クローズアップ現代

毎週月曜から木曜 総合 午後10:00

Menu
2018年4月18日(水)
追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト

追跡! 脅威の“海賊版”漫画サイト

ある海賊版サイトの出現が、漫画を窮地に追い込んでいる。その名は「漫画村」。新作を含め5万冊以上の作品をスマホでサクサク無料で読める。10~50代まで幅広い世代が利用し、先月の訪問者数はのべ1億7千万人を突破。前代未聞の事態となっている。漫画家や出版社の被害は甚大だとして、先週末、政府は緊急の対策案をとりまとめた。サイト自体を閲覧できないようにする「サイトブロッキング」を容認する意向だ。しかし、「通信の秘密」の侵害や「検閲」にあたるとして反論も多く、議論は紛糾している。一体、漫画村の運営者は何者なのか?「著作権が保護されていない国で運営しているため違法性がない」と強弁し、莫大な広告収入を稼いできたと見られる運営者。匿名で利用できる海外のサーバーなどを使って身元を隠しているため、追跡が困難だ。番組では、世界各国でその痕跡をたどり、運営に関わりがあるとされる人物に迫る。そして、読者や広告主を利用して荒稼ぎする、驚きの新事実も判明。謎に包まれた海賊版サイトの実態を探る。

出演者

  • 福井健策さん (弁護士)
  • 赤松健さん (漫画家 日本漫画家協会理事)
  • NHK記者
  • 武田真一・鎌倉千秋 (キャスター)

脅威の海賊版漫画サイト 謎の運営者を追跡!

被害額は3,200億円!?ある海賊版漫画サイトが、前代未聞の事態を引き起こしています。
5万点を超す漫画が無料で読み放題という海賊版サイト「漫画村」です。

「無料のサイトだと思ってたので、普通に読んでました。」

先月(3月)のアクセス数は、延べ1億7,000万。これまでとケタ違いの著作権の被害を生んでいます。
自分の新作が発売直後に勝手に掲載される漫画家たちはショックを隠せません。

漫画家 じゃんぽ〜る西さん
「泥棒ですからね、漫画業界から見れば。言語道断ですよね。」

政府は、悪質な海賊版サイトを閲覧できなくする緊急対策を発表。しかし反対も多く、議論が紛糾しています。
一体、漫画村の実態はどうなっているのか。運営者が巧妙に身元を隠す中、取材班は、インターネットに残された手がかりをもとに、サイトの運営に関わっている可能性のある人物に迫りました。

漫画村問題取材班 田辺幹夫記者
「あなた自身は漫画村の運営者ですか?」

男性
「●●●●●」

さらに、ネット広告の仕組みを悪用して収益を上げる「裏広告」という手口をスクープ。脅威の海賊版サイトの実態を徹底追跡します。

著作権を侵害された作品が多数掲載された漫画村。先週以降、閲覧できなくなったり、一瞬閲覧できたりと、混乱が続いています。
このサイトの実態に迫るため、取材班は漫画村のサーバーの在りかを探ることから始めました。まず調べたのは、インターネット上の住所IPアドレスです。

漫画村問題取材班 田辺幹夫記者
「このサーバーを使っていることがわかります。」

漫画村のIPアドレスから、サーバーの管理会社が分かりました。「クラウドフレア」という会社です。そのサーバーは、アメリカ・アリゾナ州にあると表示されました。早速、取材班はアリゾナ州フェニックスへ向かいました。
たどり着いたのは、ある巨大なデータセンターです。

この中に、クラウドフレア社のサーバーが置かれています。漫画村のデータはここにあるのか。尋ねると、個別の顧客情報は明かせないとして、確かめることはできませんでした。
クラウドフレア社は、サーバー管理の世界有数の企業です。顧客に代わって、大量の画像や動画のデータを配信するサービスを行っています。
しかし、悪意を持った人物が利用すると、元のサーバーの位置が外部から隠れるため、身元が探られにくくなります。この仕組みが漫画村の運営者を探る上での壁となっていました。しかし、取材に応じた会社の弁護士の言葉に、この壁を突破するヒントがありました。

