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No.3261
2012年10月17日(水)放送
女性が日本を救う?        

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「女性が日本を救う?」IMF緊急リポート

女性の社会参加が日本再生の鍵だとするIMFのリポート。
まず、日本の高齢化が世界のどの国よりも早く進んでいることへの強い危機感が書かれています。
急速な高齢化と少子化で働く人の数、生産年齢人口は激減。
2050年にはピーク時の4割落ち込み、GDPは、ほかのアジア諸国を下回るという見方もあります。
労働力の縮小を食い止める手段が埋もれた潜在力、女性の活躍を促すことだとリポートは指摘します。

日本では、働く女性の数が20代後半から減少します。
出産した女性の実に6割が仕事を辞めてしまうためです。
その後、再就職は増えますが、半数以上が非正規雇用。
女性が能力を発揮しきれていないことが日本の成長のマイナスになっているといいます。
このM字型のカーブは先進国ではあまり見られない現象です。
ほかの先進国並みに女性が働けば、労働力不足に歯止めがかかり1人当たりのGDPが4%増えると推計されています。
リポートでは、実現に向けて2つのハードルの解消が重要だとしています。

1つは、国際的にも極端に少ない女性の管理職や役員を増やすこと。
日本における女性管理職の割合は1割。
先進国で最低レベルです。
女性のリーダーが増えれば、手本となるモデルが増え、働く女性の増加につながるというのです。
2つ目は、家庭と仕事の両立支援の充実です。
より柔軟な働き方や保育サービスが整えば、出産後に仕事を辞める女性を減らすことができるというのがIMFリポートの分析です。

ゲストC・ラガルド(IMF専務理事)長谷川閑史(経済同友会代表幹事)

●IMFリポートを、みずから直接、伝えることが大事

クリスティーヌ・ラガルドさん:そのとおりです。
この場でリポートの話をすることは、2つの理由から重要だと思っています。
まず初めに、日本の女性にとって働くという選択肢を持てるようにすることが大事だからです。
多くの女性が仕事と家庭の両立ができないことにいらだちを感じています。
2つ目は働く女性を増やせば、日本経済がよくなる。
そのことをぜひお伝えしたいと思いました。
日本は世界にとって、大事な経済大国です。
しかし残念ながら、多額の債務を抱えています。
しかも、近い将来、深刻な労働力不足に直面しようとしています。
この問題に対処するには、活用されていない労働力を生かすしかありません。
外国の移民労働者に頼る方法もありますが、日本の場合、働く女性を増やすことで、十分対処できると思います。
しかも結果的に、そのことによって、社会全体が恩恵を受けることになります。
私たちの研究では、女性の参加によって、国民1人当たりのGDPが4%から5%増加すると見ています。
日本の債務の削減にも有効ですし、働く人が増えれば、返済も早く進みます。

●働く女性が増えれば、日本の競争力が高まるのか

クリスティーヌ・ラガルドさん:ええ、そのとおりだと思います。
まず第一に、データがそのことを示しています。
日本の女性の教育水準は高く、熱心に働きます。
ですから、数が増えればそれだけ競争力が高まります。

●仕事を巡って競争が激化するという声もあるが

クリスティーヌ・ラガルドさん:まず、申し上げたいのは、競争はよいことです。
競争が悪いのではありません。
しかも、労働市場には女性の入る余地がまだ十分にあると思います。
そして、働く女性が増えれば増えるほど、家計の収入が増え、消費も増えます。
消費が増えれば需要が生まれ、その結果、経済全体のパイが拡大するのです。
社会環境が変われば、経済も変わるのです。
経済というのは、需要が増えた結果として成長します。
ですから、より多くの女性が働けば、そうした需要が生まれるはずです。
その結果、国民1人当たりのGDPは増加し、長期的には債務の削減にもつながります。
こうしたことが、一夜にしてできると言っているわけではありません。
ただし、できるだけ早く、女性が現在、直面している制約を取り払う対策を取り、女性に就労を促していかなければなりません。

●ラガルドさんみずからその重要性を伝えようとされているが

長谷川さん:まず最初に、ラガルド専務理事に心から厚く御礼を申し上げたいと思います。
先ほど、キャスターもおっしゃいましたように、大変ご多忙の中、わざわざこのために滞日を延長して、この番組にご出演いただくということそのものが、専務理事のこのことに対する非常な重要な関心とコミットメントが示されていると思います。
研究の内容そのものも拝見をいたしましたが、他国に先駆けて高齢化が急速に進む日本の中で、もちろん、諸外国もこういう状況に直面したときに、一つやるのは移民ということでありますが、その前にわれわれは、もっと大事な、十分に活用されてない女性労働力が日本は諸外国に比べてもまだ多いと、その部分をなんとか改善をすることが先決ではないかというご指摘をいただいていますが、それは誠に、当を得たご指摘であり、われわれも自覚しているところではありますけれども、そのことに対する具体的な宣言はされても、実行はされていない。
ラガルドさんもIMFの総会の最後に、もう課題は分かっているから、とにかく実行あるのみだとおっしゃいましたが、われわれも、このテーマについても同じことで、具体的な問題点としての指摘は、極端に低い女性管理職率だとか、M字カーブの問題が指摘されておりますが、一方で、ここにもう、9項目の具体的な解決策を、今は申し上げる時間はありませんけれども、ご指摘を頂いております。
こういったIMFという組織の中から、このようなご指摘を頂いたことに、大変感謝をし、われわれとしても大いに参考にして、少しでも実行に、実現に取り組んでいきたい、そう考えています。

●経済同友会では2020年までに女性管理職30%以上の目標

長谷川さん:このこと自体は、すでに9年前に国のほう、政府のほうで、そういうことを宣言をしておられますが、その後、ある程度の努力はなされたものの、具体的な取り組みと、その成果が、一番大事なんですけれども、ほとんど見られてない。
こういう状況の中で、われわれとしてはIMFにご指摘をいただくまでもなく、国家にいろいろ求めることも大事だけれど、まず経営者たち、企業家、産業界が、そういうことについて、もう少し認識を新たにして、具体的な行動に取り組むべきではないかということから、みずからをこれは現実に比べると相当高い目標でありますから、達成は困難であることは承知のうえで、行動宣言として宣言をし、それについての具体的な取り組みを行っていきたいという、そういう強い思いで、こういうことを宣言したわけでありまして、私事で恐縮ですが、私の経営に携わっております武田薬品にとりましても、決してこういうことの先頭を走っている企業とはいえない状況にもありますが、そういう状況の中で、あえてこの番組の出演を承諾をいたしましたのは、提言および経済同友会の経営者の行動宣言への認知度を高め、少しでも多くの皆さんの賛同を得て、大きなうねりにするきっかけになればと思って、ここに参加をさせていただいているわけです。

クリスティーヌ・ラガルドさん:長谷川さんたちの決断は、賞賛に値します。
企業が女性の幹部や管理職を増やすことに取り組んでいるのは、すばらしいことです。
そうした女性が組織の中で先頭に立ち、ほかの女性たちを引き上げる役割を果たすようになります。
だからこそ、女性のリーダーを増やすことは大事なことなんです。

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