クローズアップ現代

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No.39142017年1月10日(火)放送
“モノ屋敷”の実家は宝の山!~転売で解決 人生の“お片付け”~

“モノ屋敷”の実家は宝の山!~転売で解決 人生の“お片付け”~

どうしたらいいの? 片づかない実家に悲鳴

今、全国各地で、実家の片づけに関するセミナーが大盛況。
働く世代の実に3人に1人は、実家を片づけたいと考えているんだそうです。
でも皆さん、親世代の強い抵抗にあって、苦労しているんですって。

セミナー参加者
「物が無い時代に育ってる親なので、これもあれも取っておきたい。
なんでも後回しって感じで。」

セミナー参加者
「私はこれ要らないかなと思っても、本人は思いがあったり、なかなか捨てきれない物があるようで。」

こちらにも火花を散らす親子が1組。
60代と70代の親を持つ、東京都の藤本あゆみさんです。

藤本あゆみさん
「すごいことになってる…。」

10年前に結婚して家を出てから、帰省するたびに物がどんどん増え続けているんです。

藤本あゆみさん
「昔、母がここで普通に寝起きしていたのが、ちょっと想像できないぐらい。」

実家がモノ屋敷になった原因は、母のかほるさんにありました。
一度買ったものは、もったいないと捨てられず、娘が片づけてほしいと頼んでも、のらりくらりと先送り。
結果、3つの部屋が倉庫と化してしまいました。

母 かほるさん
「あぁ懐かしいなっていうのもあるし、(娘とは)価値観が違う。」

片づけてと迫る子どもたちに親が口にする決めぜりふが、この3つ。

“もったいない!”

“私の勝手!”

“今じゃなくてもいいでしょ?”

物を手放せない母親に、娘のあゆみさんは思い切った提案をしました。
使っていないものにどれほどの値がつくか。
試しにお金に換算してみようと持ちかけたのです。

藤本あゆみさん
「誰かの手に渡ったら、もっと価値があるもの、意味があるものだとしたら、ここからなくなってもいいんじゃないかな。」

やって来たのは、中古品の買い取り業者、三井恒雄さん。
これまで、数々のモノ屋敷を訪ね、実家の片づけを成功に導いてきました。

買い取り業者 三井恒雄さん
「こんなのも実はあったんだっていうね。」

藤本あゆみさん
「何がなんだか分からないです、今の状態だと。」

三井さんはしまい込んだ物を掘り起し、必要かどうかを考えることが片づけを進める第一歩と考えています。

早速、査定開始。
今回は、木彫りのこけしや子どもに買ったおもちゃ、アンティークの置き時計など、家の隅に放置されていた物の一部を選んでみました。
一つ一つ状態を確認し、市場の相場もチェックしながら評価額を決めていきます。
10点ほどを見積もるのに、およそ1時間。

買い取り業者 三井恒雄さん
「こちらになります。」

気になるお値段は?

母 かほるさん
「39万9千円。」

えー!?

藤本あゆみさん
「びっくりしました。
そんなにするんだと思って。」

父 惠さん
「相当なものじゃないのかな。」

車のミニチュアは1セットで1,000円。
置き時計は250円でした。

一般に、思ったより評価額が高いのは、こんなもの。
古いからと捨ててしまうのはもったいないですよ。

さて、今回見つかったお宝は、こちらの掛け軸。
なんと35万円。
母のかほるさんがいつ、どこで買ったかさえもあいまいになっていたものでした。
まさに、宝の持ち腐れ。
かほるさん、予想外の高値に心を動かされたようです。

母 かほるさん
「使っていただく方がいれば、(転売を)考えたいと思います。
すっきりさせなきゃいけないなと思ってます。」

実家から掘り起こされたお値打ち品が流れ込むのが、中古品の市場。
全国に、およそ1,000か所あります。

「5万。」

「6万。」

「7万。」

「8万。」

「9万。」

ここ数年、懐かしのおもちゃや食器類など、家を片づけた際に出てきたものが急激に増えています。

買い取り業者
「70代、80代の人は『終活だ』と言って、(買い取りを)お願いしに来ますよ。」

実は、競り落とされた中古品の一部は、アジアで売られて大人気。
品質に厳しい日本人が使っていた、ユーズド・イン・ジャパンが引っ張りだこになっているそうです。
最近、プロの業者の手を借りず、自分で手軽に不用品を転売する人も増えています。

