クローズアップ現代

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2018年6月11日(月)
“逆求人”に“ツテ転職”!? 激変する人材争奪戦

“逆求人”に“ツテ転職”!? 激変する人材争奪戦

空前の人手不足が続く中、いま、人材獲得に力を入れる企業の注目を集めているサイトがある。“逆求人サイト”。利用する企業は、この5年で40倍、3700社を超えている。学生の自己PRを基に企業が学生に面談を申し込むという、企業と学生の立場が逆転したシステムだ。さらに、全社員がいわば採用担当者となり、そのツテをフル活用して他社の社員の転職を促す“ツテ転職”まで登場している。激変する人材争奪戦の最前線に迫る。

出演者

  • 常見陽平さん (千葉商科大学 専任講師)
  • 原田曜平さん (博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)
  • 武田真一・鎌倉千秋 (キャスター)

新卒採用も…転職も… 激変する人材争奪戦

今、企業の人材獲得が激変しています。

人事担当者
「今日はお時間をいただいて、ありがとうございます。」

急激に増えているのが“逆求人”。通常とは真逆、企業側から学生にアプローチします。

大学生
「一番聞きたかったんですけど、(自分の)何を見てオファーしようと思われたのですか?」

背景にあるのは、空前の人手不足。

大手牛丼チェーン
「牛丼、興味ありませんか?」

「あっ、ちょっとトイレ。」

大手牛丼チェーン
「戻ってきてください。」

社員に報奨金を払い、別の企業に勤める友人を勧誘する“ツテ転職”まで登場しました。

人事担当者
「社員がひとり社員を紹介すると、うちの会社って倍になる。」

激しさを増す人材争奪戦。その驚くべき実態に迫ります。

“逆求人”“ツテ転職”!? 激変する人材争奪戦

武田:私たちの社会は今、空前の超人手不足に直面しています。

鎌倉:景気の回復を背景に、人手不足だと感じている企業は、バブルの名残が残っていた1991年以来、四半世紀ぶりの水準となっています。

さらに、働き手となる世代の人口は、この先も5年ごとにおよそ300万人ずつ減り続け2050年までに2,500万人も減少します。企業の人材獲得への危機感が高まる中、これまでの採用方法とは大きく異なる人材獲得が始まっています。

急増する“逆求人” “主導権”は学生側に!?

大学4年生の村井時生さんです。

就職活動で専ら活用している、あるサイトがあります。
逆求人サイト。これまでの就活の形を180度変えたと注目を集め、およそ9万5,000人が登録しています。

大学4年生 村井時生さん
「本来であれば、こちらからアプローチするのを、企業さんのほうからアプローチしていただいているのは、素直にうれしい。」

通常は、学生は志望企業に合わせて何枚もエントリーシートを書きます。面接に呼ぶかどうかは、企業側が決定権を握っています。これに対し、逆求人では1枚のPRシートを書くだけでOK。これを見た企業が学生に面接を申し込みます。受けるかどうか決定権を握るのは学生側です。

大学4年生 村井時生さん
「サソリを食べる人はあまりいないんじゃないかなと思って。」

バックパッカーとして旅した経験などから、海外で働きたいと強く希望している村井さん。自己PRには、海外で起業に挑み失敗したありのままの経験を書きました。バンクーバーで友人と起業しようとするも、ビザの問題もあり途中放棄。逆求人サイトだからこそ、マイナスと受け取られかねない情報も書けたといいます。

大学4年生 村井時生さん
「一企業に対して、こちらがアピールするというのであれば、それこそ企業にあわせて、どこを見てるか分からないにしても、それにあわせたものを普通に(アピール)すると思うんですけど、向こうからオファーをいただくというかたちなので、変に気をつかう必要もないかなと思って、ちょっと悪かった面も含めて、率直に書いたという感じですね。」

この日、村井さんは面談を申し込んできた企業を訪ねました。

オルトプラス 人事担当者 柳奈央子
「ベトナムとか東南アジアマーケット向けの新規事業を立ち上げていく予定になります。」

東証一部上場のIT企業。事業拡大を目指し、ベトナムでの新規事業を担う社員を求めていました。連絡が来るまで、この企業のことは知らなかった村井さん。素朴な疑問を投げかけました。

