クローズアップ現代

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No.39322017年2月9日(木)放送
“ぽっちゃりブーム”到来!? ~ダイエットとの上手なつきあい方~

“ぽっちゃりブーム”到来!? ~ダイエットとの上手なつきあい方~

到来! “ぽっちゃりブーム”

今、男性、女性を問わず、ぽっちゃりした体型の人の好感度が上がっているといわれています。
一般的に肥満とは、肥満度の基準となる指数・BMI、これは体重を身長で2回割る数値ですが、この値が25以上の人を指します。

こちらのぽっちゃりしたシルエット。
番組を担当したディレクターの実寸大です。
BMIは25.6。
ただ、ぽっちゃりをどれくらいの体型の人と捉えるのか、人それぞれなんですが、どんなブームが起きているんでしょうか。

なぜ今“ぽっちゃり”がブーム到来の理由

お笑いコンビ、メイプル超合金の安藤なつさんです。

メイプル超合金 カズレーザー
「どうした、そこの医者が戦慄する太り方。」

子どものころから、自分が太っていることをごく自然に受け入れてきたという安藤さん。
コンプレックスに縛られない生活を貫いてきました。
今、そうした生き方が、体型に悩む女性たちの共感を呼んでいます。

メイプル超合金 安藤なつさん
「デブになって、けつが硬くなって、くるみが割れるようになりました。」

太っていることが芸人としての大きな武器になっているという安藤さん。
しかし、芸人になっていなかったとしても、自分のスタンスに変わりはなかったといいます。

メイプル超合金 安藤なつさん
「粉々っすね。」

ぽっちゃりブームの先駆けになったのが、4年前に創刊されたこの雑誌でした。
海外でも人気の、渡辺直美さんをモデルに起用。
ぽっちゃり体型の女性を支援するこの雑誌は、3万部売れたらヒットといわれる中で、10万部近く売り上げたのです。

さらに2年前には、男性向けの雑誌も創刊。
太っていることをありのまま受け入れようというコンセプトが大きな反響を呼びました。

ぽっちゃり男性向け雑誌 編集長 倉科典仁さん
「こういう雑誌が出たことで、すごく安心したというか、別に太っていること自体が負い目を感じることではないと。」

読者モデル 野坂さん
「安心感があって。
それまでは、痩せなきゃ、痩せなきゃっていう人たちばっかりだったんだけど、今、太っててもいいじゃないかという感じになって。」

自分の体型にコンプレックスを抱えてきたという、読者モデルの上野貴之さんです。

カメラマン
「笑顔だけは忘れないでください。」

読者モデル 上野貴之さん
「よく忘れるんですよ。」

女性から太った体型を理由に交際を拒絶された経験もある上野さん。
外見で評価されることに自信を失うことも少なくありませんでしたが、これからはありのままの自分を受け入れてもらえるのではと考えています。

読者モデル 上野貴之さん
「ダイエット、ダイエットじゃなくて、自分らしい格好でやっていけばいいじゃないということが雑誌に書いてあったんで、これはすごい共感できるなって思って。
いま一番、人生の中で堂々としていられるのかなって思ってますけど。」

ぽっちゃりブームは、恋愛や結婚の価値観も変化させようとしています。
参加者数が日本で最も多い、大手結婚相談所主催の婚活パーティー。
今、一番人気があるのが、ぽっちゃり体型の人限定のイベント。
この日の主役は、ぽっちゃり型の女性。
27人の男女が参加しました。
ここ数年、ぽっちゃりしたタレントやアナウンサーが人気を集める中で、キャンセル待ちが出るほど、申し込みが殺到するようになりました。

参加男性
「いいっすね、料理得意なの。」

参加女性
「実家に住んでいて、家族分の料理を作っているんです。」

人材派遣会社が、20代から30代の男性に行った調査です。
ぽっちゃり型の女性とやせ型の女性、どちらが好きかと聞いたところ、ぽっちゃり型が好きだと答えた人が、2015年の調査では40%だったのに対し、去年(2016年)は73%にまで増えています。

エクシオ婚活アドバイザー 北川志穂さん
「本当に明るい方が多くて、しゃべってる男性もすごく毎回楽しそうにされているので、キャンセル待ちにならないように、開催数をどんどん増やしていっております。」