秋山真由美さん
「全然使ってないじゃない?」

母 洋子さん
「使ってないねぇ。」

静岡県の秋山真由美さん。
ネットのフリマアプリを利用して、実家の片づけを進めています。
手続きは簡単。

まず、転売したいものを撮影し、さらに、品物の大きさや希望価格などの情報を打ち込んで転売サイトにアップします。
情報は、すぐに世界中に公開されます。

アプリの利用者は、延べ4,000万人以上。
誰か1人でも購入を名乗り出れば、その時点で即交渉成立です。
どんなものでも簡単に出品でき、自分の希望した価格で売れるところが気に入っています。

秋山真由美さん
「お値引き交渉とかそういうのもコメントが入ってきて、お互いに納得のいく値段で。」

愛着のあるものを、本当に必要とする人に使ってほしい。
これまで、ネクタイピンやアクセサリーなど、20点近くが売れました。
捨てられず、しまい込んでいた物がほかの人のもとで大切に生かされている。
母の洋子さんは、すっかり片づけに前向きになりました。

母 洋子さん
「(不用品を)買ってくださる方が、こんなにも大勢いるんだなと。
物が少しずつでも減らしていけるとわかりました。」

モノ屋敷が宝の山に!? トクする実家片づけ術

ゲスト 松本明子さん(タレント)
ゲスト 大久保恭子さん(住生活コンサルタント)

片づけに前向きじゃなかった親も転売することで心が大きく動いていたが?

松本さん:知らなかったですよ。
本当にああいうふうに出して、つながるものかな、売れるのかなって半信半疑でしたけど、やっぱり見ている人がとてつもなく大勢いらっしゃいますから、利用するべきですね。

松本さんのご実家は?

松本さん:四国の香川県に空き家としてあるんですけれども、親世代の物がまだまだ片づけしきれてないですね。
やっぱりもったいない、物を捨てられないという世代です。

そんな中からお宝を探すポイントをVTRに出演されていた三井さんに伺ってきました。
まず、高値で売れる物どんな物なのか、こちらです。

金縁眼鏡ですとか銀製トロフィー。
金や銀といった素材としての価値が高いということで、数万から十万円ほどの価値ということなんです。

*さらに、囲碁、将棋盤や怪獣などのフィギュア。
こちらは、マニアがいるものなので、希少価値があって値がつくということなんです。
いい物ですと、10万円以上することもあるということです。
松本さんのご実家には、これらのものはある?

松本さん:囲碁盤があります。
重いやつがあります。
実家に眠っています。

逆に、こんな物はちょっと難しいというものもあります。
普段に使っている、ぐい飲みや食器などの量産された日用品。
ひな人形などの和人形は、多くの家にあるということで、プロの値段がつきにくいということがあります。
でも、フリマアプリですと品物が大勢の人の目に触れますので、中に思わぬ買い手がつくこともあるので、1つの手かもしれません。

松本さん:利用しない手はないですよね。
お金にもなって、さらに欲しいと言ってくださる方がいて、片づけもできるという。

実家はどうしても物があふれがちなケースが多いと思うんですが、なぜ?

