クローズアップ現代

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2018年5月10日(木)
眠い ダルい 会社行きたくない…それって五月病!?

眠い ダルい 会社行きたくない…それって五月病!?

眠い、ダルい、会社に行きたくない…。この時期特有の体調不良、いわゆる五月病。専門家への取材を進めると、最近は若者だけではく、中高年にも広がっていることがわかってきた。さらに「働き方改革」が加速するなか、長期の休暇取得による影響も…。いま、広がる五月病のメカニズムを読み解きながら、その解消法を探る。

出演者

  • 武神健之さん (医師・日本ストレスチェック協会 代表理事)
  • 田中圭一さん (漫画家)
  • 厚切りジェイソンさん (IT企業役員・お笑い芸人)
  • 武田真一・鎌倉千秋 (キャスター)

ダルい眠い会社行きたくない…それって“五月病”!?

突然ですがYESかNOでお答えください。
「しっかり眠れているのに、疲れがとれない?」
「同僚とのランチや飲み会に疲れる?」
当てはまった人は要注意!「五月病」かもしれません。今年(2018年)は、最大で9日間あった大型連休。たっぷり休んだ人も多いのでは?
現実に戻りたくない、と、こんなパロディー動画も。

記者
「私たちは、祝日の延長を求めています。」

記者
「平日総辞職を求める声もあがっています。」

記者
「休日が終わることに対する説明責任を果たしてください。」

ナレーション
「月曜日氏はGW延長を見送ったとみられ、国民の反発は避けられない情勢です。」

新年度が始まって1か月余り。月曜には通勤電車で、具合が悪くなる人が続出。「五月病?」という言葉がネット上で急上昇しました。

街の人
「ギャップも大きいですよね。9日間ぐらい休んでて」

街の人
「ちょっと休みボケしてるかな」

あなたは大丈夫?五月病の最新情報と対処法をお伝えします。

眠い ダルい 出勤イヤ… それって五月病!?

今週、だるい、つらいと感じている方、多いんじゃないかと思うんですよね。僕も、「クロ現+」しばらく連休中、休みだったじゃないですか。今週ちょっと、つらいんですよね。

鎌倉:そうだったんですか?

ちょっとつらいんですよ。

鎌倉:そうは見えなかったんですが。今夜は武田さん含め、もしかしたら五月病かもしれない、そんな方々のために、こちらの3つの角度から、五月病を徹底的に分析していきます。

その五月病に関する、あるイベントの会場に、田中泉さんが行っています。田中さん。

田中キャスター:東京・荻窪にあるライブカフェです。こちらでは今週、「五月病を吹き飛ばそう」と銘打ちまして、お客さんがこのように、飛び入りで演奏できるイベントが開かれています。ギターとボーカルの演奏に、皆さん、盛り上がっていますよ。会社帰りなどにお客さんどうし音楽を聴いたり、そして思い思いに演奏をしたりということで、元気を出してもらおうというものなんです。

さて、連休明けの皆さん、どういう状況なんでしょうか。キーワードを書いていただきました。ちょっと見せていただいていいですか?

“1週間これから長いなぁ”

田中キャスター:1週間これから長いなぁ、どういう気持ちなんでしょうか。

イベント会場の男性
「この連休、カレンダー通りだったんで、すごく長くはなかったんですけど、やっぱり遊んでたもので、月曜日になって、満員電車に乗って、ああ、これからまた1週間長いなぁーと思って、ちょっと気分が落ちました。」

田中キャスター:やっぱりいつもの1週間よりも長く感じます?

イベント会場の男性
「まだ終わんないのか…と。また、今週土曜日も出勤なものですから。終わらない感じですね。」

田中キャスター:もう一方うかがってみましょうか。こちらの女性の方。見てください、「すでにお仕事休んじゃいました。」どういうことでしょうか?

イベント会場の女性
「ゴールデンウィーク、たくさん休んで、その後、月、火って仕事したんですけれども、休んだ分を取り戻そうと思って張り切ってしまって、水曜日にお休みしてしまいました。」

田中キャスター:昨日(5月9日)?

イベント会場の女性
「ちょうど昨日です。」

田中キャスター:ちょっと具合が悪かったんですか?

