この夏相次いだ、JR東日本の施設などへの連続放火。40代の男が、事件に関わった疑いがあるとして逮捕された。事件から浮かび上がったのは、運行に不可欠なケーブルが、フェンスのすぐ脇に敷設されるなど、十分に守られていないという意外な盲点だった。コンピューター制御による運行が発達した結果、ケーブル数が増加し、外部の人の手の届く場所にまで広がってしまったという指摘も出ている。都内を縦横に走れる利便性、運行が1分とずれない正確性、高い安全性から“世界一”とも言われる日本の鉄道。一方、利便性のために相互乗り入れが進んだり、運行システムが集約されたりした結果、ひとつのトラブルの影響がほかの路線に広がり、数十万人に影響が出てしまうという、脆弱さが浮き彫りとなっている。高い利便性を維持しつつ、犯罪やトラブルに強い鉄道をどうつくりあげるか。苦悩する現場を取材し、対策を考える。
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