クローズアップ現代

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なぜ減らせない?プラスチックごみ

なぜ減らせない?プラスチックごみ

2018年10月22日

ペットボトルに、お弁当を入れる容器。日本は1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量が、アメリカ次いで多い国です。そして、中国に長い間、「廃プラスチック」を買い取ってもらっていたために、中国が受け入れを禁止したことで大きな衝撃が走りました。“中国ショック“以降、国内ではその処理が限界に近づいています。なぜ日本では減らせないのか、またどうしたら減らせるのか?番組ではみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

日本では廃プラが滞留 限界に近づいている…

【現場で何が?】
長年、中国に廃プラを資源として買い取ってもらってきた日本。中国の買い取り禁止で日本では廃プラが滞留する状態に。日本ではリサイクルできない現状も見えてきました。


【観光地でも…】
観光客が激増する宮古島。取材してみると、処理できずに、行き場を失った廃プラがあちこちで放置されている実態も。




【環境省が発表 自治体での廃プラの保管25%増】
環境省がことし8月、産業廃棄物の処理業者と業者を監督する都道府県や政令指定都市などを対象に調査。 28.9%にあたる175の業者と83.6%にあたる102の自治体から回答を得ました。
管内の業者に保管されているプラスチックごみの量が去年12月までと比べ、「増加した」と回答した自治体は24.8%で、基準を超える量を保管していたケースも5件あったということです。また、リサイクルや焼却などを行う中間処理業者のうち半数を超える56%がプラスチックごみの処理量が「増加した」と答え、受け入れ制限を「行っている」か「検討中」と回答した業者は、処理業者全体の合わせて34.9%でした。


私たちのごみはどこへ?

“リサイクルについて知りたい”というご意見をいただいたので、自分たちが出したごみがどうなるのか、身近なペットボトルを例にまとめてみました。

“リサイクルできない”…

現状を知ってほしいと、視聴者の方が番組にご意見を寄せてくれました。廃プラを中国に輸出してきたこの会社では、”中国ショック“以降、自分たちが作ってきた製品が焼却しかできなかったことに改めて気付かされたといいます。

なぜ減らせない?プラスチック

【なぜ日本では減らせない?】
世界で進むプラスチック製品の規制の動き。しかし日本では規制するまでには至っていません。日本でプラスチックが減らない理由として、視聴者の方から寄せられたのは、“環境より経済優先”の姿勢や、”過剰包装の文化”が背景にあるとのご意見が寄せられました。


【プラスチックを減らせない理由を聞く】
様々な立場の方に、プラスチックを減らせない理由と、減らすために何をすべきかを聞きました。

~海を長年清掃するダイバー~
「プラスチック製品を使わないことを企業が考える」


~川や海の環境汚染調査をする大学教授~
「自分たちが出したごみの行方を考える」


~レジ袋削減を目指す協定を実現させた有識者~
「リサイクルを始めに考えるのではなく、減らすことを考える」



レジ袋からみるプラスチック削減

【削減に進むも壁が…】
日本で一人が年間使うレジ袋は300枚と言われます。このレジ袋を削減しようと早い動きを見せたのが京都市です。しかし、削減を進めるとそこには壁も見えてきました。


【なぜレジ袋を削減?】
なぜレジ袋を減らさなければいけないのか?というご意見が多く寄せられました。その理由を、プラスチックごみの削減などを議論する小委員会の有識者に聞きました。

レジ袋から見るプラスチック削減のヒント

取材ディレクターの竹野です。いま問題となっている廃プラの問題。
プラスチックをどうやったら減らすことができるのだろうか?
ヒントを求めて、この10年で14億枚のレジ袋を削減したという富山県を取材しました。


初めて全県規模で一斉にレジ袋の有料化に踏み切った富山県。
スーパーに取材に行った時には、買い物客が「買い物にはマイバッグでしょ?」といいながら、
2つも3つも持ち歩いているマイバッグや、マイバスケットを見せてくれ、
マイバッグが “広く浸透している”という以上に、“自然なもの”“当たり前のもの”に
なっていることに驚かされました。