“ぽっちゃり”は健康? 世界で議論が

とはいえ健康を考えると、ぽっちゃりは体によくないのでは?
そんな中、気になるデータが。

2013年、アメリカ疾病対策センターの研究者が、体型と死亡リスクの関係について、地域や人種を超えた大規模な調査を行いました。

肥満度の基準となる指数、BMIが25から30、軽度の肥満の人が最も死亡リスクが低いと発表したのです。
しかし、多くの研究者は肥満は不健康という定説を覆すほどの調査ではないと主張。
「肥満パラドクス」と呼ばれる議論が続いています。

そうした議論をよそに、自由な食生活を送る、メイプル超合金の安藤なつさんです。
もちろん、健康が第一。
その上で、ぽっちゃり体型に悩んでいる人たちを少しでも勇気づけられればと考えています。
安藤さんは現在、ぽっちゃり女性向けのファッション誌で読者からの悩みに答えています。

“太っていることを認めたらいいよ。
認めた上で、嫌だったら痩せればいいし、そのままでいいと思えるのなら、そのままでいいし。
『デブかもしんないけど、痩せたらカワイイわ!』みたいな切り返しとか。”

コンビを組むカズレーザーさんは、そんな安藤さんを最高のパートナーだと思っています。

いまなぜ“ぽっちゃり”がブームの理由

ゲスト 山里亮太さん(芸人)
ゲスト 宮崎滋さん(医師・結核予防会 総合健診推進センター長(所長))

山里さん:まず、安藤なっちゃんは、ぽっちゃりという枠組みに入っているんでしょうかね。
結構ボリューミーですけれども。
ただ、安藤なっちゃんが言っていましたけど、太ることをそんなに気にしなくていいよと。
その分、手にした力というのが「お尻でクルミを割れる」という。
このメリットで何か皆さん、「よし!」と思っていた人がいたんですか。

すごいですよね。
道具がいらないですよね。

山里さん:そうですけど。
ただ、今日の番組を見て、本当のことを知れば、明日ちゅうちょせず「おかわり」って言えるようになるんじゃないかなという期待もしています。

実は私も、学生のころから、大きな体型の伊集院光さんが好きなんですが、女性から見た、ぽっちゃり体型の男性の好感度も上がっているんです。
結婚情報サービス会社が、20~30代の女性に行ったアンケートでは、7割の方が、ぽっちゃり体型の男性を恋愛や結婚の対象として好意的に見ていることが分かりました。
山里さんも芸能界に入ってから体重の増減を経験されているが?

山里さん:もともと芸能界入った時に96キロありまして、そこから、あるお仕事をいただいて、73キロになり、23キロのダイエットに成功しました。
今、そこからちょっと戻って80キロぐらいですね。
(その時々の周囲の方の反応はどうだった?)
やっぱり、スタイリストさんが選べる服の範囲も広がりますし、あと、お仕事の形も結構変わるんですよね。
気持ち悪いっていうばっかりのお仕事ばっかり来ていたのが、司会業とかの話も出てくる。
そういうのが、ちょっとメリットであったかなと思います。

今、読者モデルの方のお話など、どのように思った?

山里さん:本当にすごいポジティブになって、やっぱり罪の意識、罪悪感にずっと襲われ続けるんですよ。
今、これ食べたら何キロカロリーでって、ちょっとこう下向きになっちゃうんですけど、ああやって前を向けるようになった。
いいですよね。
自分たちを周りが肯定してくれるっていうのは、すごくいいと思います。

今、日本では、BMI25以上の肥満の人は、すでに3人に1人ということで、そうしたことも、ぽっちゃり体型の人たちが受け入れられている背景にある?

宮崎さん:だんだん肥満の人が増えてきているという状況はあると思います。
ただ、肥満の人というのは、どうしても怠惰であるとか、だらしないとか、それから自己管理ができないとか、そういうマイナスのイメージがあるものですから。
(それは、どうしてそうなった?)
これは、日本は昔からそういうことはあまりなかったんですけど、やはり欧米のライフスタイルが入ってきて、体を絞っていく、スリムになっていく方がアクティブだというような印象を、皆さんがお持ちになったというのが大きいんじゃないかと思います。

肥満パラドクスへの批判について?

宮崎さん:この肥満パラドクスを出した研究というのは、多くの論文を集めて、データ解析といいまして、それを統計的に解析したもので、本来であれば、非常に信頼度の高い研究なんです。
ただ、これまでとデータが全然違っていたというのは、ここにありますように、その中の情報の集め方に少し偏りがあったとか、それから、それぞれの情報の重みづけがちょっと違っていると、そういうことがあって、変わってきたのかということが1つ。
それからBMI、要するに体重だけで危険性を高めるかどうかというのは、これは今、疑問視されていまして、どちらかといえば、内臓脂肪がたまってくる方が危険だと、そういうものが、ちゃんとライトを当てていかないと、研究としては難しいと。

内臓脂肪が、なぜ悪い?