クラウドフレア社 顧問弁護士
「著作権者(漫画家や出版社など)からコンテンツの削除要請があれば、サイトの運営者の情報をお伝えしています。」

そこで取材班は、削除要請を検討している出版社を訪ねました。

この出版社が扱っている漫画も、漫画村に無断で掲載されています。出版社は、クラウドフレア社に漫画村に掲載されたコンテンツの削除要請を送りました。

エコーズ 代表取締役 芹田治さん
「(返事が)来てくれるとうれしい。これで止まったら、一個、解決手段が見えたっていうことになる。」

翌日、早くも返事が返ってきました。クラウドフレア社によれば、漫画村のサーバーはアメリカではなく、さらに別の国にあるといいます。

エコーズ 代表取締役 芹田治さん
「どうやらウクライナにある企業っぽい。」

取材班は、ウクライナの会社を直接訪ねることにしました。その会社の住所は、首都キエフの中心部に近いアパートになっています。経営者を訪ねると、驚くべき答えが返ってきました。

「彼(経営者)はもう4年半ここにはいない。」

「えっ、いない?」

「4年半前に殺されたんだ。」

「あなたは?」

「私は彼の父親だ。」

父親と名乗る男性は、この場所は自宅で、会社の存在について知らないと主張しました。その後、会社は買収されたことが判明。取材班は、買収した会社のオーナーに会うことができました。旧ソ連時代の倉庫と見られるこの建物で、250台のサーバーを管理しているといいます。

漫画村のサーバーに関する情報を伝えると…。

買収した会社のオーナー スミルノフさん
「このサーバーは確かにここにある。」

まさに、この倉庫の中に漫画村のデータがあることになります。

「これがそのサーバーなんですね?」

買収した会社のオーナー スミルノフさん
「そう、区画12の4、12の3だ。」

では、オーナーは漫画村の運営者の情報を知っているのか。

買収した会社のオーナー スミルノフさん
「借りているのはアジアの企業だ。それ以上は言えない。」

「それは日本?韓国?中国?」

買収した会社のオーナー スミルノフさん
「それは言えないね。」

脅威の海賊版漫画サイト 謎の運営者を追跡!

ゲスト 福井健策さん(弁護士)
ゲスト 赤松健さん(漫画家 日本漫画家協会理事)

鎌倉:その後、さらに取材を進めますと、ウクライナのサーバーは、スウェーデンのプロバイダーを介して漫画村の運営者側と契約を結んでいることが、今回、初めて明らかになりました。そのスウェーデンのプロバイダーは「防弾ホスティング」と呼ばれるサービスを提供しているんです。

こちら、この防弾ホスティングというのは、契約者の情報を徹底的に秘匿することを売りにしていまして、削除要請や問い合わせには一切応じません。これ、使い方によっては犯罪の温床になるともいわれているんです。

著作権がご専門で、出版社や漫画家の顧問弁護士も務める福井さん。
日本の漫画の海賊版サイトが、アメリカ、ウクライナ、スウェーデンと、世界を股にかけた仕組みで運営されている状況をどう見る?

福井さん:やっぱり身元を隠すためだと思うんですね。要因は2つあります。1つは、海外の責任追及の難しいサーバーがある。それから2つ目は、身元を隠して、それをコントロールできる技術が発達しているという、多発する、身元を隠した犯罪と同じ要因ですね。仮に大元のサーバーにたどり着いたとしても、サーバーの所在についてはいろんな情報あるんですけれども、仮にたどりついたとしても問い合わせにも答えないし、また削除要請にも応じない。国によっては、削除を求めるための法制度が未整備で、その責任追及には費用も時間もかかって、その間にさんざん稼いで逃げられてしまうというような構図があります。

こういったサイトを運営する、そもそもの狙いは何?

福井さん:純然たる営利目的であるのか、あるいはその他の目的があるのか、ちょっと外見的には読めないですね。

そして漫画家の赤松健さん。
ご自身の作品も被害に遭われているということだが、運営者に対して、どんなことを言いたい?