大久保さん:要因は、3つあるように思います。
1つは、物は自分の分身ということですから、親が長い人生かけて集めてきたもの。
それはすべて自分の分身、自分のアイデンティティーを示すものなので、これを捨ててしまうのは喪失感につながってくるから嫌だと。

松本さん:生きているうちは言えなかったんですね。
けんかになってしまったりして。

大久保さん:傷つくこともあります。
言えないものだと思います。
2番目が、老化の問題です。
心身の機能が低下いたしますので、筋力が弱くなる。
それから、判断力や記憶力もなくなってきますので整理もできませんし、なかなかごみ捨てもできなくなる。
それまで、ご夫婦で暮らしておられた方たちが1人亡くなられて1人暮らしになりますと、日々の生活の張り合いとか、生きがいがなくなります。そうなりますと、最初にやらなくなるのが家事、その中でもお掃除や片づけ、こういったことが原因になっていると思います。

3つ目が、私が勝手に言っているんですが、廃棄物流システムの滞留。
つまり物を作って、売って、それを買い手の家に届けるという販売や生産の物流システムは、すごく進化しているんです。
通販で朝クリックすれば、その日の夕方には家に届いてしまいます。
ですけど、ごみを捨てる廃棄物流システムは、時間や日にちも決まっている、分別もしなければいけないし、所定の場所まで持っていかなければならない。
そのため、入ってきたものはスムーズに入ってくるんですが、出ていくものが滞留してしまって、なかなか出ていかない。
家庭の中が動脈硬化状態になっているということです。

そうした中で、どうしていったらいい?

大久保さん:高齢になられたご両親や親に片づけなさいというのは酷なので、もっと早い段階。
例えば、還暦とか古希とか、そういった時に記念行事、イベントとして、還暦片づけとか古希片づけというようなことを親子、親戚一同でやってみることがいいのではないでしょうか。

松本さん:いいアイデアですね。

実は、実家の物の片づけというのはゴールではありません。
親が亡くなってしまった後、大事な片づけが待っています。

松本さん:もしかして、お家ですか?

そうなんです。
松本さんもお悩みの不動産ならぬ、負動産。
中でも、片づけに立ちはだかる最大の壁が、空き家問題なんです。

どうする 実家の空き家化 ポイントは早めの対策

今、全国で急増中の空き家。
空き家となった実家を相続した場合、どんな事態が待っているのでしょうか。

50代の山田美穂さんは2年前、東京・大田区の実家を相続することになりました。
この家で暮らしていた母親が急性心不全で突然亡くなり、後を追うように父親も亡くなったのです。
残されたのは、築およそ30年の木造の家。

山田美穂さん
「本当にそのままっていう感じになっちゃってるんですけど。」

両親を相次いで失った悲しみから、家に入ることすらつらく、2年たった今も部屋は当時のままです。

今、山田さんに重くのしかかっているのが、実家の維持費です。
年20万円ほどの固定資産税。
火災保険料に加え、家の様子を見に来た時のために契約を続けている水道代や光熱費。
合計で、年間40万円近くになります。

山田美穂さん
「維持費はいろいろとかかるんだなって。
トータルすると結構な額になりますね。」

ご存じ、日本の空き家問題。

最新の調査では、全家屋の1割ほどですが、6年後には2割を超え、そのまま増え続ける見込みです。
国は、管理されない空き家への固定資産税を大幅に上げるなど、対策を急いでいます。
では、山田さんには今後、どんな選択肢があるのか。
専門家と一緒に考えてみることにしました。

不動産コンサルタントの高橋正典さん。
空き家に関する1万人以上のお悩みを解決してきました。
相続から2年たった山田さんに、早く何らかの手を打たないと手遅れになると、くぎをさしました。
強調したタイムリミットは3年です。

どうする 実家の空き家化 勝負は3年

不動産コンサルタント 高橋正典さん
「片づけをしなきゃいけない、遺品を整理しなきゃいけない、いろいろあると思うんですよ。
2〜3年で建物の老朽化が進んで、結局、建物は使えない。」

山田さんの実家の評価額も、過去2年ですでに60万円以上ダウン。
3年たてば、当初より100万円低くなってしまいます。

もし、家を第三者に貸すことができれば、入居者から家賃が入り、家を維持できるメリットが見込めます。
しかし、貸すにあたっては、老朽化した家のリフォームや手入れにかなりの費用がかかります。