イベント会場の女性
「支度して出る寸前だったんですけど、ちょっと横になりたいなと思って横になったら、起きれなくなってしまって、休んじゃいました。」

田中キャスター:こうした五月病の正体って、一体何なんでしょうか。どうやったら乗り越えられるんでしょうか。スタジオの皆さん、教えてください。

眠い ダルい 出勤イヤ… 五月病の正体とは

ゲスト武神健之さん(医師・日本ストレスチェック協会 代表理事)
ゲスト田中圭一さん(漫画家)
ゲスト厚切りジェイソンさん(IT企業役員・お笑い芸人)

産業医として1万人以上の相談に乗ってきた、医師の武神さん。教えてください、ということですけど、そもそも五月病って何なんですか?

武神さん:五月病ですが、実際はこれ、私は、自分の経験上は、正式な病気じゃないなというふうに考えてるんです。

とすると?

武神さん:いわゆる「メンタルヘルス不調」とよく言われてる病気がありますけれども、それの一歩手前。この五月病の状態で、どうにかすることによって、改善する人もいるし、重篤(じゅうとく)になる人もいる。大切な状態なんです。

そして誰にでもっていうのは?

武神さん:よく五月病って、新入社員とか若い人だけととらえられがちなんですけれども、実際に産業医をやってると、中高年の方でも五月病になる方は結構いらっしゃると思います。

そして、もうひと方。例年、5月になると気分が落ち込むという、漫画家の田中さん。うつ病を克服する漫画を出されて、ベストセラーになったということですけれども、5月がだめなんですか?

田中圭一さん:うつ病になって、抜けたときに、何が自分のトリガー(=引き金)になるんだろうということを、2年間ぐらい、日々の精神状態、気持ちの状態を取ったデータをグラフ化してみたところ、3月と5月と11月に谷間があったんです。

春と秋ですね。

田中圭一さん:普通、うつ病っていうと、夏は元気で冬が調子悪いと思いがちですけれども、3、5、11に共通するものは何かと見ると、日々10度ぐらい温度差がある時期なんですよ。この季節ね。

今日なんか寒かったですもんね。

田中圭一さん:逆に先週はTシャツでも汗ばむぐらいの陽気で、今週になったら急にセーターがいるっていう、この気温差で一気に気持ちが落ちてしまう。キーボードで文字打ってても、ちょっとしたことでミスタッチが起こっちゃいまして、あれ?なんでこんな簡単なこと間違えるんだろう、なんで俺ってだめなんだろうみたいなマイナス思考になって、たかだかミスタッチしただけで気分が落ちちゃうみたいな。

やっぱり季節的な要因というのもあるんですか?

武神さん:気温の変化、天気の変化っていうのは、どうしても体が順応しなければいけないので、体がストレスに感じる人もいらっしゃると思います。

実はこちら、武神さんに監修していただいた、五月病チェックシートというのを作ってみました。これが2つ以上当てはまると、可能性があるということなんですが、僕は3つ。4月、子どもが高校に入ったり、僕はそもそも眠れないっていったのがあったりですね、趣味や遊ぶことも、なんとなく面倒くさいということなんですけれども、ジェイソンさんは?

厚切りジェイソンさん:すみません、僕も2つ以上、選んじゃいました。4月に長女が小学校に入りまして、ちょっと同僚との飲み会は疲れちゃうんだよね。

ちょっと五月病かなと思いました?

厚切りジェイソンさん:いや、僕は全然五月病は認めてないぐらいな、なんなのか分かんないぐらいなんですけどね。

でも、もしかしたら可能性があるかもしれない。

厚切りジェイソンさん:と言われたら、ちょっと驚きましたね。

鎌倉:自覚はないけれどもっていうところなんですかね。

見た目元気ですけどね。

厚切りジェイソンさん:元気のつもりです。

五月病 徹底分析 原因は「四月」!?