宮崎さん:内臓脂肪は、例えば血圧を上げるとか、血糖を高めるとか、脂質を高める、そういう悪い方に働くものを放出しているのが脂肪なんです。
ですから、内臓脂肪がたまると、糖尿病ですとか高血圧が起きやすいんです。

内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満がある?

宮崎さん:皮下脂肪の方は、比較的そういう疾患が起こりにくい。
ですから、内臓脂肪がたまっていると、やはり将来的に病気になりやすい。
現在なっている人も多いわけですけれども、死亡率が高まるんです。

山里さん:自分で内臓脂肪型なのか、皮下脂肪型なのかを調べる方法はあるんですか?

宮崎さん:一番簡単なのは、おなか回りを測っていただいて、基準が出ていますけれども、男性は85センチ、女性は90センチ。
内臓脂肪が同じようにたまった時に、やっぱりおなか回りは測りますから、皮下脂肪が多い女性は、どうしても5センチおまけしてやるということですね。

山里さん:85センチを超えてくると、それは内臓脂肪が多いんじゃないかと。

宮崎さん:内臓脂肪が多くて、すでに病気を起こしている可能性が非常に高いので、注意してください。

戦後、日本で大流行した、さまざまなダイエット法です。
紅茶キノコダイエット。
そして、骨盤体操ダイエット。
それから、ビリーズブートキャンプ。
この間、人々はダイエットとの上手なつきあい方に悩まされてきました。

ダイエットとの上手なつきあい方

今から、ちょうど50年前、日本で初めてダイエットブームが起きたといわれています。

1967年、すらりとした細い足で日本に降り立った、1人の女性。
イギリスのスーパーモデル、ツイッギーさんの来日がきっかけでした。
飽食の時代にさしかかっていた、高度経済成長期。
以来、健康と美しさを求めて、さまざまなダイエットの手法が登場しました。
ダイエット関連産業の市場規模は、今や2兆円以上。

しかし、大手フィットネスジムが行った調査によると、ダイエットの後のリバウンドに苦しんでいる人は6割近くに上っています。

出版社に勤める、遠山一さんもリバウンドに苦しめられてきた1人です。
ダイエットを始めたのは、13年前。
関連本を100冊以上購入し、さまざまな方法を試しました。

遠山一さん
「24歳くらいから、ずっとこの十数年、色んなダイエットをやってきました。」

就職してから不規則な食生活が続き、体重が激増した遠山さん。

一度は痩せるもののリバウンドで太ることを繰り返し、5年前には110キロにまでなりました。
遠山さんは、100キロを超えたことに危機感を強め、あるダイエットを始めました。

遠山一さん
「ファミチキを2つお願いします。」

遠山一さん
「これ2つをお昼にしようと思っています。」


昼食をコンビニのフライドチキンだけにするなど、糖質の低い食品を選んだ食生活で45キロの減量に成功しました。
体調不良が起きやすくなるなど、デメリットも指摘されている糖質制限ダイエット。
適度な運動も取り入れ、体力が落ちないように心がけているといいます。
何とか減量に成功した遠山さんですが、リバウンドの不安を拭い去るのは容易ではありません。

遠山一さん
「100kgの恐怖っていうのを今でも持っていて、いつかそこに戻っちゃうって。
ついつい食べてしまうときはあるんですけど。
(ダイエットは)一生通じて、やっていくべきものだと思っている。」

痩せたいと望む人の行く手を阻む、リバウンド。
それを繰り返すと「サルコペニア肥満」と呼ばれる状態に陥ることが分かっています。
適切なダイエットを行わないと、脂肪が減るのと同時に筋肉も減少。
この状態でリバウンドすると、筋肉は増えることなく、脂肪だけ増えていきます。
その結果、ますます脂肪のつきやすい体になってしまうのです。

日本肥満学会 前副理事長 宮崎滋医師
「こうなると非常に糖尿病ですとか、高血圧が起こりやすいことも知られている。
ダイエットを何回も繰り返してやることは、健康にとって非常に害があると。」