不動産コンサルタント 高橋正典さん
「(家を)貸そうと思うと、かなりリフォームして、キッチンや水回りを交換して、100万円単位のお金が出ていく。」

それでは、実家を売る選択肢はどうか。
まとまったお金が入り、空き家の維持費や管理からも逃れられます。
この場合も3年以内がポイント。

不動産コンサルタント 高橋正典さん
「(3年以内に売れば)譲渡所得税を安くする、課税しない制度ができたんです。」

3年以内に売れば、条件によっては税金が大幅に控除される場合もあるのです。
目安の3年まで、残り1年。
親から譲り受けた空き家をどうするか。
しっかり考えることにしました。

山田美穂さん
「売った方が、管理の面でも楽だと言われたけど、まだ、どうしようかなという状態ですね。」

早ければ早いほど吉 実家の方づけ 人生の整理

松本さん:3年って、あっという間なんです。
やることがいっぱいあります。
手続きとか、いろんなことがありまして、気持ちの中でも癒えていないので、3年以内ってちょっと厳しいですね。
(実際、どれぐらいたっている?)
うちは、もう両親が他界して10年たちました。
でも、どうしようかなと思ってます。

住んでいる所から離れた所に実家がある場合も困るが?

松本さん:行くまでも旅費がかかりますし、大変なんです。

大久保さん:その地方の家をどうするか。
漠然と、地方の家だから難しいんじゃないかというふうなことを聞くんですけれども、まず、実家の不動産力をきちんと整理したほうがいいと思います。
不動産力というのは、実家の交通、立地がどうなっているか、敷地がどのぐらい広いのか、間取りや建物面積はどうなっているのか、築年数はどうなっているのかというようなことをデータ化して整理します。

松本さん:それはプロに頼んでもいいわけですか?

大久保さん:いいんですけれども、登記簿を見たりすることもあります。
そのデータをもとに地元の不動産屋さんに問い合わせをして、実家が売れるのか、いくらで売れるのか、それとも売れないのかというのを確認します。
なかなか家として活用が難しい場合も、例えば近くの企業の資材置き場とか、営業車の駐車場とか、そういう活用もありますし、たまたま隣の方が3世帯同居したいから土地を譲ってほしいということもあったりするわけです。
近いうちに、空き家を民泊に活用することもできるようになりますので、そういう活用の道もあるかと思います。
それでも難しい場合は、自治体で運用している空き家バンクに実家を登録しておくということもあると思います。

松本さん:私もそうなんですけど、親戚や友人がいて、ご近所づきあいもあって、自ら関係を断ってしまうことにならないかなとか思うんです。

かかってしまうお金と、その思いとがてんびんにかけられる判断が難しいが?

大久保さん:その思いを整理するために2つの方法があると思います。
1つは、家というのが暮らしを支える器で、土地と建物になっていますが、これは個人の財産でもありますが、社会的な資源でもありますから、この資源は有効に活用されなければ意味がない。
できれば、誰か使いたい、暮らしたい人に譲って、家族で幸せに暮らしてもらうのであれば、その実家も浮かばれるというふうなことがあるかもしれません。
もう1つは、例えば家系図を作って、自分の家というものの歴史を自分の中に蓄積をして、それをお子さんにも引き継いでいくというふうなこともできますし、親の思い出については、例えば、和歌が好きなお母様だったということであれば、和歌を集めて歌集を作るということで思い出を引き継いでいくこともできると思います。

実家の片づけ方というのは、本当に人それぞれだと思うんですけれども、一人一人じっくり考えながら答えを出していきたいですよね。

思い出の詰まった実家 出したこたえは… 

空き家となった実家を抱える山田さん。
遺品の中に、家族のアルバムを見つけた。

結婚するまでの26年間、この場所で愛情をこめて育てられた。

山田美穂さん
「大事にされてたのが…。」


思い出の詰まった家を維持したまま、他人に貸すことを考え始めた。

山田美穂さん
「少しずつ、少しずつ、片づけてきれいにして、この家を生かせていけたらなと思ってます。」

実家の方づけ、あなたも始めてみませんか。

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