鎌倉:五月病を徹底分析していますけれども、原因がこちら、実は4月にありということ、これ、どういうことなのか、武神さんが実際に診察されたケース、ちょっとご覧いただきましょう。
入社2年目のAさん。4月、初めての後輩を迎え、気分も高まります。でも、かわいがられる後輩を見て、「えっ、自分よりもできるんじゃないか」と心配になっていくと。なんとか先輩らしいところを見せようと、仕事に打ち込みますが、次第に周りからいつも新人と比較されているように感じていきます。そして大型連休明け、だるくて会社に行けなくなってしまったということなんですよ。

武神さん、このAさんの場合は、この4月に後輩が入ってきたことが、この5月の不調につながっているということなんですね。

鎌倉:ちょっとこちらに模型を用意しました。心の動きというものをご説明いただきましょうか。Aさん。

武神さん:まず4月に後輩が入ったというのは、言葉を変えれば、「4月に先輩になった」という変化が、Aさんには生じたわけですね。

武神さん:先輩になったころで、本人は希望と期待を持って頑張るんです。頑張ってるんだけれども、なかなか結果が出てるように感じない。そんな中で、新人の方が褒められてると、あれ、私より向こうのほうがいいのかな?というふうに、ちょっと不安が出てきて。

すでに4月にもう不安があるわけですね。

武神さん:実際に「少し会社に行くのが行きづらいな」、4月の最初ほどルンルン気分では行けなくなってしまった。そこでゴールデンウィークが来ました。多くの方は、ゴールデンウィークにリセットですよね。リフレッシュできるわけです。そうすると、今まで後輩のことが気になってたのが、「まあ、いいか」というふうに思えたり、もしくはもう少し視界が開けて、「まあ、あんまり気にしないで、来年考えたらいいや」と。もう少し気軽に考えることができることが多い。ただ、中には上手にリセットがいかないと、沈んだ気分のまま、ゴールデンウィーク明けを向かうので、どうしても壁が高く感じちゃうんですね。緊張が緩んだ分、やっぱりもとの生活に戻るのはかなり大きい。

ということなんですね。

厚切りジェイソンさん:今の説明を聞きますと、大型連休があるおかげで、(五月病になる人が)より少ない人数で済むことに聞こえます。多くの人がリセットできるから、もうそれで頑張れると思うんですけど、大型連休がなければ、4月の原因でもっとそういう病気になる人がいるんですか?

武神さん:日本はどうしても、4月に新年度が始まって生活の変化がありますので、連休がないと、ここで疲れ果てちゃう人も出てくるかもしれないと。

もう1つ例を見てみましょうか。

鎌倉:先ほどもお話にありました、若い人たちだけではない、ということなんですけれども、こちらも武神さんの診察したケース。
40代の管理職のBさん。この春、めでたく昇進します。新たな部署で業績を上げようと、部下に次々と指示。仕事に熱が入りますが、次第に部下からは距離を置かれるように。それでも1人、黙々と仕事を続けたんですけれども、大型連休明け、めまいや睡眠障害を訴え、会社を休むようになってしまったそうです。

若い人だけじゃないということなんですけど、中高年の特徴って何かありますか?

武神さん:中高年の方の場合は、自分の変化だけじゃなくて、例えばこの方だと、部下の人たちも、実はお子さんが小学校に入ったり、奥様が働きに出始めたり、部下の変化にまで気付いてあげなかった結果、部下に「がんがん働こう」と言っても、みんなが乗ってきてくれなかったと、そこらへんでの原因が、ストレス原因が生じてしまった。この、“他人との関わり合い”というのが若い人よりも多いというのが、中高年のストレスの原因として多いように感じます。

五月病 徹底分析 休みが増えてかえって!?

鎌倉:周りの変化も影響するということなんですけれども、こちらをご覧いただきましょうか。今週、SNSに上げられた五月病に関するたくさんの投稿、この中で私たちが気になったものがありました。例えばこちら、「17連休したせいで、頑張るぞ的なものが一気に崩れた、五月病です。」「五月病、体調不良を引き起こすなら、ゴールデンウィークなんかいらない」と。これ、近年、休みが取りやすくなったことが、裏目に出ているようにも聞こえるんですけれども。

ジェイソンさん、どうですか?

厚切りジェイソンさん:これはちょっとした、「Why Japanese People!」なんですよね。実はその多くの問題が4月から来てるでしょう?休みがあるから、なんかうまくいかないという言い訳に聞こえるんですけど、実はそこでリセットができたら、もっとうまいこといくのにな、と思うので。最近ですと、働き方改革とか、いろいろ言ってますけど、もっと休めとか。それは大型の休みじゃなくて、自分に合った休み方、少しずつとか、毎日早く帰ろうとか、そういうようなことなんじゃないですかね。

アメリカだとやっぱり、自分の好きな時期に休みが取れたりとかできるんですか?

