国民の2人に1人がかかる、がん。そして、アルツハイマー病。こうした病気を、ごく初期のうちに見つけ、治療につなげようとする技術が、広がろうとしている。国立がん研究センターは、7万人のがん患者の血液を分析し、がん細胞が出すマイクロRNAという物質を検知する技術を確立した。ステージ0での「超早期発見」を目指しており、研究段階だが、乳がんでは90%以上の確率での発見が可能になった。慶応大学では、唾液による超早期発見の研究に取り組む。臨床試験に参加した70代の男性は、唾液検査がきっかけでステージ0の大腸がんが見つかったが、手術によって取り除くことができた。一方で課題もある。アルツハイマー病は発症の約10年前からの超早期発見が可能になってきているが、有効な治療方法はなく、検査結果を告げられ苦悩を深める人もいる。いわば「未来」を告げる検査結果を医師はどう伝え、患者はどう受け止めればいいのか。最先端技術の可能性と、そこに私たちはどう向き合えばよいのか、考える。
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