赤松さん:われわれ漫画家が下書きからペン入れ、仕上げまで、すごい長い時間かけて、一生懸命やっているものを全く無関係な海賊版業者が金もうけに使っちゃうというのは、非常に憤りは感じますね。特に被害が大きいのは、若い新人さんとか、われわれベテランは紙で買っていただいているんですけれども、若い作家にはかなり直撃されていますね。
(売り上げにも影響が出ている?)
電子はもっと伸びるはずなんですけど、相当鈍化しています。

その運営者、一体何者なんでしょうか。さらに追跡しました。

海賊版漫画サイトの闇 ホワイトハッカーと追跡!

取材班は、漫画村を問題視し、その存在を独自に追っているホワイトハッカーを取材。サイト運営者の追跡を続けました。
ホワイトハッカーは、インターネットの中に、サイトの運営者を示す痕跡が残されていないか徹底的に探しました。見つけたのは、およそ1年前のサイトの登録情報。当時の情報に、ある会社A社の名前が記されていました。ホワイトハッカーがA社の事業について詳しく探っていくと、ある人物B氏の名前が出てきました。その名前が、漫画村に関連していると見られるメールアドレスの一部と一致したのです。

ホワイトハッカー
「推測な部分は強いですが、何らかの関係者である可能性は高いと思います。」

調べると、B氏は2年前まで、都内で飲食店を経営していたことが判明。訪ねてみると、その店はもうありませんでした。しかし、ビルのオーナーはB氏のことをよく覚えていました。

ビルのオーナー
「家賃のことはきちんとしていた、電気代とかそういうことも。いい借り主が入ったなと思っていたんですよ。ただ、お店はガラガラだった。でも金は持っていたね、彼は。だって家賃ぽんと払うし、従業員のあれ(給料)だって、もうきちんとやっていたからね。」

そんな中、春の嵐が吹き荒れた、先週11日。漫画村に大きな変化がありました。サイトがつながらず、画面にはメンテナンス中の表示。

漫画村は閉鎖したのでは?という臆測が飛び交いました。そこで取材班は事実を確認すべく、取材の過程で入手したB氏の携帯電話に連絡、取材を試みました。

漫画村問題取材班 田辺幹夫記者
「Bさんの携帯ですか?」

漫画村に関わっていた可能性があるB氏
「はい。」

B氏が電話に出ました。

田辺記者
「漫画村というサイトについて取材してまして、これについてはご存知ですか?」

B氏
「はい、知ってます。」

しかし…。

B氏
「きょう質問形式で何個か聞いて、月曜に折り返しでも大丈夫ですか?」

そして、一昨日(16日)月曜B氏に改めて電話しました。まず、かつて漫画村のサイトの登録情報にあったA社について聞くと…。

田辺記者
「BさんがA社の『中の人』と考えられるんですが、これはどうでしょうか?」

B氏
「まあ、そっすね。内部は知ってるんじゃないですか。」

そこで確信となる質問をぶつけました。

田辺記者
「あなた自身は漫画村の運営者ですか?」

B氏
「違いますね。」

田辺記者
「管理している人とか運営者をご存知ですか?」

B氏
「ちょっと答えられないですね。」

そして…。

田辺記者
「A社は漫画村を使って利益を得ている会社なのかなと、私どもとらえておりまして。」

B氏
「A社自体がそれやっているわけじゃないんで。」

田辺記者
「A社自体が漫画村をやっているわけじゃないということなんですか?」

B氏
「そっすね。広告代理店とかプログラム開発とかですね。」

海賊版漫画サイトの闇 ホワイトハッカーと追跡!

田辺記者:私たち取材班は、合計3度にわたって、およそ1時間の電話取材を行いました。その中でB氏は、自分は漫画村の運営者ではないと否定しました。ただ、漫画村のサイト情報を登録したA社を立ち上げたと話していました。このA社については、プログラムの開発などを行う会社だと説明し、漫画村と何らかの関わりがあることを示しました。

赤松さんは、こうしたやり取りを聞いて、漫画村に携わっている人物像をどう見た?

