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2016年9月28日(水)

“軍事”と大学 ~岐路に立つ日本の科学者たち~

“軍事”と大学 ~岐路に立つ日本の科学者たち~

出演者

  • 河村豊さん
    (東京工業高等専門学校 教授)

  • 新本貴敏
    (NHK記者)

  • 久保田祐佳
    (キャスター)

質問
コーナー

Q1

安全保障技術研究推進制度では、「研究成果が民生利用されることを期待」して予算の公募が行われているようですが、本当に研究成果は民生利用されるのでしょうか。

研究成果を民生利用するためには、成果が公開される必要があります。安全保障技術研究推進制度では成果は公開可能を原則としています。一方で研究実施期間中の成果の公開にあたっては、その内容について事前に防衛装備庁に知らせることが求められています。そうした点から、本当に公開することができ、民生利用も可能なのか、懸念を抱いている大学や研究者もいます。
Q2

問題の一つに、研究者自身が深く問うこと無く、気がついたら軍事研究に参加していたという状況が生じてしまうことがあると思います。アメリカでは、軍事研究への参加の是非は、研究者によって異なると聞きました。研究者が自身のスタンスを確立できるための、考える場を作ることも必要かと思います。

科学者自らが考えを深めるため、倫理教育の機会を増やす必要があると考えている大学もあります。これまで日本の大学で科学者倫理については、「研究の不正を防ぐ」ための教育が主で、デュアルユースや研究成果の社会に与える影響についての教育は、盛んに行われてこなかったと受け止めている大学も多いようです。また、日本学術会議では、研究の是非を科学者個人の判断に委ねるのか、大学など研究機関が判断するのか、といった点も議論が必要だとされています。

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