厚切りジェイソンさん:わりと自由に有休がいつでも使えます。

やっぱり4月って田中さん、いろいろプレッシャーかかる時期ですからね。休みも自分のペースで欲しいですよね。

田中圭一さん:確かに4月っていうのは、小学生のころから、クラス替えがあって、仲のよかった人たちがばらばらになっちゃって、友達も見つけなきゃみたいなプレッシャーを、ずっと毎年、小中高で12年重ねるじゃないですか。何もない人でも、4月っていうと、トラウマのように憂うつな気持ちがあるのかなっていうふうにも感じますね。

だからやっぱり、それぞれ皆さん、不調になるペースもばらばらですよね。

武神さん:原因はいろんなことがあると思いますね。それぞれの原因があって、ただそれをどういうふうに乗り越えられるかというのを、ゴールデンウィークの過ごし方だったり、そこでのリセットができるか否かというのが、大きいんだと思います。

眠い ダルい 出勤イヤ… 五月病の正体は!?

さあ、ライブ会場の皆さんは、ここまでの話をどういうふうにお聞きになったでしょうか。田中さん。

田中キャスター:こちら、今までのスタジオの話、皆さんと見てたんですけれども、いろいろと響いたという方いらっしゃいました。こちらには、ゲームの開発の会社で、新入社員とそして2年目の社員の指導を任されているという方なんですが、どんなことに共感されました?

イベント会場の男性
「今、スタジオでもおっしゃってたように、1年生は先輩に見てもらってて、2年生、つまり去年の新人、“2年目のみんなが業務が多く任されたり、先輩としてふるまうとかいうところで、思わぬ悩みとかがないか”、というのはすごくフォローが必要なんじゃないかなと思って心配しています。」

田中キャスター:ありがとうございます。そしてもうひと方、こちらの方は4月に職場環境が変わられたという方なんですが、見せていただいていいですか?先ほど田中さんのお話にもありましたが、寒いとネガティブになる。

イベント会場の男性
「ここ最近みたいに、暖かい気温から寒い気温に急激に下がった時にとかに、すごい気持ちが落ち込みます。職場で何気ないコミュニケーション取ってる時とか、相手が自分のことを嫌ってるように思ったりして、それが自分の中にたまって、すごい落ち込んだりというのがあったりします。」

田中キャスター:昨日、今日とかも寒いですけれども。

イベント会場の男性
「まさにちょっと、何気ないやり取りでも、落ち込んだりとかがありました。」

田中キャスター:明日は少し気温が上がるみたいなので、調子よくなるといいですね。

イベント会場の男性
「頑張ります。ありがとうございます。」

五月病 徹底分析 放置すると重症化!?

鎌倉:見てる方で、まだ五月病が抜け切れないという方、いらっしゃるかもしれませんが、これ、実は放っておくと重症化の心配があると武神さんもおっしゃっていました。こちらは、今日番組に寄せられたケースなんですね。
この方、2年前の4月、昇進したんですけれども、新しい環境になじめずに、朝早く目覚めてしまったり、激しいどうきが起きるようになりました。会社を休みがちになり、心療内科を受診したところ、適応障害と診断され、この方は今もうつ病で休職中だということなんですよ。

武神さん、五月病が深刻化して、適応障害やうつ病にまでなってしまう可能性があるんですね。

武神さん:全員がなるわけじゃないですけれども、五月病の人、大半はそのまま、知らず知らずのうちに改善する。中には、負のスパイラルに入って、本当の病気になってしまう人もいらっしゃるんですね。

負のスパイラルっていうと?

武神さん:例えばこの方だと、仕事中に動悸が続くと、どうしても集中できないですよね。そうすると、仕事がはかどらない、結果、残業が増える、残業が増えた結果、家に帰る時間が遅いから、寝る時間も遅い。ただでさえ眠れないところに、ベッドにいられる時間が遅くなり、翌朝よりも体調が悪い。体調が悪いと、動悸も起きるし、集中しづらい、そうすると、また残業が増えるという、負のスパイラルが回っていってしまう。

田中さんもやっぱり負のスパイラルって、ご経験ありますか?