赤松さん:私、電子書籍会社を運営しているんですけれども、やっぱり1人では、このクラスのサイト運営は無理です。まず資金を管理して方針を決めるリーダーと、あと24時間サーバーを管理するエンジニア、あとちょっとしたデザインとかのフォントとか決めるデザイナーの3人、できれば5人、うちは13人でやっています。そういう感じなので、1人というふうにはならないと思います。あと、少年漫画と少女漫画と、ジャンル分けも正確なので、恐らく日本人。
(日本の漫画に詳しい?)
相当好きな人だと思いますね。

鎌倉:その漫画村サイトの最新状況なんですけれども、昨日(17日)の午後からアクセスできないと表示されているんですけれども、ただ、サイト自体が閉鎖したかどうかは不明なんですよね。先週、この漫画村が閲覧できない状態になって以降、今度は別の海賊版のサイトがSNS上で話題になったりして、いたちごっこが続いているんです。

福井さん、ほかにもこういった海賊版サイトがある?

福井さん:大体200ぐらいあるんじゃないかといわれているんです。昨年(2017年)史上最悪といわれた「フリーブックス」といわれる海賊版サイトが、これが最盛期に1,000万単位の月間アクセスを集めたんですね。昨年、突如閉鎖されたんですけれども、この漫画村は、あっという間にそのアクセス数を超えてしまって、もはや1桁完全に上回る規模になっていることになります。仮に閉鎖されたとしても、後継サイトが現れて、また数千万のアクセスを集めてしまう。まさに、いたちごっこといえるような状況ですね。

こういったサイトは、どうやって広まっていく?

福井さん:SNSなどを利用した口コミでの広まりが、やっぱり多いですね。

こうして次から次へと出てくる海賊版サイトですが、その背景には、アクセスを集めるだけで収入を生み出す広告の仕組みがあります。今回、漫画村の資金源について、新たな仕組みを突き止めました。

海賊版漫画サイトの闇 ネット広告 驚きの錬金術

漫画村のサイトに表示されていた広告です。

アダルト系や香水、洋服などさまざま。こうした広告が収入源になっていたと見られます。
取材班が広告主に対して、漫画村に広告を出していることについて尋ねると、ある1社は「漫画村というサイト自体知らなかった。広告をどこへ出すかは代理店に任せている」と回答。このほかにも取材に応じた広告主は全て、漫画村に自社の広告が出ていることを知らなかったと話しました。
そこで、広告代理店に取材を試みると、ある広告主と漫画村の運営者の間には、少なくとも3社の代理店が介在していることが判明。このうちの1社が取材に応じました。

広告代理店
「『(そのサイトは)結構アクセスが出て、売れたりしています』という話を聞いたので、じゃあやってみようかと思って、やったんですよ。最初からそれ(漫画村)がわかっていたら、当然そんなのに出さないんですけど。」

海賊版漫画サイトの闇 大企業をだます裏広告

そうした中、驚きの情報が飛び込んできました。「裏広告」の存在です。サイトの解析を依頼していたネットセキュリティーの専門家によると、これまで知られていない広告の仕組みが隠されていたというのです。
漫画村のページをスクロールさせていくとこの部分で終わりになっています。

ところが、この下に隠しスペースがあるといいます。専門家がページのプログラムを書き換え、表示するようにすると、隠しスペースに全く別のサイトが現れました。

ネット上の記事や話題を紹介する「まとめサイト」です。何とそこには、誰もが知る大手企業の広告が数多く掲載されていました。

田辺記者
「これは大手の住宅、不動産の広告ですね。」

つまり、漫画村にアクセスすると、実際には見ていない別サイトの広告も閲覧したとカウントされる仕組み。いわば「裏広告」です。漫画村の運営者は、別サイトのアクセス数を増やす見返りに、そのサイトの広告収入の一部も報酬として得ていた可能性があるといいます。

トレンドマイクロ 岡本勝之さん
「広告主側もだまされているという、二重の“詐欺”につながる行為。」

海賊版漫画サイトの闇 大企業をだます裏広告

田辺記者:なぜ大手企業の広告が出ていたのか。背景には多くの場合、広告主が掲載先を選ぶのではなく、いくつもの広告代理店を経て掲載先が決まるという、ネット広告の仕組みがあります。専門家が裏広告を二重の詐欺だというのは、広告主の大手企業から見ると、悪質な海賊版サイトとは知らずに広告が掲載されたということに加えて、広告は実際には見られていないにも関わらず、広告料を支払わされたということを指しています。取材の結果、漫画村とつながっていたまとめサイト、これは50以上確認できました。多くの大企業が知らないうちに、結果的に、漫画村の運営を資金面で支えていた可能性があるということです。

これを防ぐ手だては?