もちろん、最初からレジ袋有料化の取り組みが支持されていたわけではありません。
むしろ、9割以上の店舗が「有料化するつもりはない」とかたくなだったそうです。
そこで、レジ袋有料化を個別に運動していた市民団体同士が行政などと協議会を立ち上げることでした。何度も事業者との話し合いを持ち、できるだけ多くの事業者、行政を巻き込むことで一斉にレジ袋の有料化を実現することができたのです。

そして、何よりここまで意識が浸透したのは、地道な啓発活動があったのだと思いました。事業者側から「マイバッグの利用で万引きが増えるのでは」と事業者から不安の声が出れば、「マイバッグはレジを通ってから使いましょう」と店頭で呼びかけたり、「有料化はちょっと…」と二の足を踏むコンビニなどに対しては、レジ袋をもらわないようにと、消費者のマインドを変えることも行いました。小型のバックを作り、利用が多い男性に無料で配布してきたのです。


そうした数々の取り組みが社会の中に信頼を生み、“便利さ”を乗り越えて、マイバッグが“当たり前”という意識を醸成したのではないでしょうか。そして、そうした意識はレジ袋以外のプラスチック製品の利用を控える姿勢に繋がるのかもしれないということを感じた取材でした。

プラスチックに替わる素材の開発は?

視聴者の方から、次のような意見をいただきました。
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“軽量で防水性があり安価なプラスチックの代替品はなかなかない”

“プラスチックを使ってないもので衛生的な包装ができる代替品があるのならば、
製造・販売側で是非使ってほしい。実際にそういった素材の開発は進んでいるのか?“

“自然に帰るプラスチックの開発状況を報道して”
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取材班は、新素材や代替品の開発現場を調査しました。

実は大手メーカーのカネカや三菱ケミカルなどでは、すでに「生分解性プラスチック」(土の中で、炭酸ガスと水に分解される)は、開発されていることがわかりました。

今回、レジ袋などを新しい素材で作ろうとしている都内のプラスチック加工メーカーに、特別に開発中の生分解性プラスチックを見せてもらいました。


この新素材は、生分解性の樹脂を約7割と3割はでんぷんなどの可食物を使っているのだそうです。さらに、耐久性などを高めるため使われる添加剤にもこだわり、主に食品添加物を使っているとのことでした。


開発者の方は、「壁となるのがコスト、高くても売れないので良いものをいかに安く作ることができるか」と話していました。生分解性樹脂だけでも製品にすることはできるといいますが、そうすると従来のプラスチックと比べて1㎏あたりの単価が約2.5倍にものぼるといい、コストが安いでんぷんの量を増やしながら、いかに強度を保てるかをいま開発中だと話していました。


「王子ホールディングス」では、スナック菓子の袋などにも使える、紙の表面に特殊な薬品を塗り、酸素や湿気を通しにくくした包装紙を開発。
「日本製紙は」果物や野菜などを使った飲み物、「スムージー」などを紙の容器に詰めるための専用の機械を開発、キャップ付きの紙の容器とともに来年度から飲料メーカーに売り込む予定です。

環境省では、来年度から植物を原料とするバイオプラスチックを使った製品を開発する企業や、紙に切り替えて製品を作る企業を対象にした補助制度を設ける方針を決めていて、ますますこうした動きが表に見える形で出てくるのだと思いました。

ご意見をお待ちしてます。

私たちの生活から出るプラスチックごみ。
ごみを減らし、再生できるものを増やすことを進めていかなければ、あふれる一方となる現実にいま、私たちの社会は直面しています。
あなたが考える“プラスチックごみを減らすことができる”具体的な取り組みについてご意見お待ちしています。
こちらのリンクにお寄せください。
https://www.nhk.or.jp/gendai/request/plastics.html

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