田中圭一さん:私がうつになった一番の原因というのは、やはり何か失敗したときに、自分が悪いんだ、自分がなんとかしなきゃっていう…、サラリーマンになったばかりのころ上司から言われた「周りの環境というのは変えようがないんだ、でも自分は変えていけるんだから、自分を変えろ」ってことを、失敗した時に「変えなきゃ、変えなきゃ」と自分を責めることによって、どんどん自分がだめなものに、だめな人に、というふうに感じるようになって、負のスパイラルに入っていったのが、うつになったきっかけです。

時には、俺のせいじゃないっていうふうに開き直るのも大事ですよね。

厚切りジェイソンさん:誰かのせいにするよりも、問題を意識して、解決法だけを見ていればいいんじゃないですか。僕は思うんだけれども。

そうか。そうですね。

“五月病退社”を防げ 企業の取り組み

鎌倉:今回、SNS上には、「五月病をきっかけに会社を辞めてしまった」という声も結構あったんですね。そんな中、企業の側も、その対策に乗り出し始めています。こちら、ご覧ください。ITベンチャー企業では、社員一人一人の心の健康状態を把握するために、5年前に心の天気予報というアプリを開発しました。これ、出退勤のときに必ず自分の心の状態を6つの天気マークで会社に送るんです。その結果、上司が部下の心の状態を気にかけるようになって、離職者も減少したということなんです。今ではこのアプリ、商品化されて60社で導入されて、1万人以上が利用しているんです。

このアプリを開発した経営者の方と、中継がつながっていますので、聞いてみたいと思います。石田さん、よろしくお願いします。こんばんは。

ベンチャー企業 社長 石田有さん:よろしくお願いします、こんばんは。

このアプリを開発されたきっかけって、なんだったんでしょうか。

石田さん:きっかけをひと言で申しますと、上司、管理職としての、後悔をきっかけにしています。

後悔?どういうことですか?

石田さん:具体的に言いますと、自分の席から5メートルも離れていない新入社員のメンタル不調に気付けなかったということがありました。

やっぱりそれは上司としても、つらい経験だった?

石田さん:つらかったですね。自分がしっかりしていれば、いわゆるクリニック等に行かなくても済んだ、やはり自分が何をしてたんだという後悔が強く残りました。

企業としてこういったメンタルヘルスの不調に取り組むということの意味はどういうふうに今、お考えですか?

石田さん:今、深刻なほど、人が採用できません。私も実感しているんですが、この採用氷河期といわれるこの時期に、会社が取るべき行動は、今いる社員の方々、いかに安心感、安全感を持って働いていただけるようにするか、ということだと思うんです。そのために必要なのは、数字を追いかけるだけではなくて、働いてる方々の心をシンプルに可視化して見守っていく、小さな変化に気付く、そして予防的にフォローする仕組みを作っていくことが必要になってきているのかなと思います。

ありがとうございました。

五月病リスク 悪化する前に

ジェイソンさんも、このIT企業の役員を務めてらっしゃいますけれども、やっぱり社員の心の状態を把握するのは。

厚切りジェイソンさん:非常に大事ですよね。社員が何か問題とか何かを抱えているときに、もう最大のスキルは発揮できないじゃないですか。効率よく、気持ちよく働いてもらうと、さらにいい仕事ができますし、せっかくいい人を見つけたら、もう一人を見つけるのはなかなか大変だから、縁があった人と一緒に効率よく、長く働きたいんですよね。

どうやってコミュニケーションって取るんですか?

厚切りジェイソンさん:僕は基本、アメリカにいるんですけれども、僕の場合は、直接話し合うことが多いんですよね。

直接話し合う?

厚切りジェイソンさん:何かいつもと違うなとか、どうしたの?とかをたまに聞きますね。

田中さん、でもね、やっぱり自分の不調を誰かに話すって、難しいんじゃないですか。

田中圭一さん:やはりちょっと心の問題、心の病を抱えてるっていうのをしゃべると、特別な人みたいに見られちゃうような風潮がまだありますよね。私がうつ病から脱出したことを本にしたいと思ったのは、できるだけそういったハードルを下げたい、誰でも患っちゃうことだよね、と思うような世の中に早くなってほしいなっていうのはあります。

実は僕も、NHKの中に精神科のお医者さんがいらっしゃるんですけれども、たまにちょっと不調なときにお話聞いてもらったり、薬をもらったりしてるんですよ。それ、後輩に言ったら、えっ?武田さん、そうなんですかって、ちょっとびっくりされたりなんかして。

鎌倉:私も初めて聞いたときに、あっ、そうなんだと思って。先輩がそれをオープンに言ってくれると、後輩は、ああ、そういうことって話していいんだっていうふうに感じたんですね。すごく楽になったっていう。

お互いに語り合うっていうこと。

武神さん:そういうことを、日本ってどうしてもそういうメンタルヘルスの話題ってネガティブな恥じらいの文化ですから、それをオープンに話せるだけで、だいぶ違うと思うんですね。

五月病どう乗り越える カギは6月!?

