泥沼の内戦が続くシリアなどからヨーロッパをめざす難民や移民が過去にない規模で急増している。その数は今年だけでこれまでに50万人を超えている。人道的責任を掲げて「難民受け入れ」を表明したドイツに対して、ハンガリーが難民を押しとどめようと国境沿いにフェンスを設けるなど東ヨーロッパ諸国は猛反発。難民への対応をめぐって欧州内の対立は深まっている。一方、シリアやその周辺国での人道危機は、国際社会が有効な対策を打ち出せないまま、悪化するばかりだ。難民の数は400万人にまで増え、資金不足から食糧援助が減らされるなど、支援が頼みの綱の難民たちは追い詰められている。「今世紀最大の人道危機」に私たちはどう向き合うべきなのか、考える。
みんなのコメント