大学4年生 村井時生さん
「一番聞きたかったんですけど、(自分のPRの)何を見てオファーしようと思われたのですか?」

オルトプラス 人事担当者 柳奈央子
「一番面白いなと思ったのは、バンクーバーで友人と起業しようとしたけれど失敗したというのが、ちょっと突っ込んで聞いてみたいなと思って、興味深いなと思って。」

村井さんには、ほかにも8社から面談の申し込みが届いています。自分主導の就職活動に、手応えを感じています。

大学4年生 村井時生さん
「しっかり自分の書いたプロフィールを端から端まで見ていただけているのが伝わりやすい。そういった意味で、他の(就職活動)ではない魅力がありました。」

「(この企業と)次に進みます?」

大学4年生 村井時生さん
「進みます。めっちゃ面白そうだったんで。」

人手不足が深刻化する中、逆求人サイトは、企業にとって欲しい人材を狙いうちできるメリットがあります。利用する企業は、この5年で40倍に増え、メーカーからサービス業まで、今や3,700社を超えています。

オルトプラス 人事担当者 柳奈央子
「こちらがターゲットをきちんと絞っていれば、そこでフィルターをかけて、ピンポイントに効率よく会いたい学生と会えるというところは、従来のツールにはなかった点かなと思います。」

“覆面本音トーク”!? “辞めない”人材獲得を!

鎌倉:これまでにない採用方法は、ほかにもあります。今、新卒採用の実に3人に1人が、3年以内に会社を辞めています。大きな原因とされているのが、ミスマッチです。学生側は、いざ就職すると、自分のイメージと違っていた。一方、企業側は思っていた人材と違っていた。こういったミスマッチを防ごうと、新たな取り組みが始まっています。

若者の就職を支援するNPOが開いた採用イベントです。

企業の経営者や幹部、学生などが参加しました。このイベントでは、ミスマッチを防ぐため、ある工夫をしています。
企業側は会社名、学生は学校名などの経歴を伏せます。お互いに先入観を持たないようにするためです。いわば「覆面本音トーク」。肩書に関係なく語り合うことで、納得ずくの採用につなげようというのです。
従来の面接では聞けない学生たちの本音に、経営者は耳を傾けます。

企業経営者
「好きな仕事とか、自分の興味があることを仕事にしたいと思っていると思うんですけど。」

学生
「私は好きなことは逆に仕事にしたくない。働いた経験がないから、そもそも。」

学生
「私は好きなことというよりは得意なことを仕事にしたいと思っている。お金を稼ぐってことになったら、効率を考えると得意なこととか、適性とかそういうのを重視した方がいいのかな。」

3時間以上にわたる議論が終わって初めて、学生と企業はお互いのプロフィールを明かし連絡先を交換します。

学生たちは後日、気になった企業に面接を申し込みます。この学生は、経営者の話が興味深かったと、イベント前には関心のなかった洋菓子メーカーとの面接に臨みました。

経営者は、長く働いてもらえる人材を採用するため、不安がないか尋ねました。

洋菓子メーカー ラポール 代表取締役 橘憲一郎さん
「あります?聞きたいこと。」

学生
「あこがれを持っている人でも離職率が高い業界なのに、私のケーキに対するモチベーションってまだ低いんですよ。それでも続けていけるのかなって思っちゃう。」

洋菓子メーカー ラポール 代表取締役 橘憲一郎さん
「僕も最初、小さいころからケーキ屋をしたいと思ってきたわけではなかった。すごくその悩みもわかって。これがいいんですよ。いままで全く違うことをしていて、その正直さがいいですよね。普通ケーキが昔から好きでとかって装った志望動機を書くこともできるし、言うこともできるけど、ありのまま感がなんとも言えない。仮面をかぶらないというのは、すごく大事。」

ミスマッチ解消を狙った新たな採用の形。参加者の2割が、ここで出会った企業に就職を決めています。

“逆求人”“ツテ転職”!? 激変する人材争奪戦

ゲスト 常見陽平さん(千葉商科大学 専任講師)
ゲスト 原田曜平さん(博報堂ブランドデザイン若者研究所リーダー)

武田:大手企業の新卒採用を担当した経験があり、雇用や労働を専門に研究されている、常見さん。
あの手この手の人材争奪戦にも驚いたが、学生の立場がここまで強くなっていることにも驚いた。
企業の人材獲得に、今、何が起きている?