ダイエットと、それに伴うリバウンドに疲れ果てた人たちが訪れる島があります。
淡路島です。

「ファスティングは史上最強の治療なんで、体の中から史上最強レベルで変化しますから。」

ファスティングと呼ばれる断食療法を行う、全国唯一の公的施設です。

1週間入所するコースに参加した、赤澤敬三さん、53歳です。
30年前からダイエットに取り組んでいますが、リバウンドを繰り返してきました。

赤澤敬三さん
「ここでどないかせんと、もう太る一方なんで。」

「これが一食のお食事なんですけど、これだけですので。」

ここでの食事は、1日に必要なエネルギーをとるためのジュースのみ。
運動なども取り入れ、日頃の生活習慣を見直します。
急な食生活の変化で副作用も伴うため、医師の管理の下、断食を行います。

「ご気分どうですか?」

赤澤敬三さん
「今朝起きた時は大丈夫だったのですが、そのあと頭がボーってしてくるような感じがしてきました。」

生活習慣を改善すれば、リバウンドのリスクも低くなります。
それでも、また生活習慣が乱れ、再び訪れる人も少なくないといいます。

入所者
「ここへきて体も頭も空っぽにして、軽くなって帰れる。」

入所者
「気分は間違いなく来た時より、たった5日なんですけど、いいです。」

最終日、赤澤さんの体重は4キロ近く減っていました。
これを機に、リバウンドの恐怖から解放されたいと考えています。

赤澤敬三さん
「その荷が下りたって感じ。
今回行かしてもろて、それはちょっとふっきれましたね。
もっと充実した生活を送れるようなものを探す、希望を持てるようなものを探す作業から、やっていこうと。」

リバウンドの恐怖

リバウンドに苦しむ人、ダイエットに成功する人、いろいろな人の思いを見たが、山里さんもダイエットに成功して、その後のリバウンドについてはどう思う?

山里さん:リバウンドって、どれくらいをもって「リバウンド」と言うのかなと思うんですけど。

宮崎さん:減った体重の半分以上増えれば、リバウンドですね。

山里さん:今80キロぐらいだから、リバウンドというのには、あと1キロぐらい。
ギリギリのところですかね。

宮崎さん:スピードの問題もあって、短い期間にどんとそれだけ戻る。

山里さん:ゆっくりじんわりとは、できています。

ファスティングも経験されている?

山里さん:そうなんですよ。
あれの何が大事って、自分に自信が出るというのと、あと何か負けてしまいそうな時に、せっかくファスティングまでして頑張ったのにって言って、ブレーキになったりとかする、そういうメンタル的なこともいいなと思いましたね。

宮崎さん:絶食療法というのは、たんぱく質を全くとらないので、筋肉がどんどん減ってしまいますので、長期間の絶食療法はやめていただきたいと思います。
(医師の管理の下、行われることが大事?)
そうですね。

ダイエットというと、多くの人が短期間で大きな成果を上げたいと思っているが、本来はどのような形が望ましい?

宮崎さん:ですから、健康を回復するためには、大きな体重減少じゃなくて、現在の自分の体重のやっぱり3%減れば十分なわけですね。
それも3か月から6か月ぐらいで減らせばいいわけですから。
ゆっくりやることが大変重要だと思います。

ダイエットで大事にしたいことは?

宮崎さん:体重をゆっくり減らしていくことがリバウンドを防げますし、それから3センチというのは、おなか回りを3センチ減らせば内臓脂肪が減らせるので、劇的に健康は改善します。
これぐらいの体重の減少で、本来はダイエットって、いいはずなんですね。

山里さん:過度になり過ぎちゃっているんですね。
ちょっと基準が高くなっちゃっているのかな、細くなるということに対して。

宮崎さん:無理してやると、その後に、かえって健康障害を起こすことがありますので、気をつけていただきたいと思います。

ダイエットとリバウンドを繰り返すことで、サルコペニア肥満になりやすい?

宮崎さん:要するに、筋肉が減って、脂肪だけが増えるというのが、サルコペニア肥満で、危険な肥満です。

視聴者の方より:「無理なくダイエットをしたいのですが、何かよい方法は」

宮崎さん:一番大事なのは、原因は何かということを探すことですが、多くの場合は果物とかお菓子の食べ過ぎですから、そういうのをちょっとやめるだけでも効果はすごくあると思います。

そして、前向きになれる入り口を探すということも大事ですね。

山里さん:目標が厳しくないと、ちょっと頑張れるモチベーションになりますから、いいと思います。

今回のグラレコ

番組の内容を、「スケッチ・ノーティング」という会議などの内容をリアルタイムで可視化する手法を活かしてグラフィックにしたものです。

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