福井さん:裏広告は、本当にここまでやるかと思ってちょっと驚きましたけれども、やっぱり収入源である広告を断つべく、個別の広告出稿をしないでくれという要請はこれまでも行われてきたんですよ。ただ、広告配信の仕組みは、ご覧になったとおり複雑だし、確信犯的な事業者も多いので、これまでは実効性というのは限定的だったんですね。ただ、このところ非常に、いわばネット界全体でも、こういう広告手法、抑えていくべきじゃないかという動きが高まってきている。ただ、これから先、そういう動きが出てくると、今度は海外の広告代理店に流れちゃう可能性が出てくると思いますね。
(まさに、これもいたちごっこになる可能性がある?)
可能性はあります。

鎌倉:この状況に対して、政府は先週、緊急対策を取りまとめまして、漫画村を含む3つの海賊版サイト(漫画村・Anitube・MioMio)を対象に、一般の人がサイトを閲覧できないようにする「サイトブロッキング」を容認する意向を示しました。このサイトブロッキングというのは、国内では児童ポルノに対してのみ実施した例があります。出版各社は、これを前向きに受け止めています。集英社は「大きな前進」。KADOKAWAは「海賊版被害の食い止めに大きく寄与する」と述べています。一方で、さまざまな団体や専門家からは、反対の声が上がっています。憲法学者の東京大学大学院の宍戸教授です。「利用者のアクセスの常時監視につながり、『通信の秘密』の侵害に当たる。検閲につながる恐れがある」などと指摘しているんです。

運営側を規制するのではなく、それを閲覧する方を遮断するというサイトブロッキングだが、賛否両論ある?

福井さん:この海賊版の遮断措置というのは、EUなど42か国で導入されていて、効果も報告はされているんです。また、日本でも児童ポルノを対象に、立法じゃなくて、これは緊急避難という形で行われてはいるんですね。出版界の要望は切実なものがある。ただ、検閲的であるとして、特に立法抜きの、緊急的な遮断には反対意見も強いんですね。サイトそのものが自主閉鎖も考えられる現在の状況で、こうした緊急的な導入に理解が広がるかは全く不明です。やはり、あくまでも裁判所の判断に基づいて、関係者が納得できる法制度の議論を進めるべきだと思うんですね。特に、新たな技術っていうのはどんどんと生まれているし、1つの対策で絶対的なものにはなりえない。だから、異なる立場の人々が加わって、対策やあるべき制度を議論するフォーラムのような場が必要だという気がします。

赤松さん、コンテンツがタダで当たり前という風潮が広がる中で、どうやって対抗していく?

赤松さん:音楽とか動画の世界では、定額見放題、定額聴き放題みたいなのが、外資系企業によって確立されていると。同じように漫画も定額読み放題はあるでしょうね。なおかつ、全出版社横断で、ここに行けば必ず読めると、なおかつ海賊版サイトよりも使い手が使いやすい、これがあれば、海賊版にいく必要がなくなりますから、勝てるということになりますね。

こういったサイトを利用してしまう人たちに対して、ひと言。

福井さん:この漫画というのは、クリエーターたちにとっては生存の糧なんですね。もしクリエーターという職業が成立しなくなれば、漫画は生まれないことになる。海賊版の最大の被害者は読者自身なんですね。ですから、先ほどの法的な対策、それから赤松さんおっしゃったようなビジネス面の努力、そして何より社会の理解によって、海賊版と社会全体が向き合っていくことが必要だと思います。

赤松さん:われわれ、真面目にやっているやつの仕事を、安易に利用してほしくないとは思いますね。

私たちもそのことを心に留めなければいけませんね。