常見さん:ずばり、就職氷河期ならぬ“採用氷河期”が来ていると。短期的に売手市場というだけでなく、これから若者が減っていきますので、それに対する危機感というのが、非常に強まっています。そのために、いわゆる従来の手法だけでなく、従来の手法の限界というのがいろいろ見えていまして、こういったさまざまな手法を、なりふりかまわず取り入れていっているということなんです。その企業が人が採れるのかっていうことが、経営上のリスクにもなるので、投資家たちも、その企業が採れるのか、「経営計画実現のためにも、ちゃんと人材が採れないとだめだぞ」ということを非常に気にするようになっていると思いますね。

武田:広告代理店で若者の研究を続けてこられた、原田さん。

私は就職活動で目いっぱい背伸びをして、目いっぱいアピールしていたが、今の若者は違う?

原田さん:もちろん今の若者も目いっぱいアピールすると思うんですが、特に就職氷河期、今の40代前半の団塊ジュニアのころは、本当に若者の就職が厳しかったので、思いっ切り、うそっていうぐらいみんな背伸びして、「少しでも就職したい」「非正規社員になりたくない」という時期がすごくあったんです。今、非常に若者は、それこそ採用氷河期で、売手市場になっているので、割と本音でそのまま話したいなっていう、ちょっと余裕が出てきて、今度は逆に企業の方がすごくうそをついて、よく見せようとしているという状況になってきているんで、やっぱり、うそのつき合いという意味で、本当のマッチングっていうのが、まだ起こりにくい状況になっているなという印象はあります。
(まだ、ちょっと均衡が取れていない?)
だから企業側も本音を見せないと、今、ネット時代でいろんな情報がすぐ入っちゃいますから、本音で勝負した方がいいと思いますけどね。

鎌倉:番組にも就職活動中の学生さんたちから声が寄せられていまして、例えばこちら。「企業こそ、ありのままを見せて欲しい」。それから「お互い綺麗事(きれいごと)で入社しても、ミスマッチが起きてしまえば、双方が不幸になる」といった声が寄せられています。

では、今の学生は働くことについて何を求めているのか、こんな調査があります。最も求めていることは、1位「楽しく働きたい」、2位「個人の生活と仕事を両立させたい」。では、逆に行きたくない会社で多いのはといいますと、1位「暗い雰囲気の会社」、2位「ノルマのきつそうな会社」、そして「休日・休暇が取れない、あるいは少ない会社」ということでした。

武田:今の若者が求めているのは、お金ややりがいではない?

原田さん:低成長経済時代なので、あんまりがんがん稼ぐというリアリティーがもうないんですよね。それよりかは、プライベートを充実させた、いわゆるワークライフバランスの取れた仕事。あるいは、そんなに稼ぐというよりは、とにかく雰囲気がよくて、居心地がいい職場。社風というのがすごく大事になってきましたよね。

武田:企業もミスマッチを防ぐためには、こうした若者の就職観や仕事観を踏まえないといけない?

常見さん:たぶん今みたいなデータを見ると、若者に対してけしからんといっている老害人事みたいな人っていると思うんですけど、それがけしからんっていう話で。今どき若者に、もう平成も終わって、昭和もだいぶ終わってたつんだから、昭和的価値観、昭和的若者像を押しつけるなということを言いたいんですね。今、やっぱり熱血タイプの人事担当者って嫌われるんですよ。自分の価値観を押しつける的な感じなのが嫌われて、むしろ若者に寄り添う人事が好かれるんです。寄り添う、若者は、いいところを味わうっていうことが大事なんです。若者がこういうふうに労働環境を求めるのって労働者として非常にまともなことだと思うので、そこにまっとうに応える人事、頼れる経営者っていうものが求められていると思います。
(「今の若者はちょっと小粒だ」とか、つい言いたくなる人も多いと思うが?)
もうやめましょうよ、そういうの。
(そうではなく、もっとよさがあると。)
「よいところを探そうぜ」と思うんですよね。減点法の考えから、加点法の考えに変わらないとよくないなと思うんですよね。