鎌倉:さあ、では私たちはこの五月病をどう乗り越えていけばいいんでしょうか。なんと、鍵は来月の6月にあるということなんですよ。

6月?どういうことですか?

武神さん:実は、ゴールデンウィークが終わると、次の祝日は、7月の16日の海の日です。日本で一番祝日のない期間に私たちはいるんですね。

長いですよね。

武神さん:そこで大切なのは、6月に、月曜日から金曜日、例えば6月の22日ですね、祝日を入れることによって、3連休を自分で作ってしまう。やっぱり休み方を変えると。

祝日じゃないけど、自分で有給休暇使って、計画的に取ると。

武神さん:そうすると、来週連休だ、来月海外旅行だ、っていう時は誰だってストレス度が減りますよね。ちょっと楽になりますよね。そういうのを6月こそ、自分で休みを入れてしまうっていうのが大切なんじゃないかと。

あらかじめ自分で休みの計画を立てると?

武神さん:マラソン選手は42キロしっかり走るために、のどが渇いて水を飲むんじゃなくて、あらかじめ水も飲む、給水ポイントを決めてるんです。同じように、働く現場で元気にやってる人たちほど、疲れて休みじゃなくて、あらかじめ自分で休みを取ってるんです。1年間の中で取ってたり、一つの区切りの中で取ってたり。

休み方改革ですよね。

武神さん:そうですね、休み方改革。

厚切りジェイソンさん:出たときにちょっと笑っちゃったんですけど、なんでも、改革、改革と言いたくなるんですけど、それは改革じゃなくて、普通に当たり前のような現象になればそれでいいと思うんですけどね。

そうか。別に改革しなくても、これは普通に。

厚切りジェイソンさん:改革じゃないでしょ、疲れたときは有休を使おう。それが改革ですか?それをやるのは改革じゃなくて、必要という段階でおかしいんですよね。

眠い ダルい 出勤イヤ… 五月病 どう乗り越える

田中キャスター:参加者の方からも質問が出てるので、ちょっと、聞いていただいていいでしょうか。お願いします。

イベント会場の女性
「五月病の方がもしいらっしゃったら、どのように支えていったらいいのかなと思います。周りを見ていても、つらそうだなって感じる方もいらっしゃいますし、うちの娘も今就活中ですが、来年社会人になった時に、そういうことになった時にどうしたらいいのかなと。自分ごとだけではなく、皆さんが明るくなっていただくにはどうしたらいいのかなって、常々考えています。なので教えていただけたらうれしいです。」

どうですか?

武神さん:これは簡単で、ぜひその人に、「いつもと違うけど、どうしたの?」って声かけてあげてください。そして声かけて、話を聞いてあげてください。アドバイスとかいらないですから、相手が話すのをどんどんどんどん聞いていただくと、それだけです。

厚切りジェイソンさん:それだけでいいんですか?

武神さん:話すことによって、その人は楽になります。

田中さんは経験者として、どんなアドバイスを。

田中圭一さん:気持ちが落ちてるときって、さっきも言ったように、自分を責めたり、自分に価値がないんだと思ってることが多いと思うんですよ。仕事している中で、何かしら、ちょっとだけ褒められることも、まあまああると思います。例えば「わりと事務処理能力は高いんだね」とか、「細かい気配りできるよね」って、それを1回でも聞いたら、心の中で何十回も反すうするんですね。「俺、事務処理能力は高いんだ、事務処理能力はいけるよな」って、繰り返すうちに、なんか自分に価値があるというか、自分にもいいところがあって、「あっ、いけるじゃん」ということで、だんだんいいスパイラルの方にいける。

鎌倉:自分を褒めてあげる。

武神さん:それはすごく大事だと思います。

本当、今、ちょっと調子が悪いと感じている皆さん、今週はしょうがないと思います。でももし、来週もその不調が続いていたら、ぜひ身近な人に相談したり、お医者さんのアドバイスを受けたりすることが必要かもしれません。遠慮なく、語り合うことが大切だと思いました。