民主型の思考をする人が多いですけれども、アラブ民族主義やイスラム原理主義を望む人もいますし、あるいは今の本当に中心の人を加えて、かつての旧政権で役職にあった人、大臣だった人もいますよね。そうしますと、カダフィ政権のときに反政府運動をしてきた評議員らから見れば、やはり不信感とか違和感とかというのは拭えませんから、これはやはり克服して、チームとして一つにまとまって、同じ国家像のもとに、同じ目線で進んでいくというのは、なかなかハードルが高いと思いますね。
●石油の分け前をめぐる混乱は
>>特に、カダフィ政権のときにトリポリを中心にした西の地域、こちらのほうがどちらかというと石油の富の分配が厚かったですから、それが薄かった東の地域からそういう声が出てくるというのは十分考えがありますよね。そこをどうやってうまく、戦果と新しい政治権力、これから上がってくるであろう、石油の富。これをどうやってどの国民から見
ても公平だなと思えるように配分するか。これはやはりジャリールさん、暫定政権下での道筋を作るうえで、一番大きな課題だと思いますね。
●国際社会の支援について
>>在外資産、14兆円ありますけど、うち4兆円ぐらいは預金なんですよね。これをなるべく早く資産凍結解除してあげて、電力とか水道とか、そうした基礎サービスの復旧に充てられるようにするということが、まず第1ですよね。第2はやはり民主国家ということを知りませんから、制度作りとか法制面とか、あるいは人材の教育とか、そういう面で国際社会として支援をしていくということが、非常に重要になってくると思いますね。それは国民評議会、あるいは国際社会も強く意識していますから、イラクの二の舞いを踏まない、イラクの教訓というのをやはり覚悟していると思いますので、双方が新しい民主リビアのために、そのへんは理解をして、国造りに当たると思います。
前回
2011年8月29日(月)放送

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