鎌倉:そんな中で、人材獲得を新卒だけに頼っていては企業が立ち行かなくなるという危機感から、ある新たな採用戦略に乗り出す企業も出ています。アメリカのグーグルやフェイスブック、日本でも広がりつつあるこの手法。キーワードは“社員のツテ”なんです。

広がり始めた“ツテ転職” 即戦力獲得の新潮流

都内にある、社員およそ300人のIT企業です。

この企業は、即戦力を獲得するため、紹介という意味の「リファラル採用」を導入しています。この手法では、全社員がいわば採用担当。ほかの企業で働く友人を勧誘します。ターゲットは、今の会社に満足していない転職潜在層。社員のツテをフル活用して転職を促す、いわば“ツテ転職”です。転職させた社員には報奨金が支払われます。

freee 人事担当 栗林由季さん
「社内のことを非常に知っているメンバーが人を紹介するので、入社するまでの率というのは、リファラル・社員紹介が高いんですね。その点も効率的というか。」

友人を実際に転職させた、泉山健人さんです。

泉山健人さん
「これが社員紹介のお願い、各部署採用強化中というメールが来て。」

使っているのは、この企業が導入している専用システム。友人の名前を入力すると、必要な箇所にその名前が入った文書が自動的に作成され、効率的に勧誘することができます。泉山さんは、このメッセージを大学時代からの親友に送りました。そのメッセージをきっかけに転職した、池嶋真吾さんです。

食品関係のメーカーで4年間働いていましたが、自分の求める働き方ができず悩んでいました。

池嶋真吾さん
「同じ業務の繰り返しが多くて、なおかつその業務で自分が成長しているって実感が得られなかった。」

日頃からお互いの状況を確認し合う仲だったからこそ、スムーズに転職の話を進めることができたといいます。

池嶋真吾さん
「新卒の時点で、やりたいことがはっきりしている人って、そんなにいないんじゃないかな。」

泉山健人さん
「いないし、いたとしても、あんまりはっきりし過ぎると、新卒のときって配属とかも分からないじゃん、何をやらされるか。だから、むずかしいよね。」

この企業は、転職への不安を減らすよう、アプローチした人をオフィスに招くことも積極的に行っています。当時、泉山さんは、無料のドリンクや弁当が用意されるなど、社員を大事にする社風だとアピールしたといいます。

池嶋真吾さん
「世の中にはこういう会社もあるんだなっていうところにすごく新鮮な驚きを受けた。」

池嶋さんは、即戦力として活躍しています。
この企業の主力商品は、会計用のソフト。転職前、経理の仕事をしていた池嶋さんに、その営業を任せたのです。池嶋さんは取り引き先を回り、経理の知識を生かして、会計ソフトの売り上げに貢献しています。

池嶋真吾さん
「今後どういうふうにしたらもっと御社の中にどういうふうになりそうかってところをご報告したいと思うのですが。」

ツテ転職でこの企業が獲得した社員は、5年間で実に50人。これからも人材獲得の柱にしたいと考えています。

freee 人事担当 栗林由季さん
「社員がひとり社員を紹介して、そこで社員が決まれば、うちの会社って倍になるわけじゃないですか。全社員で採用することで、大きな可能性があると思っていて、そこはまだまだやれることが大きいかなと思っています。」

激変する人材争奪戦 即戦力獲得の新潮流

武田:ツテで他社の人材を引き抜くって、まさに仁義なき人材獲得合戦のように感じるが、このメリット、デメリットをどうみる?

常見さん:メリットでいうと、転職潜在層にアピールできるんですね。要するに、いわゆるサイトを見て応募してくる人だとか、人材紹介会社に登録している人だけじゃない、企業の中にいる優秀な人にアプローチできると。優秀な人がだんだん組織に囲い込まれるのが日本の労働市場なので、そこにアプローチできる。しかもコストが安く、人材紹介会社には手数料をだいぶ払わないといけないんですけれども、社員に10万、20万という報奨金を与えればOKと。ただし弱点もあって、類は友を呼ぶといいますけれども、同じようなレベルの人しか集まらないみたいなね。やっぱりターゲットによって採用手法って分けていくべきかなというところと、人間関係のトラブルが起こったら大変だなというところもありますよね。

鎌倉:実際に今、こういった転職者の獲得合戦、激化していまして、大手人材サービス会社の転職サイトに登録する転職希望者の数、4年前から大幅に増加しています。

企業側からの求人も増えていて、転職者に対する求人倍率は2.36倍と、これは1人に対して2社以上の求人がある状態となっています。

武田:今、就活中の若者も「その会社にずっといるわけじゃないよ」と言っているという話をよく聞くが、やはり若者も転職に関する抵抗感はなくなっている?

原田さん:転職状況も非常にいいですし、終身雇用みたいな感覚もなくなっているので、ある超人気の商社に内定した私の知り合いの子なんですけど、内定した直後から、もう転職を探し始めると。少しでも条件がいいところを見つけたら、もう移る。移る覚悟というか、選択肢を持つというのが、結構定番になってきてます。
(まだ会社に入る前から?)
それだけ行きやすくなっているということもあるんですけどね。
(それは、転職市場が活発で、自分が入る会社もどうなるか分からないというような思いもある?)
だから、昭和のように、ずっと終身雇用で、その業界や会社を信じ込むという感覚が、今の若い子たちにはないですね。どんな人気企業でも。

武田:日本の会社は、新卒一括採用、そして終身雇用というものに、これまで人材面では支えられてきた。そうした形が今後、ドラスティックに変わっていく?

常見さん:結論からいうと、新卒一括採用はなくならないんですよ。要するに人材難の時代だから、採用チャンネルの1つとして設けておくと。そもそもメディアって、新卒一括採用がなくなれば、世の中変わると思っていて、そんなこともう2、30年ずっと言っているじゃないですか。そろそろ新卒一括採用を仮想敵にするのはやめて、企業の現場では、さまざまな採用手段を組み合わせて、さまざまな人を採ると。問題はやっぱり、じゃあ採った人をどれだけ生かしているか。あと儲かる事業を作れているかどうかということで、問われるのは経営者、幹部だと思うんですね。ということなので、よく入社式で「創造的破壊」とかって言う社長もいるんですけれども、まず「あなたが変われ」ということをぜひ言いたい。経営者も変わってほしいと思います。
(もっと採用した人たちに、いかに投資をするか。)
やっぱりそこに具体的なお金をかけないと、人を入れないと、イノベーションなんて起こるわけないんですよ。だから、採り方変えたらイノベーション起こるなんて考えやめた方がいいと思うんですね。

武田:企業にとっては新しい人材、特に若い人というのは、活力そのもの。そういった人たちを、これからの時代、どう確保して育てていけばいい?

原田さん:まず、若者をとにかく徹底的にリサーチすることが大事ですね。どれだけ企業が若者研究にお金をかけているかというと、まだまだ少ないと思いますよ。今、採用氷河期になったものだから、急に一挙にリサーチもせずに若者にこびるようになっちゃっているというのが今の企業の状況で、あまりにもこび過ぎてて、こびりゃ若者が入るかというとそんなことはなくて、やっぱり企業の強みと、若者のニーズっていうのを掛け合わせる、それがマッチしたときに、うまくマッチングするわけですよね。
(例えば?)
私の知っている企業で、ある地方のIT企業なんですけど、IT企業がほとんどないエリアなんですが、意識高い系の若者に絞ったんです。つまり意識高い系若者だったら地方のIT企業というのに、地域創生みたいな考え方で応募してくれると。やや東京だと、忌み嫌われるような意識高い系の若者に絞って、採用うまくいっていると、そういうケースもあります。ターゲットをしっかり絞って研究する。
(若者を研究して、ターゲットを絞って、そうすれば地方でも人材は確保できると。)
今、ネットで情報入ってきますしね、いろんなタイプがいますからね。

武田:激変する人材争奪戦の現場から見えてきたものは、私たちが仕事をライフスタイルにどう位置づけるのか、そして、企業は新しい価値を作る活力をどう生み出していくのかという根本的な問いかけだと、今日は思いました。